プレミアリーグ2月表彰は、全勝のポチェッティーノ監督と708分無失点の素晴らしい守護神!
トッテナムが素晴らしいのは、より日程的にタイトになり疲労が蓄積される後半戦で、チームとしての総走行距離を伸ばしていることです。今季プレミアリーグ前半戦のトッテナムの走行距離は、1試合平均114.9km。これが後半戦は117.7kmに伸びており、5日のノースロンドンダービーでも115.1kmを走破しています。この3日前に行われたウェストハム戦で、前半シュートゼロに終わったことを「疲労が蓄積」と書いたメディアがありましたが、あの試合はハマーズのスラヴェン・ビリッチ監督が「今季最高の出来」と胸を張ったぐらいホームチームが素晴らしかった一戦。ヨーロッパリーグとプレミアリーグで週2日が増えているからといって、安易に「疲れている」などと表現するのは、リーグでいちばんターンオーバーに長けた監督に失礼なのではないかと思ったりします。若手が多いこのチームはまだまだ底を見せておらず、最後まで走り続け、伸び続けてくれるのではないでしょうか。スパーズ関係者ならびにサポーターのみなさん、おめでとうございます!
鉄板だった最優秀監督に対して、MVPのほうは混戦でした。2月は爆発したエースストライカーがいなかった月で、4戦3発だったジェイミー・ヴァーディとハリー・ケインは前者がPK1本、後者は2本とNo.1プレイヤーに推すには若干パンチに欠ける内容でした。フィルミーノ、パイェ、エリクセン、マタ…うーん、中盤の選手もこの1ヵ月を切り取ると微妙。4試合で2ゴール2アシスト、レスター戦の劇的な勝利を演出したメスト・エジルが、マンチェスター・ユナイテッド戦でゲットしたゴールが勝利を決める一発であれば選ばれたかもしれません。しかし、2月のエジルは、今までと比べるとゲーム全体のなかでの影響力はさほどでもなく、彼に対する期待値が上がってしまったプレミアリーグファンからすると、やはり物足りなさが残ります。前のポジションに突出した存在がいないなかで全体を見渡すと、最後方にひとり、素晴らしい数字を残した選手がいました。サウサンプトンの守護神、フレイザー・フォースターです。
左ひざの手術で今季の前半戦を棒に振ったフォースターがプレミアリーグに戻ってきたのは、1月13日のワトフォード戦。そこから2月末までのセインツは、5勝1分1敗という素晴らしい成績で走り抜け、一時は6位にまでジャンプアップしました。復帰から2月末までの失点はチェルシー戦の2点のみ、2月はアーセナル、ウェストハムといった難敵相手にもクリーンシートを記録しており、708分連続無失点は見事です。セインツに入団するまでの4年間をスコティッシュ・プレミアリーグのセルティックで過ごしていたこともあり、彼にとっては初めてのMVP。ニューカッスルのクルル以来、2年3ヵ月ぶりのGKの受賞は、いわれてみればごもっともでした。サウサンプトンの関係者とサポーターのみなさんは、10ヵ月におよぶ長期離脱中の彼の苦闘を知る存在であり、その間のチームの停滞を味わってきただけに、喜びもより大きいのではないかと思います。あらためて、セインツの年明けの躍進とフォースターの活躍をリスペクトさせていただきます。おめでとうございます!
3月は、19日のチェルシーとのロンドンダービーでアウェイ勝利を挙げれば、ウェストハムがMVPと最優秀監督のダブルを決めるのではないでしょうか。トッテナム、エヴァートン、チェルシーに3連勝ならビリッチ監督は文句なし、年始のリヴァプール戦から戦列に復帰したパイェのボールタッチとパスセンスは、やはり別世界です。マンチェスター・ユナイテッドサポーターとしては、ひとつ上にいるライバルに対して呑気なことをいっている場合ではなく、ここはチェルシーにがんばっていただきたいのですが…。
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