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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

史上最少ゴール数、アウェイで減らない失点…リヴァプールが補強すべきポイントはどこ?

監督交代のリフレッシュ効果か、クロップ監督の明るさがチームをポジティブにしたのか、新しい指揮官の滑り出しは6戦無敗、3勝3分と順調でした。プレミアリーグ12節のクリスタル・パレス戦には敗れたものの、直後にエティハドでマンチェスター・シティを1-4と粉砕し、余勢をかって4連勝。12月頭のキャピタルワンカップ準々決勝、セント・メアリーズで開催されたサウサンプトン戦を1-6で圧勝したときは、リヴァプールはTOP4争いに早晩食い込んでくるものと期待が膨らみました。

しかし、そこからがいけません。降格ゾーンにいたニューカッスルに2-0と完封され、ワトフォードに3-0、ウェストハムに2-0と、中堅クラブとのアウェイ戦でいずれも完敗。ベンテケの決勝ゴール2発で年末のタイトなスケジュールをやり過ごしたものの、内容的によかった試合はレスター戦のみ。プレミアリーグ6試合で2勝1分3敗の失速は、ファン・ハール監督が目立ってくれていなければ、もっと話題になっていたでしょう。ロジャース監督時代は、3勝3分2敗で得点8、失点9。クロップ監督に代わってからは5勝3分4敗で、得点14に対して失点15。何のことはない、数字で見れば、「リヴァプールは変わっていない」のです。

ちなみに、プレミアリーグ開幕から20試合終了時の22ゴールは、クラブ創設以来124年の歴史のなかで最少だそうです。1920年代と70年代に23ゴールが1回ずつあり、プレミアリーグになってからは、2010-11シーズンと2011-12シーズンに連続で記録した24ゴールがボトムライン。この2シーズンは、ベニテス監督が去った後にホジソン、ダルグリッシュと指揮官が代わった暗黒期で、フェルナンド・トーレスの移籍や大型補強の空振りで6位、8位と低迷した時期でした。歴史が繰り返すものなら、今季のレッズがこのまま手なりでシーズンを終えると、レスターやトッテナムの背中を見ながら7位前後で着地することになります。うーん。

と、ここからが本題です。クロップ監督招聘は、長期的なチーム強化を見据えたものと理解しながらも、今季のプレミアリーグをこのまま終わらせないとすれば、補強はどこに着手すべきでしょうか。失点も24と多いチームなので、GKからストライカーまで、気にし出したらすべて何とかしたくなります。しかし私は、こう思うのです。大物以外は行くな、と。この冬、いっていいのは、「GK」「クロップ監督が絶対ほしい選手」「プレミアリーグ経験があるハイレベルな選手」だけではないでしょうか。中途半端な補強は、バロテッリやマルコヴィッチのような残念な状態を増やすだけだと思います。

振り返れば、2004-05シーズンにチャンピオンズリーグを制覇したチームには、ジェラード、キャラガー、シャビ・アロンソがおり、2006-07の欧州ファイナルには、さらにマスチェラーノとカイトの姿がありました。当時のレッズは、指揮官も中心選手も一流だったのだと思います。その後、ベニテス監督が去り、フェルナンド・トーレスが勢いを失うと、リヴァプールはプレミアリーグのトップクラブと呼べるレベルではなくなります。ダウニングやアンディ・キャロル、チャーリー・アダムらはテコ入れとはいえず、次の浮上にはルイス・スアレスという超一流が必要でした。今のリヴァプールにほしいのは、なかなかいい選手ではなく、トップクラブの中軸を担うような選手なのだと思います。アーセナルのエジル、アレクシス・サンチェス、カソルラ。マンチェスター・シティのアグエロやダヴィド・シルヴァ、ヤヤ・トゥレ。マンチェスター・ユナイテッドのルーニー、キャリックのような。

オーバメヤンやギュンドアン、フンメルスといったクロップ監督の子飼いの選手や、トニ・クロースが獲れるなら大金用意してしがみつけ!ですが、これらの話には現実感がありません。現在、獲得の噂がある選手で多少無理めなお値段でもゴーサインを出していいのは、テア・シュテーゲンだけではないでしょうか。バルセロナが2000万ポンド(約35億円)なら出すという報道も眉唾な感がありますが、獲れる可能性があるならむやみに値切らず、決めにいったほうがいいでしょう。大物が市場に出なければ、この半期はオリギやロシター、ジョーダン・アイブ、フラナガンなど若手の成長を促し、夏にしっかり体制を整えるべしと思いますが、いかがでしょうか。

あの暗黒の1年、マンチェスター・ユナイテッドのモイーズ監督が「若手を育てながらプレミアリーグ5位」だったなら、私は続投OKでした。実際には「ベテランと揉め、未来を示せずの7位」だったので解任はやむなしでしたが、立て直しの時期に重要なのは、「未来につながる何かを残せるか」だと思います。プレミアリーグのロゴが入った帽子をかぶれば、ヨーロッパリーグはマジメにやってくださいねと念押ししたくなりますが、今季のレッズが万力込めて勝ちにいくのは、タイトル獲得まであと二歩となったキャピタルワンカップぐらい。他は目先の勝利よりも、コンセプトの浸透、若手抜擢による次代の軸づくりに注力してもいいでしょう。もし、そうしても、スタリッジの再生がうまくいって、エムレ・ジャン、ミルナー、ヘンダーソンがトップフォームで多くの時間を過ごせれば、プレミアリーグ4位なら充分狙えるはずです。

ベンテケがスケープゴートになりがちですが、彼をスアレスと比較したり、クロップ監督のサッカーに合う・合わないと性急に決めようとしなければ、将来的にはポジティブな面のほうが多いのではないでしょうか。スタリッジ、オリギ、ダニー・イングスが揃ったチームのなかでは、ベンテケの高さと強さは昨季までのボリーニよりも数段上のいいオプションだと思います。バロテッリやランバートと違って、曲がりなりにもプレミアリーグで6発決めているストライカーは、本来なら足元も悪くない選手で、フィットすればもっと結果を出せるでしょう。…そんなこんなをつらつら考えているうちに、ストークとのキャピタルワンカップ準決勝第1戦のキックオフまで残り24時間を切りました。この大会は、レッズ久々の戴冠に期待しています。楽しみです。

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“史上最少ゴール数、アウェイで減らない失点…リヴァプールが補強すべきポイントはどこ?” への8件のフィードバック

  1. プレミアリーグ大好き! より:

    ベンテケは悪い選手ではないですが、リバプールが無駄に払いすぎましたね・・・
    リバプールはマルコビッチやフィルミーノ、ベンテケなど中途半端な選手に意味不明な高額を払うので、何がしたいのかよくわかりません

  2. nyonsuke より:

    更新ご苦労様です。

    おっしゃるとおり、補強は即戦力のみが望まれますね。
    今問題なのは、ヘンド、ミルナーのコンディションが上がらず、ジャン一人では中盤が機能しないこと、そしてトップがベンテケでは好不調の波が激しいためオプションがほしいのにもかかわらず、スターリッジが計算できないことだと思います。
    こうなると、今までのレッズはバーゲンセールに手を出したり、無駄に金を積んだりとパニックバイに走る傾向にあるので、心配です。
    クロップ監督がどこまで移籍に関与できるのかが注目かと思います。
    しかし、これまでのコメントではGKを補強しない、積極的な補強をしないと言ってますし、獲得第一号はまたまた若手のグルイッチ…、これで噂にあるバロ復帰なんかが実現したら…、これが本当にクロップ監督の意向なのでしょうか?
    冬の移籍市場いかんで、また暗黒時代に逆戻りしそうでかなり心配しています。
    望まれるのは、クロップ監督の意向を第一にした補強ですが、これまでと同じか否かでレッズの命運は決まるのではないでしょうか。

  3. Macki より:

    更新ご苦労様です。
    暗黒時代へ逆戻りは勘弁ですが、かと言って焦っての補強は反対です。今季は建て直しで5位フィニッシュで御の字だと思います。FWは色々とありますが、もう少し我慢すればオリギも帰ってきます。ベンテケ一人に荷を負わすの少々考えものです。彼の場合は移籍金が高額すぎです。レッズはいい加減パニックバイや無駄な高額払いを止めるべきです。兎にも角にも、明日早朝のCOCはチームの今後のためにも勝利して欲しいところです。そろそろ戴冠が必要な時期です。

  4. makoto より:

    プレミアリーグ大好き!さん>
    うーん、ベンテケは契約の問題があり、フィルミーノは意味不明というほどではなかったかなと思います。高かったのは確かですが。マルコヴィッチはギャンブルでしたね。

    nyonsukeさん>
    「委員会(まだありますよね?)が、どこまでクロップ監督の意志を尊重したジャッジをするか」なんですかね。中盤と前は焦ってリーズナブルな選手に手を出さず、GKは、獲れるなら強引にでもいったほうがいいと思います。ヘンダーソンのケガはなかなか治らないようなので心配ですが、ミルナーとスタリッジが何とか機能してくれれば、いいところまでいけるのでは?と期待してます。ベンテケとイングスを獲った以上は、バロテッリ復帰は考えないほうがいいですね。

    —–
    Mackiさん>
    オリギは直近の試合がよかったので、復帰したら楽しみですね。ベンテケの移籍金が高かったのは確かですが、彼しか候補がいないというところまでいっていたので、仕方ないかなという気持ちもあります。われわれもマルシアルにはかなーり払いましたが、彼がいなかったらどうなっていたかを想像すると、なおさら。

  5. マンUファン より:

    GKは必須ですね
    テアシュテーゲンは良いGKなので
    多少払いすぎてでも獲得すべきですよね
    おっしゃるとおり
    ワールドクラス以外は手を出すべきでは
    ないと思いますが
    CBが少々きついように感じます
    マルキーニョスなら声をかけてみても
    おもしろいかなと思います
    できたらユナイテッドに来て欲しいですが(笑)

  6. リバサポ より:

    ワールドクラスがきてくれるのなら、それに越したことはないですけど…
    ここ最近だと、ミルナー、ララーナ、ロブレン、ベンテケ、クラインなど、プレミア経験者で即戦力候補をお金をかけてとるのが精一杯ですからね…サポーターとしては、あまり高望みはできないかなと思います。
    委員会は責任の所在が曖昧になりがちなので、SDを置いて、監督中心のチーム作りを地道にしていくしかないのかなぁとは感じます。華はなくてもいいので、いい取引だと思えるような移籍市場になればと願います。

  7. K より:

    ルーカス8年目、シュクルテル7年目、ヘンダーソン5年目、4年目はスタリッジとコウチーニョくらいで、入社3年離職率が異常に高い上に殆どの選手は転職で年収ダウンに繋がるブラック企業ですからね〜。大物が来ない原因を考えねばいけません。

    闇雲に入れ替えても熟成されませんから、センターハーフ、センターバック、ゴールキーパーでビッグネームが来るか、誰も来ないか、っていう補強戦略でこれからは動いて欲しいですね。ユース上がりで経年劣化したポジションの穴埋めしながら耐えて欲しいですね。そこを耐えられず、人心掌握出来なかった前任者よりは戦略で劣るかもしれませんが、ここを変えないとビッグクラブに戻れません。リヴァプールはいつの間にかトッテナムになってしまったというキャラガーの指摘は正しいんですよ、残念ながら。ノッティンガムフォレストにならぬよう、適切なマネージメントをして欲しいところですね

  8. makoto より:

    マンUファンさん>
    そうですね。これだという選手は獲ってもいいのですが、「補填」はあくまでもレンタルで、とするのがいいと思います。

    リバサポさん>
    「これからブレイクしそうな若手を青田買い」あるいは「腐っている選手を再生」…といけるといいんですねどね。コウチーニョは、半ばそういう好例だったのではないでしょうか。ボージャンがそれなりに結果を出し、シャキリが最近輝き始めたストークの選手獲得を見習うべきなのかもしれません。

    Kさん>
    冒頭、おもしろい表現ですね。何か悔しいです(笑)背骨を強くしよう、ということですね。同感です。

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