昨季の上位が勝利なしの大波乱!レスターは最後まで走りきるのか~プレミアリーグ21節総括
FAカップでヴァーディとマフレズを休ませても負けなかったレスターの強さは、ただの勢いではなく本物のようです。勝ち点で7差となったトッテナムですら、ホームでの直接対決で1分1敗とやられているようでは追いつけるか微妙。9差のマンチェスター・ユナイテッドと12差のリヴァプール、19も離されてしまったチェルシーは、今季プレミアリー開幕前には降格候補と目されていた中堅クラブに、ヨーロッパリーグどころかチャンピオンズリーグ出場権を明け渡すことになるかもしれません。
ヴァーディとマフレズの当たりが止まり、トッテナム戦まで4試合勝利なしと停滞の危機にあったラニエリ監督のチームは、失点が多かった守備は逆によくなり、最近5試合で3失点。うちクリーンシートが3つと奮闘しています。最終ラインの的確なポジショニングやカンテ、ドリンクウォーターの運動量に加えて、前線からしつこく追いかける岡崎慎司のプレスも見逃せません。トッテナム戦は相手の攻勢を耐える時間が長く、DFフートのゴールで決まった試合にも関わらず、岡崎慎司の現地評価は10点満点で軒並み7点。「スカイスポーツ」は8点と、両チーム合わせて最高の点数をつけており、「デイリー・ミラー」に至っては、「過去の日本人選手のなかで最高(何人いましたっけ…)」という大げさかつビミョーな表現でリスペクトしていました。
「シンジ・オカザキはプレミアリーグにやってきた日本人選手の中で最高だろうか?それは疑う余地がない。これまでの日本人選手は素晴らしいテクニックを披露してきたが、彼にはフィジカルの強さも備わっている。危険で、力がある選手だ」(「デイリー・ミラー」の岡崎慎司評)
トッテナム戦での高い採点は、守備や組み立てへの参加だけでなく、ゴールの匂いがするエリアに常に顔を出し、カンテ、ドリンクウォーター、ヴァーディらのシュートを演出したプレイが評価されたのだと思われます。最近は、ボールがもらえる機会が格段に増えました。目標とするシーズン10ゴールは、決して高すぎる数字ではないでしょう。
さて、レスターの躍進でいよいよ苦しくなってきたのは、昨季はプレミアリーグ4位に食い込んでCL出場権という最低限の目標をクリアしたマンチェスター・ユナイテッドと、王者チェルシーです。ヒディンク監督就任以来2勝3分と負けなしのチェルシーは、攻撃は目に見えてよくなっており、イヴァノヴィッチのクロスをファーのアスピリクエタが押し込んだWBA戦の先制ゴールと、ウィリアンのグラウンダーにニアでケネディがつぶれた2点めは見事な展開でした。しかし一方、この試合の守備は致命的なミスで2点を献上してしまいました。絶対に取られてはいけない状況でペドロがボールロストし、そのまま決められたガードナーのミドルと、リードした終盤なのにバイタルエリアに2人も自由な選手がいた同点ゴールのシーンは、彼ららしくない奪われ方でした。
観ていて思い出すのは、昨季のモウリーニョ監督の凄さです。個々の選手のクオリティではナンバーワンとはいい切れなかったチームがあれだけ強かったのは、絶対に隙を見せない守備戦術が徹底されていたからでしょう。マクリーンに余裕を持って右隅を狙われた失点は、1年前にはマティッチが100%埋めていたエリアからのシュートでした。
チェルシー同様、残り5分を切ってからニューカッスルに追いつかれたマンチェスター・ユナイテッドは、ファン・ハール監督が語るように「自滅」でした。ここで決めれば相手が戦意喪失するという決定機をリンガードとフェライニが外し、最後は左サイドに「どうぞ突破してください」というスペースを空けてしまい、3-3のドロー。今のチームに足りないのは自信で、なぜ自信がないかといえば、結果が出ていないことに加えて、同じメンバーで戦うことで積み上がってくる「こうすればいいんだ」という手応えの不足ではないでしょうか。負傷者が多く、やりくりを強いられていることもあり、マンチェスター・ユナイテッドの布陣は毎試合変わります。プレミアリーグ開幕当初、スモーリングとブリントに最終ラインをまかせたように、期待する選手に明快な役割を持たせて、多少の不具合には目をつぶってでも軸を創らなければ、不安定な戦いぶりは変わらないのではないかと思います。
チェルシー、マンチェスター・ユナイテッド、トッテナム、リヴァプールはレスターに届くのでしょうか。ラニエリ監督のチームには、これといったケガ人も深刻なスランプの選手もなく、新戦力のデマライ・グレイや、ここまで適応に苦しんでいたインレルなどチームとしての伸びしろがあります。残り17試合を、レスターが6勝5分6敗でフィニッシュすると、マン・ユナイテッドは今以上に高い勝率となる9勝5分3敗、チェルシーに至っては13勝3分1敗が必要となります。うーん、こうなると、ヒディンク監督が標的にすべきは、青ではなく赤と白ですね。何が起こるかわからない混戦プレミアリーグ、次節はリヴァプールとマンチェスター・ユナイテッドがつぶし合い、レスターの相手は最下位アストン・ヴィラです。ああ、さらに離される…⁉
おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!
更新お疲れ様です。
レスターは勢いとともに今季はいってしまうのでしょうかね。
どのコメンテーターも後半レスターは落ちると予想されていますが、そもそも前半レスターが首位になると予想された方はいないと思います。
鍵は怪我人と主軸のコンディションかと思っていましたが、スパーズ戦をみた結果ラニエリ監督の手腕でいってしまいそうな気もします。
前半戦でうまくいってないチームを立て直さなければならない赤い2チームよりは、勢いを持続させて戦えるレスターのほうが優勢のような気がしますね…。
今季は優勝争いもどうなるかわからないので、シーズン終了まで楽しめると思います。
ナショナルダービー、楽しみです。
あと、岡崎の日本での評価って低いと思いませんか?
香川と本田は不調でもニュースになるのに、岡崎は毎年一定以上の結果と評価をヨーロッパで出しているのに…。
岡崎のような選手で盛り上がらない限り、日本のサッカーは発展しない気がしますが、プレミア好きの遠吠えですかね…。
神がかった活躍を見せていたヴァーディやマフレズも流石に疲れが現れ始めたのでしょうかね? 強豪との連戦が続いた過酷な日程、ファンの期待、慣れない予想外の高順位、騒ぐメディアと心身ともに疲弊してもおかしくないですね。
しかし、こんな時だからこそ最前線で誰よりも走り回る、個人での打開力は高くなくとも泥臭くクレバーな岡崎選手がチームを引っ張っていってほしいです。
リバプールサポーターなので願わくばそろそろ落ちていただきたいのですが、金だけじゃ勝てないと我がチームも含め大金をばらまくプレミア強豪勢に喝を入れていただきたい気持ちもあります。
更新ご苦労様です。
ラニエリ率いるレスタースには正直ここまで来るとは思いませんでした。脱帽です。
看板2枚が前半よりは落ちてきていますが、チームも引きづられて落ちていないのが素晴らしいですね。レッズサポーターとしては複雑ですが、現時点ではCLの舞台で観たいチームの1つです。
あとは日本人としては岡崎がどこまでゴールを決めてくるかが楽しみなところであります。
まさか2つとも勝てないとは思いませんでしたorz
とはいえ、レスターも流石にこのまま優勝争いとは思わないので、elまたはcl権を争うことになるでしょうね
すると、ガナーズとシティはcl権当確として
clの残り2枠とel枠を
レスター、スパーズ、ハマーズ、ユナイテッド、ストーク、パレス、リパポ、巻き返せればチェルシーとで争うことになりそうです
例年にも増して大混戦の極みですね(笑)
スパーズはスタメンが固定化されつつあり、メンバー変更による上積みの可能性(昨期のケイン、今期のアリ)が望めなさそうなので
勤続疲労が溜まって徐々に調子が落ちてゆくのが怖いです
オノマーやプリチャード、冬の移籍が強化の可能性というところでしょうか
レスターも得点力の低下に伴い、とりこぼしが増えそうな予感があるのに対し
調子さえ戻れば戦力優位がモノを言うユナイテッドと
所属するクラブレベルを間違っているようにすら見えるパイェが戻ってきたハマーズが怖いです^^;
nyonsukeさん>
リヴァプールの勝ち方が参考にされて止まるかと思っていたのですが、レスターはしぶといですね。岡崎慎司に関しては、私もそう思います。CL出場権に届くようなクラブで、彼ぐらいやれている選手はそうそういないですよね。中村俊輔と内田篤人ぐらいでしょうか。
NA28さん>
岡崎にとってはチャンスだと思います。ラニエリ監督は、守備戦術が素晴らしいですね。
Mackiさん>
カンテとドリンクウォーターが効いてます。インレルが機能してきたら、さらにおもしろくなりそうです。
スパーズ推しさん>
パイェ、怖いですね。彼がいるだけでエネル・バレンシアやサコがより輝くので、貢献度は見た目よりさらに大きいと思います。ハマーズは最後までやっかいな存在となりそうです。