偏愛的プレミアリーグ見聞録

日本時間13日、ニューカッスルがセヴェに続いてジョンジョ・シェルヴィの獲得を発表。リヴァプールとスウォンジーでプレミアリーグ126試合を経験している大型セントラルMFの獲得は、コルバック頼みだったニューカッスルの中盤の真ん中をアグレッシブにしてくれるでしょう。キャバイェを彷彿とさせる攻めっ気の強いセヴェと、運動量が多いとはいえないシェルヴィが共存できるのかという疑問はあるものの、強化ポイントが明確な補強には好感が持てます。そうこうしているうちに、ここ数日、秒読み状態と報じられていた移籍が決定したというニュースが飛び込んできました。アーセナルのエルネニーです。

「僕のことを見たことがない人がほとんどだと思うけど、チームに貢献するとファンに約束するよ。プレミアリーグとカップ戦で優勝したいね。もちろん、チャンピオンズリーグも」（モハメド・エルネニー）

今季、バーゼルで28試合6ゴール2アシストを記録していたセントラルMFについては、プレミアリーグ21節のリヴァプール戦後のヴェンゲル監督が「彼は加わった。日曜日に登録できるかどうか…」と語っており、正式な発表を待つばかりとなっていました。イギリスメディア「BBC」が伝える4年半契約、500万ポンド（約8億5000万円）という数字が事実なら、かなりのお買い得物件なのではないでしょうか。日曜日にブリタニアで戦うアーセナルは、期待の新戦力をいきなりプレミアリーグデビューさせるかもしれません。

カソルラ、ラムジー、ウィルシャー、コクラン、フラミニ、アルテタがおり、負傷者が復帰するとレギュラー争いが激しくなるアーセナルのセントラルMFですが、パスコースを切ったりスペースを埋めるのが得意なエルネニーはガナーズにいないタイプで、アルテタとフラミニが残るかわからない来季以降は、コクランやカソルラ、ラムジーとうまくローテーションしながら活躍していけるのではないかと思われます。バーゼルではアンカーのポジションに入り、ジェラードのようにコントロールタワーとして振る舞う機会が多かった選手を、ヴェンゲル監督はどう活かすのでしょうか。百聞は一見にしかず、まずはストーク戦、あるいはその次のチェルシー戦ですね。プレミアリーグ首位クラブは、まだまだ野戦病院です。エジプト人MFの貢献に期待しましょう。

最後にもうひとり、移籍決定報道ですが、こちらはプレミアリーグ出戻りかつレンタルです。サンダーランドが発表した前線の補強は、トラブゾンスポルのセネガル代表FWダメ・エンドイェ。2014-15シーズン後半にハル・シティに所属し、15試合5ゴールとまずまずの数字を残していたストライカーは、トルコに渡って半年でイングランドに舞い戻ることになりました。プレミアリーグ18位と低迷するサンダーランドには、スウォンジー戦でハットトリックを決めたジャーメイン・デフォーという絶対的なエースがいるものの、期待されたイェレマイン・レンスはフィットしきれておらず、ボリーニも今ひとつ。トイヴォネンに至っては未だノーゴールで、サム・アラダイス監督には物足りない顔ぶれになっていたようです。労働許可証発行が間に合わず、16日のトッテナム戦は見送らざるをえないようで、エンドイェのお目見えは23日のボーンマス戦となる見通しです。

中堅・下位クラブの補強予算が増えて、どこもかしこも強くなると、優勝争いも残留争いもまずまず読めなくなってきます。タインウェア勢が巻き返してくると、危ないのはスウォンジー、ボーンマス、ノリッジ、アストン・ヴィラ。彼らもまた、補強でこの苦境を乗り切るのでしょうか。ちょうど折り返し地点となった冬の移籍市場は、残すところ2週間です。