的確な中盤の守備と速いアタック。トッテナムがフィオレンティーナに3発快勝でベスト16!
これは残念。プレミアリーグ16ゴールの絶対的エース、ハリー・ケインが鼻骨を折ってリタイア。運動量とドリブルで中盤を支えてくれるデンベレもいません。トップに入るのはラメラでしょうか。中盤はシャドリ、エリクセン、デル・アリ、ライアン・メイソン、エリック・ダイアー。CBはアルデルヴァイレルトとヴィマー、SBはベン・デイヴィスとトリッピアーのヨーロッパリーグ担当コンビです。とにかく重要なのは、先に点を奪われないこと。守備に長けたイタリアのチームに余裕をもって守られる展開だけは避けなければなりません。
立ち上がりからフィオレンティーナが厳しく仕掛けるプレスに、トッテナムは劣勢です。前の布陣はラメラが左で、最前線にはシャドリとデル・アリが交互に顔を出しています。5分過ぎからペースをつかみ始めたホームチーム。7分に左サイドから入れたラメラのFKはDFがクリア。11分の右からのCKは、ニアで競り勝ったエリック・ダイアーのヘッドが左に切れていきます。中盤でのボールの奪い合いが続き、シュートが少ない神経戦。17分に遠めからの直接FKを狙ったイリチッチのキックは、ロリスのキャッチに余裕があります。19分、ライアン・メイソンが横に流したボールをエリクセンがジャストミート。正面でキャッチしたGKタタルサヌは、トッテナムの司令塔が前を向いて持ったときにはミドルシュートに要注意です。DFの股間を通したデル・アリのスルーパスは、タタルサヌがラメラに先着しました。よりゴールに迫っているのは、ホームのスパーズです。
25分、やりましたスパーズ!ベン・デイヴィスが入れた楔を、最前線に入っていたデル・アリが倒されながら左につなぐと、ライアン・メイソンがGKと1対1。右隅を狙ったシュートは完璧でした。1-0、順調な試合運びではあるものの、これだけではゴールを奪われれば難しくなるという状況は変わりません。フィオレンティーナは苦しいロングフィードが多く、スパーズの守備陣は落ち着いて対応しています。35分にデル・アリが右から持ち込んだシーンは、切り返しから打った左足のシュートがアストリに当たり、浮いたボールに合わせたラメラのヘッドはオフサイド。トッテナムの守備は中盤のバランスがよく、スペースをもらえないヴィオラのチャンスは、39分にイリチッチのFKをニアのバレーロがヘッドで叩いた1回だけでした。前半は1-0。オールド・トラフォードでは、もうひとつのプレミアリーグのクラブがアウェイゴールを奪われる厳しいゲームとなっています。
47分、ラメラの縦パスで裏に抜け出したシャドリがゴールネットを揺らすも、オフサイド。ベルナルデスキが右サイドを破ったシーンは、中を固めたトッテナム守備陣がシュートをはね返します。デル・アリのシャープなミドルがDFのブロックに阻まれた後、右サイドからゴールライン際まで上がってクロスを入れたのは、何とアルデルヴァイレルトです。パウロ・ソウザ監督は、61分にイリチッチを下げ、前にサラテを足しました。1月にプレミアリーグからセリエAに渡ったストライカーがピッチに立った直後、トッテナムに2点めが入ります。マークをいなして中央からドリブルで上がったエリクセンが左のシャドリへ。シャドリの強烈な一撃はタタルサヌがセーブしますが、背後にこぼれたボールを振り向きざまに蹴り込んだラメラの一撃は止まりませんでした。チャントが響き渡るホワイト・ハート・レーンの嫌な雰囲気のなかで、フィオレンティーナは2点が必要です。
73分、サラテが2回の切り返しから打った左足シュートは、ベン・デイヴィスがクリア。プレミアリーグらしい素晴らしい雰囲気のなか、トッテナムが勝利に向かっています。若いデル・アリは、2-0のゲームでシミュレーションのイエローカードをもらって次戦を失うのは、もったいないことだと学ばないといけません。81分、ついに勝負は決しました。中盤で奪ったボールをエリック・ダイアーがシャドリにつなぐと、縦に走ったクロス職人トリッピアーの高速クロスに、ゴンサロ・ロドリゲスは自分で入れるか、脇にいたデル・アリに決めさせるかの厳しい二択を強いられました。わかっていて止まらなかったオウンゴール。このゴールは、シャドリの外を追い抜くと見せかけて内側に進路をスイッチしたトリッピアーの巧妙なランをほめるべきでしょう。
87分にシャドリの浮き球を素晴らしいボレーで枠におさめたライアン・メイソンは、GKのファインセーブで2点めはならなかったものの、ハリー・ウィンクスに後を譲る際には拍手喝采です。素晴らしい、素晴らしいトッテナム!プレミアリーグ2位が、セリエA3位を完全に寄り倒したゲームでした。
勝因は、中盤の守備だと思います。現在のプレミアリーグで、戦術的にいちばん優れているのはポチェッティーノ監督のチームであることを見せつけたゲームでした。奪われた瞬間に奪い返すべく囲む速さと、獲れると見るやすかさず人数をかけて追い込む鋭いプレスに、フィオレンティーナの中盤は戸惑い、プレミアリーグの下位クラブのようなキックアンドラッシュしか手立てがなくなってしまいました。エースなきゲームを、それがどうしたといわんばかりの組織的なサッカーで勝利したトッテナム。このクオリティをプレミアリーグにそのまま持ち込まれれば、レスターとアーセナルが上に立つのは難しいでしょう。
結局、気になって同時に横目で観てしまったマンチェスター・ユナイテッドも、望外の5ゴール圧勝で勝ち抜けを決めました。歓喜、歓喜の連続でプレミアリーグ勢は全勝、セリエAで勝ち残ったのはラツィオのみです。この調子なら、チャンピオンズリーグの4枠を減らさずにすむかもしれません。いやー、ロンドンもマンチェスターもリヴァプールも…最高です!(ライアン・メイソン 写真著作者/cfcunofficial (Chelsea Debs) London)
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ナポリがいなくなったのはでかいですね。
スパーズは優勝候補でしょうが、リーグでCL権をほぼ手にしているのでELにモチベーションを見つけにくいと思いますが頑張って欲しいです!
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更新お疲れ様です。
ダイアーが中盤に入り、後ろにトビーが入るとやはり引き締まりますね。特にダイアーは本職CBより向いているように思います。
何はともあれ無事3チームとも突破できましたので、次はCL組の番ですね。
更新お疲れ様です。
素晴らしい勝利でしたね!
安定した試合運びで90分間安心して見てられました。
今日はデンベレの代わりに出たメイソンが決勝ゴール決めましたが、今シーズンはケガ人が出るたびに代わりの選手が活躍してますね。
この辺がオフにチーム戦力を整えた成果でしょうか。
フェルトンゲンの穴をキッチリ埋めたヴィマーも
素晴らしいです。
あああさん>
対ドルトムントは、それ自体がモチベーションになりそうです。がんばってほしいです。
にわかスパーズファンさん>
エリック・ダイアーについては、私もそう思います。攻撃センスもなかなかですよね。CLは2つ残ってくれるといいのですが…。
noriさん>
補強もさることながら、若手の成長が大きいですね。ハリー・ケインとデンベレなしであの攻撃力…恐れ入りました。