4人抜きで1発、縦1本でもう1発!スーパー・ルカクが古巣を叩き、エヴァートンがベスト4進出!
お互いのよさをつぶし合う激しいゲーム。来季のヨーロッパへのチケットを獲るために、FAカップで負けるわけにはいかないチェルシーには、パリとのゲーム以上の気迫が感じられます。11分、ジエゴ・コスタの手がギャレス・バリーの顔面に入りイエローカード。チェルシーのエースがこれだけエキサイトするのは久しぶりです。中盤の寄せが速く、サイドからのクロスを入れさせないエヴァートンの守備にチェルシーの攻撃は完全に抑えられ、ウィリアンやセスクから後がつながりません。エヴァートンもルカクとロス・バークリーが前を向いてプレイする時間をもらえず、シュートが少ないゲーム。23分にクレヴァリーが思い切り右足を振り抜いたミドルは左にアウト。27分のコールマンのクロスは伸びすぎ、ルカクの頭をかすめてゴールラインを割ってしまいます。
ヒディンク監督が就任してからのチェルシーが、これほどシュートを打てないのを見ることはなかなかありません。44分、セスクがジャギエルカに蹴られて得た中央からのFKは、ウィリアンの美しいシュートをロブレスがファインセーブ。直後のきわどいCKもGKが大きなパンチでペナルティエリアの外に出します。終了間際、左サイドからレイトン・ベインズが上がり、折り返しをクレヴァリーがダイレクトで狙ったシーンが惜しかったのですが、これはクルトワのダイビングキャッチに阻まれます。0-0のまま、勝負は後半に持ち越されます。
後半も、両者がスピーディな攻撃と激しいチャージを見せ、互角の展開。50分、クレヴァリーのCKをヘッドで合わせたフネス・モリの一撃は、バーの上に浮いてしまいます。58分にセスクの縦パスで左から抜け出したジエゴ・コスタが、フネス・モリとロブレスをかわしたシーンは決まったと思いましたが、角度のないところからの左足シュートはゴールを横切ってしまいました。ルカクはケーヒルにマークされ、シュートは打てないながらもポスト役は果たしています。
65分、ルカクを起点としたカウンターは右からのラストパスがルカクに戻らず。1分後、右からギャレス・バリーとアーロン・レノンが仕掛けたサイドアタックは、逆サイドのロス・バークリーまでまわるも強烈な左足シュートは浮いてしまいます。チェルシーは時折ウィリアンがドリブルで上がり、スペースを探すもののエヴァートンの最終ラインとセントラルMFのバランスがよく、カットされてしまいます。72分、クレヴァリーの縦パスをマッカーシーがスルーしてルカクが抜け出しかけたチャンスは、クルトワの飛び出しが鋭くエースストライカーはプッシュできません。73分、ウィリアンが下がりオスカル。その4分後でした。入った瞬間思わず絶叫してしまったスーパープレイで、エヴァートンが先制です。
自陣からロス・バークリーが出したパスをルカクが左サイドでもらったときは、中のフォローもなく攻めは続かないだろうと思いました。ところがルカクは左で軽快なターンを見せてイヴァノヴィッチとアスピリクエタを抜き去り、下がってきたミケルまでかわすと、ケーヒルをフェイントで翻弄して左足一閃。4人抜きから逆サイドのポストぎりぎりに決められては、クルトワもなす術がありません。古巣からのゴールに、ルカクは泣いているのでしょうか。背番号10の上に折り重なった仲間が離れた後も、なかなか起き上がりません。5分後の82分、ロス・バークリーの短いスルーパスでルカクが抜け出したのは、今度は右からでした。右足の一撃はクルトワの股間を鮮やかに抜き、2-0。プレミアリーグ18ゴールの大黒柱が最後に真価を発揮し、勝負は決まりました。84分にギャレス・バリーとの小競り合いで2枚めのカードをもらったジエゴ・コスタが去り、バリーも3分後に2枚めで退場となりましたが、大勢に影響はありません。85分にテリーがピッチに姿を見せたのは、次のプレミアリーグを見据えた慣らし運転でしょう。4分の追加タイムではスコアは動かず、エヴァートンのベスト4が決まりました。
今日はもう、エヴァートンが素晴らしかった、ルカクは凄いとしかいいようがありません。同じ4人抜きでも、スピードで縦にごぼう抜きしたのではなく、左から中に入って2人、方向を変えて縦に2人ですから難易度はさらに上がります。これは、興奮で眠れません。いいものを見せていただきました。エースをリスペクトするとともに、勝ちたい気持ちが前面に出ていたチェルシーに対して、決定機をひとつしか許さなかったエヴァートン守備陣の組織的な対応にも拍手を送りたいと思います。チェルシーは、たった4日間で2つの大会を失い、欧州へのチケットが遠ざかりましたが、2試合ともワールドクラスのストライカーに最高の仕事をされており、相手が悪かったとしかいいようがありません。
これだけ緊張感が高い好ゲームが、プレミアリーグ10位と12位の試合だということに、どうかしてるぜ!といいたくなります。FAカップは残すところ5試合。3日めの明日は、アーセナルVSワトフォード、マンチェスター・ユナイテッドVSウェストハムとこちらも好カードです。
■FAカップ6回戦 3/11~13結果・組み合わせ
・3月11日
レディング 0-2 クリスタル・パレス
・3月12日
エヴァートン 2-0 チェルシー
・3月13日
アーセナル VS ワトフォード
マンチェスター・ユナイテッド VS ウェストハム
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何回かケーヒルのカバーリングが素晴らしい時があったのですが、怪物ルカクにしてやられました。
2点目はケネディのポジショニングがずれていて、本職じゃないだけに仕方ないのかなと思いますが、
1点目なんかはミケルがカバーに入るのが遅いんですよね。彼みたいな守備に労力を費やすべき選手があのシーンであの速度で戻ってくるのでは、DFラインは負担大でしょう。
これで今シーズンはBPLのみですが、この成績で今夏の移籍市場に期待してもいいのでしょうか。欧州ではCL出れるクラブの魅力は大きいでしょうけど、ELすら危ういですからね。
chelさぽさん>
終盤までのケーヒルはよく抑えてましたよね。1点めのミケルは、「アスピリクエタが止めるよね」「無理していかなくても後ろにケーヒルがいるよね」という人任せの対応になっており、今イチだったのは確かですが、最終ラインの4人のうち3人までをかわしたストライカーが偉かったのではないでしょうか。2点めは、イヴァノヴィッチがルカクをケアせずボールにいってしまったのが敗因でしたね。
欧州を失ったマンチェスター・ユナイテッドにディ・マリアやファルカオが来たことを思い出せば、移籍市場はいけないこともないと思いますが、出費はかさみそうですね。チームをしっかり再構築するなら、サイドアタッカーに100億を超えるオファーがあれば即断でGo!でしょう。
更新おつかれさまです。
なんと強いエバートンなんだ。なんで君たちは12位なんだ。という印象を受けました。
そして何と言ってもルカクです。彼は自分を古巣に証明するのに十分過ぎるインパクトを与えました。他サポなのに感動してしまいました。
この試合のようなディフェンスが続けばなという以前のスパーズにあったような不安を払拭さえすれば、トップ4も?なんて思える戦いぶりでした。おめでとうトフィーズ!
にわかスパーズファンさん>
エヴァートンは、ルカクもさることながら、中盤の選手を含めた守備が美しかったですね。機能美というのでしょうか。バランスを崩さず、危険なエリアを空けないフォーメーションを90分続けたことに感心しました。