ヴァーディついに離脱、マフレズに陰りがみえるレスターは、どこまで踏ん張れる⁉
レスターに、曲がり角がやってきたようです。12月にはプレミアリーグ首位に立ったチームも、モウリーニョ監督解任のトリガーとなったチェルシー戦快勝の後は、1勝2分1敗とややブレーキがかかっています。カウンター主体で攻撃の手数は多くなかったチームが、失点をしながらも勝ち続けていたのは、ここぞというチャンスでの集中力が高く、ヴァーディとマフレズが信じられない決定力でゴールを重ねていたからです。昨季のプレミアリーグでは、2人合わせて9ゴールしかなかった前線のタレントが神通力を失えば、ドローで終わる試合が増えるのも自明です。ボーンマス戦でマフレズが外したPKからは、焦りが感じられました。読みの裏を取る動きもキックの強さもなければ、GKが最も反応しやすい腰の高さのボールが弾かれても驚きはありません。
「勝ち点40に届いた。ファンタスティックだ。われわれはゴールを決められなかったけど、今日もクリーンシートだ。もちろん、選手たちにはシャンパンを振る舞うよ。会長が出してくれるかもしれない。私はピザをおごろう」
ラニエリ監督は、勝てなかった悔しさよりもプレミアリーグ残留当確ラインといわれる勝ち点40に到達したことを強調し、得意の「ピザおごる発言」を繰り出しておりました。おっしゃるとおり、昨季残留を決めた際にホームサポーターにビールを大盤振る舞いしたタイ人実業家のヴィチャイ・スリヴァッダナプラバ会長から、シャンパンを引き出すのは簡単でしょう。しかし一方で、ラニエリ監督が掲げた次なる目標には、険しい道のりが待っています。
「プレミアリーグの前半戦で、われわれは勝ち点39を挙げた。だから、後半戦は40をめざそう。難しいことは承知している。でも、このリーグはクレイジーだからね。残留は決めた。次はトライだ。冷静にね」
最近5年のプレミアリーグでは、勝ち点79は2位~4位。新しいミッションをクリアすると、チャンピオンズリーグ出場権が手に入るのは間違いありません。しかし、厳しい。岡崎慎司、インレルといった未だ実力を出し切っていない新戦力が、前半戦のヴァーディやマフレズ、ドリンクウォーターらと同じぐらいのインパクトを見せなければ、これまでの快進撃を上回るのは難しいでしょう。さらなる補強という手もありますが、中堅クラブの経営規模では大物獲得は難しいと思われます。
地元メディア「レスター・マーキュリー」は、バーミンガムの19歳MFデマライ・グレイが375万ポンド(約6億6000万円)で獲得合意しており、既にメディカルチェックまで完了と報じています。U-20イングランド代表のサイドアタッカーで、いい選手ですが、初年度はオルブライトンとのポジション争いに勝てるかどうかでしょう。「サンデー・ピープル」が報じたACミランのナイジェル・デ・ヨング獲得の噂は、昨季のカンビアッソという前例を思い出せば荒唐無稽な話ではないものの、10月以降の出場機会がたった1試合の選手に多くを求めるのは危険です。
レスターは、どこまで踏ん張れるでしょうか。ヴァーディもさることながら、マフレズの疲労感のほうがより気になります。私は、「最後はいつもの顔ぶれで上位は占められる」と語るクリスタル・パレスのパーデュー監督のクールな見解に乗りたいと思います。今月のトッテナムとのシックスポインターを落とせば、春を待たずに彼らにかわされる可能性大。マンチェスター・ユナイテッドやリヴァプール、復活気配のチェルシーの追撃に耐えて5位フィニッシュなら大健闘ではないでしょうか。岡崎慎司が今季の目標としている10ゴールを大きく上回るようなチームに変貌を遂げれば、サポーターが夢みる幸せな結末は実現するのかもしれませんが…。
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ヴァーディーが居ないのは岡崎にとっては逆にチャンス。レスターにとっても岡崎にとっても正念場ですね
ガナユさん>
そうですね。マフレズがへたったとき、新戦力のデマライ・グレイなどどんなオプションが機能するかがとりわけ重要だと思います。