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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Aston Villa×Arsenal】93分、ジョルジーニョ!諦めなかったアーセナルが劇的勝利で首位奪還!

エヴァートン、ブレントフォード、マンチェスター・シティの3試合でわずか1ポイント。2月に入り、突如失速したアーセナルは、これ以上ポイントを落とすわけにはいきません。プレミアリーグ24節の相手は、11位のアストン・ヴィラ。アルテタ監督は、左ウイングにトロサールを起用しています。

GKラムズデール、DFベン・ホワイト、ウィリアム・サリバ、ガブリエウ、ジンチェンコ。MFジョルジーニョ、ジャカ、ウーデゴーア、FWサカ、エンケティア、トロサール。開始2分のドゥグラス・ルイスのミドルシュートは、右に逸れていきます。3分にトロサールの縦パスで左サイドをスプリントしたジャカは、クロスをブロックされました。

ウナイ・エメリのチームは、6分という早い時間に先制点をゲットしました。ジンチェンコから奪い、右から中央にドリブルで進んだのはマッティ・キャッシュ。長いパスを追ったオリー・ワトキンスは、ボックス左でサリバと1対1となり、縦に勝負して左足を振り抜きました。ラムズデールの左手の先を抜けたボールは右隅へ。絶好調の11番は、プレミアリーグ4試合連続ゴールです。

ガナーズのアタックは、トロサールとジャカのアグレッシブな仕掛けが目立っています。しかし16分の同点ゴールは、右サイドから。ジョルジーニョが縦に優しいパスを転がし、ベン・ホワイトがクロスを上げると、タイロン・ミングスのクリアに先着したサカが、左足のダイレクトショットをネットに突き刺しました。

1-1となった19分、ジンチェンコのロングシュートはエミリアーノ・マルティネスの正面。28分のドゥグラス・ルイスのFKは壁に遮られました。32分、カマラのスルーパスでベン・ホワイトの裏を取ったアレックス・モレノがグラウンダーをフィード。ブエンディアがスルーし、フリーのコウチーニョに渡ると、ガブリエウが右を切ったのを見た23番は、空いていた左隅に決めました。

前半終了間際のガナーズの波状攻撃は、シュートにつながるボールを通せず。ハーフタイムの2-1は予想外のスコアです。ウナイ・エメリは、ペップの戦い方をチェックしたのでしょう。最初の45分をシュート2本に抑えられたのは、ウーデゴーアのパスの出しどころを塞いだから。パス成功率95%は、前を諦めて戻したボールが多かったために出た数字です。

後半もアーセナルがポゼッションを取り、ヴィラはプレスからの速攻狙いです。ベン・ホワイトとサカで右サイドを攻めた51分のチャンスは、クロスがエンケティアに合いません。52分にサカのグラウンダーのクリアを拾ったウーデゴーアは、コースを見出せずにジャカに落としますが、右足のシュートは工夫がなく、ブロックされてしまいました。

直後のCKから、ジンチェンコとサカの連打は枠にいかず。56分にジョルジーニョがベン・ホワイトを走らせ、クロスがファーに届くと、エンケティアのヘッドはバーを越えていきました。61分に右サイドの混戦で粘ったサカとエンケティアはお手柄でした。ショートコーナーから、ウーデゴーアのパスをボックス右手前で受けたジンチェンコが、完璧なミドルをニアに突き刺しました。

63分、ウーデゴーアの美しいスルーパスでエンケティアがマルティネスと1対1。ループシュートなら決まりそうだったのですが、中途半端なシュートはまたもクロスバー越えです。68分、トロサールに代わってマルティネッリ。70分に単独突破を図った11番は、ボックスの入り口からのスルーパスがエンケティアに合いませんでした。

終盤のオープンな展開は、速いウインガーがいるガナーズが有利でしょう。77分、ボックス左でエンケティアがコンサから奪った決定機は、フリーで走り込んだウーデゴーアがまさかのミスキック。ポストの右を抜けたボールを見たキャプテンは、ピッチに突っ伏して頭を抱えています。79分、ベン・ホワイトとジャカがアウト。ピッチに入ったのは富安とファビオ・ヴィエイラです。

83分、右からカットインしたレオン・バイリーがニアに放った強烈なシュートは、ラムズデールの手を弾いてクロスバーにヒット。ヴィラのカウンターが決まるかどうかだった追加タイムは、3分を経たところで景色が変わりました。ジンチェンコがマルティネッリに預け、突破を諦めたウインガーがバイタルエリアに戻すと、ジョルジーニョは迷いなく右足を振り抜きました

アウトにかかったダイレクトショットは、クロスバーにヒット。落ちたボールがGKの頭に当たり、ゴールに飛び込みました。アルテタ監督はすかさずウーデゴーアとジンチェンコを下げ、ホールディングとティアニーを投入。最後のハイライトは98分、ディーニュのCKのクリアがファビオ・ヴィエイラの足元に収まったとき、ヴィラの守護神は敵陣のボックスに入っていました。

左から上がった21番が、中央からスプリントしたマルティネッリにラストパス。無人のゴールに持ち込んだブラジル代表は、走りながら両手を広げています。ラストタッチがゴールのど真ん中に転がり、2-4。後半は攻め続けたガナーズが、追加タイムの2発で3ポイントをゲットしました。

ウーデゴーアが封じられた前半のシュート数は4対2、前を向いて多彩なボールを出せるようになった後半は3対18。1アシスト、チャンスクリエイト7回、ドリブル成功2回を記録したキャプテンの出来によって、これほどチームが変わるのかと驚かされた一戦でした。

今日のマン・オブ・ザ・マッチは、唯一のシュートでチームを救ったジョルジーニョでしょう。サカのゴールの起点となった陽キャのアンカーは、大きなジェスチャーとコーチングでコントロールタワーの役割を果たしました。ファイナルサードへのパスを11本通したジンチェンコは、失点の原因となったボールロストを帳消しにする同点ゴールが秀逸でした。

劇的な勝利から2時間半。アルテタ監督と選手たちに朗報が舞い込んできました。マン・シティが14位のノッティンンガム・フォレストに1-1のドロー。3日も経たないうちに首位奪還です。いま一度、速攻への対応と寄せの緩さが気になる守備を立て直し、前半戦の強さを取り戻していただければと思います。次戦は復調気配のレスター。先に決められるとやっかいなチームです。


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