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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

サカ&マルティネッリの記事から考えた「スターリングのチェルシー移籍はアルテタと別れたから説」を検証!

「最近のプレミアリーグ優勝チームに共通するクオリティは、継続的にゴールを決められるワイドフォワードである。スターリングはシティ時代に5シーズン連続で2ケタゴールに到達しており、リヤド・マフレズは過去3シーズンで2度達成している。サネもシティで2年連続リーグ戦10ゴールを記録した」

「リヴァプールでも、モハメド・サラーとサディオ・マネがゴールを決めるフローは、最近のキャンペーンにおける成功の基盤となった。2017年の夏から今シーズンの開幕までの間に、2人のFWはプレミアリーグでトータル195ゴール、ひとつのキャンペーンあたりで平均39ゴールを決めている」

ワイドプレーヤーの重要性を指摘しているのは、「テレグラフ」のサム・ディーン記者。「The structure and coaching that make Bukayo Saka and Gabriel Martinelli so destructive(サカとマルティネッリに破壊力をもたらす構造とコーチング)」と題された記事は、アーセナルの躍進に欠かせない2人のウインガーについて考察しています。

左サイドから中央に斬り込むガブリエウ・マルティネッリは、プレミアリーグ25試合11ゴール2アシスト。右サイドを制圧するブカヨ・サカは25試合10ゴールで、9アシストはデブライネに次ぐリーグ2位です。ゴールランキングのTOP10に、複数のウインガーがいるのはアーセナルのみ。「ヨーロッパで最もエキサイティングな若手ペア」という表現は、大げさではないでしょう。

「選手生活のほとんどをピッチの中央で過ごし、ゴール前では効果的でなかったミケル・アルテタは、ワイドエリアからゴールを決める術を知り尽くしているようだ」という書き出しで始まる記事は、アーセナルの指揮官が前職で果たした役割を紹介しています。

「アルテタがペップ・グアルディオラのアシスタントとしてマンチェスター・シティにいた頃、ワイドフォワードをゴールの脅威へと変えたと広く評価された。とりわけラヒム・スターリングとレロイ・サネは、スペイン人コーチの指導の下で必殺のフィニッシャーになった」

「特にスターリングには、来る日も来る日も何時間もかけて、走るタイミングやフィニッシュの仕方を指導した。かつてグアルディオラは、こう語っていた。スターリングが危険な選手になるためのラストアクションについて、トレーニングが終わった後も2人で集中して取り組んでいた、と」

直近のプレミアリーグ4試合で7ゴールをゲットしているアーセナルのコンビも、カットインの極意を教えてもらっているのでしょう。サム・ディーン記者は、2人に対する個別指導に加えて、緻密なチーム戦術もウインガーのパフォーマンスを高めるファクターになっていると指摘しています。

「彼らを支えるシステムの重要性は、過小評価されるべきではない。アーセナルは毎試合、同じ構造とパスパターンでプレイし、全員がネットワークにおける個々の役割を理解している。サカとマルティネッリは、どのエリアをどんなタイミングで攻めればいいのかをわかっているのだ」

マルティネッリとトロサールの関係、ガブリエウがボールをキープしたときのウーデゴーアのポジショニング…ガナーズの戦術解説に目を通しながら、ふと思いました。「マン・シティのウイングの得点力が落ちたのは、敏腕のコーチが去ったから?」。慌ててスターリングのスタッツを見ると、「アルテタ中」「アルテタ後」で明らかに変わっています

ミケル・アルテタがマン・シティに加わったのは、2016年7月。1年早く入団していたスターリングは、2015-16シーズンをプレミアリーグ6ゴールで終え、新たなコーチとの初年度も6発に留まっています。ブレイクしたのは2年め。2017-18シーズンに18ゴールをゲットしたスピードスターは、翌シーズンも17ゴールを叩き込んでいます。

3年めとなる2019-20シーズンは、プレミアリーグ33試合20ゴール。このシーズンの半ばに、アルテタはアーセナルの監督に就任しています。ブレーンを失ったスターリングは、2020-21シーズンは10ゴールと半減。昨季は13発を決めたものの、出場機会が減ってしまい、夏にチェルシー移籍を決断しました。

スタッツを見ると、「スターリングがチェルシーに移籍したのは、アルテタと別れたから」という説は立証されているように見えます。ペップの腹心の退団は、イングランド代表FWの人生とマン・シティの戦術を変えてしまったのかもしれません。

サカとマルティネッリには、「いい監督に出会えてよかったですね。悪いことはいわないから、ずっとそこにいなさい」と伝えたくなります。いずれは2人で、サラーとマネを超えるゴール数を記録していただければと期待しています。週末のボーンマス戦も、コンビでゴールを!


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