2023.04.16 プレミアリーグ観戦記2022-23プレミアリーグ観戦記
【Chelsea×Brighton】ランパードはいじりすぎ?完成度の差を見せつけたブライトン、納得の逆転勝利!
ランパード監督の布陣は4-3-3か、4-2-3-1か。デ・ゼルビ監督の前線と中盤は、エヴァン・ファーガソン、三笘薫、ソリー・マーチ、マック・アリスター、カイセド、パスカル・グロスが揃うベストメンバー。スタンフォード・ブリッジのプレミアリーグ31節は、11位チェルシーと7位ブライトンの対戦です。
トレヴォ・チャロバーが右サイドなら、三笘を止める役割です。CBはフォファナとバディアシル、左サイドにチルウェル。中盤はコナー・ギャラガー、エンソ・フェルナンデス、ザカリア、前線はプリシッチ、スターリング、ムドリクです。ジョアン・フェリックスとリース・ジェームズをベンチに置いたのは、レアル・マドリードとの決戦が控えているからでしょう。
キックオフからしばらくは、ブライトンのポゼッション。ウェブスターとルイス・ダンクのビルドアップに対して、チェルシーの3トップがプレスをかけています。三笘が最初に触ったのは3分。縦のボールに走ったエストゥピニャンがニアにグラウンダーを入れると、ニアに突っ込んできたマック・アリスターのスライディングボレーはポストの外を抜けていきました。
7分に敵陣で奪ったムドリクが左サイドからクロスを上げると、ルイス・ダンクが中央でクリア。CKからのムドリクのミドルは、右に切れていきます。8分にトレヴォ・チャロバーを抜き去った三笘がニアに転がすと、マック・アリスターのフィニッシュはファーポストの外。1分後、ボックス手前からのエヴァン・ファーガソンのシュートは、クロスバーに阻まれました。
押されていたチェルシーの反撃は13分。中央に持ち込んだムドリクがコナー・ギャラガ―に預けると、右足のシュートはルイス・ダンクに当たって跳ね上がり、ロベルト・サンチェスの指先を抜けてネットに届きました。1-0となった15分、左からカットインした三笘はフォファナがストップ。20分に2人に着かれた三笘はエストゥピニャンに任せ、クロスはケパがキャッチしています。
24分、スターリングの縦パスでプリシッチがボックス右を突破。ひとりかわして浮かしたクロスには、誰も反応できません。25分にエストゥピニャンのサイドチェンジを受けたソリー・マーチは、左足のミドルがファーポストの外。直後、左からドリブルを開始した三笘は、エンソ・フェルナンデス、フォファナ、バディアシルを次々とかわして放った一撃をケパに止められました。
意表を突いてニアを狙ったフィニッシュは、素直にファーでもよかったかもしれません。28分に足を痛めたフェルトマンがエンシソにチェンジ。29分、エンシソ、エヴァン・ファーガソン、三笘と左につながったアタックは、ボックス左に出た日本代表のシュートがファーに外れました。
33分、右に流れたエンシソに預けたエヴァン・ファーガソンは、リターンの浮き球をヘディングシュート。決定的な1発は、ケパのビッグセーブに阻まれました。このプレイで18歳は右足を痛めてしまい、急遽呼ばれたのはウェルベック。42分にパスカル・グロスが右から上げたクロスに競り勝ち、ヘディングを左ポストに当てて決めたのは、入ったばかりのベテランでした。
追いついてからもボールを支配し続けるブライトン。短いパスでリズムを創るハイテンポのアタックは、アクシデントで2人チェンジしたチームとは思えません。追加タイム4分、チルウェルのクロスにニアで反応したプリシッチのヘッドは、ロベルト・サンチェスが右手を伸ばしてポストに当てています。
前半のポゼッションは32%対68%、シュートは3対12、オンターゲットは1対5。圧倒的に攻めていたブライトンが、後半も主導権を握っています。48分、ウェルベックの落としを受けたエンシソのミドルは、ケパがキャッチ。GKのミスキックをカットしたカイセドからパスがつながり、右のウェルベックが遠めから狙うと、ケパが冷静に懐に収めました。
プレスを諦めたチェルシーは、自陣に呼び込んでカウンター狙い。53分に三笘のパスがボックス左のエンシソに通ると、左足の強烈なシュートはケパが手に当てています。ランパード監督の最初のカードは58分に4枚。エンソ・フェルナンデス、プリシッチ、スターリング、フォファナと代わったのはコヴァチッチ、ツィエク、リース・ジェームズ、ジョアン・フェリックスです。
60分に左にまわったエンシソは、リース・ジェームズとトレヴォ・チャロバーの連携ミスを突いて奪取。左サイドからニアに打った強引なシュートはポストを叩き、詰めたウェルベックは打ち上げてしまいました。62分、エンシソの縦パスで三笘がボックス左を突破。ニアを狙ったラストタッチは、トレヴォ・チャロバーがブロックしてケパに捕らせています。
65分、チェルシーが久々のアタック。ツィエクの斜めのパスでリース・ジェームズが三笘の裏を取り、高速グラウンダーをロベルト・サンチェスが弾くと、ムドリクのボレーもGKが腿でセーブしています。均衡が崩れたのは69分。ソリー・マーチがエンシソに渡し、前が空いているのを見た19歳が右足を振り抜くと、ボールは左隅に突き刺さりました。
残り20分でシュート数は6対22、オンターゲットは2対8。スタンフォード・ブリッジで押されまくっているブルーズは、このまま終わるわけにはいきません。74分にザカリアと代わったのは、メイソン・マウント。78分に左サイドを突破したムドリクは、折り返しを引っかけられてしまいました。
プレスを復活させ、攻める時間を増やしているチェルシーは、サイドで優位に立ちながらもラストパスが通りません。追加タイムは6分、ボールはサイドアタッカーにつながらず。94分のムドリクのロングシュートは、枠を越えていきます。主力を投入してから逆転ゴールを見せつけられたランパード監督は、3連敗という厳しいスタートとなりました。
恐るべきデ・ゼルビ。フェルトマンの負傷で劣勢になるかと思いきや、パスカル・グロスを右SBに下げてマック・アリスターをセントラルに配し、あっさり攻撃的なスタイルをキープしてしまいました。2つのゴールは、いずれも途中出場のウェルベックとエンシソ。ピンチをチャンスに変えた指揮官にしてみれば、戦術の浸透を実感できる会心の勝利だったのではないでしょうか。
前半は鋭いドリブルでトレヴォ・チャロバーを翻弄した三笘は、コースを切られた後半はエンシソやエストゥピニャンとの連携に徹した感があります。守備にまわった際に、リース・ジェームズやチルウェルにきわどいクロスを許すシーンがあったものの、左サイドを崩すという役割を果たした一戦といっていいのではないでしょうか。
一方、チェルシーが許したシュートは26本、オンターゲットは10本。攻守ともに、指揮官の意図が見えないゲームでした。スターリングのボールタッチは15回で、プリシッチのパス成功は6本、クロスは失敗した1本のみ。ザカリアは攻撃をサポートできず、サイドにまわったトレヴォ・チャロバーは三笘、エストゥピニャン、エンシソに振り回されるシーンばかりが目立ちました。
合格点を出せるのは、ケパ、コナー・ギャラガー、ムドリクだけ。序盤戦の監督交代ならいざ知らず、最終盤に引き受けて最初の3試合を別々の布陣で戦うのは無謀ではないでしょうか。「フォーメーション固定」「とにかく走る」「ボールをサイドに集める」など、徹底度を高めるポイントを決めないと、早期にチームを束ねられないのではないかと思います。
4月に入ってから1分4敗、ゴールシーンはルイス・ダンクの足でコースが変わったコナー・ギャラガーの1発のみ。復活の兆しが見えないチェルシーは、スタンフォード・ブリッジに乗り込んでくるレアル・マドリードから、少なくとも2ゴールを決めなければなりません。5-4-1や5-3-2で耐えて、カウンターを狙う以外の戦い方がイメージできないのですが…。(ロベルト・デ・ゼルビ 写真著作者/TVSEI)
トレヴォ・チャロバーが右サイドなら、三笘を止める役割です。CBはフォファナとバディアシル、左サイドにチルウェル。中盤はコナー・ギャラガー、エンソ・フェルナンデス、ザカリア、前線はプリシッチ、スターリング、ムドリクです。ジョアン・フェリックスとリース・ジェームズをベンチに置いたのは、レアル・マドリードとの決戦が控えているからでしょう。
キックオフからしばらくは、ブライトンのポゼッション。ウェブスターとルイス・ダンクのビルドアップに対して、チェルシーの3トップがプレスをかけています。三笘が最初に触ったのは3分。縦のボールに走ったエストゥピニャンがニアにグラウンダーを入れると、ニアに突っ込んできたマック・アリスターのスライディングボレーはポストの外を抜けていきました。
7分に敵陣で奪ったムドリクが左サイドからクロスを上げると、ルイス・ダンクが中央でクリア。CKからのムドリクのミドルは、右に切れていきます。8分にトレヴォ・チャロバーを抜き去った三笘がニアに転がすと、マック・アリスターのフィニッシュはファーポストの外。1分後、ボックス手前からのエヴァン・ファーガソンのシュートは、クロスバーに阻まれました。
押されていたチェルシーの反撃は13分。中央に持ち込んだムドリクがコナー・ギャラガ―に預けると、右足のシュートはルイス・ダンクに当たって跳ね上がり、ロベルト・サンチェスの指先を抜けてネットに届きました。1-0となった15分、左からカットインした三笘はフォファナがストップ。20分に2人に着かれた三笘はエストゥピニャンに任せ、クロスはケパがキャッチしています。
24分、スターリングの縦パスでプリシッチがボックス右を突破。ひとりかわして浮かしたクロスには、誰も反応できません。25分にエストゥピニャンのサイドチェンジを受けたソリー・マーチは、左足のミドルがファーポストの外。直後、左からドリブルを開始した三笘は、エンソ・フェルナンデス、フォファナ、バディアシルを次々とかわして放った一撃をケパに止められました。
意表を突いてニアを狙ったフィニッシュは、素直にファーでもよかったかもしれません。28分に足を痛めたフェルトマンがエンシソにチェンジ。29分、エンシソ、エヴァン・ファーガソン、三笘と左につながったアタックは、ボックス左に出た日本代表のシュートがファーに外れました。
33分、右に流れたエンシソに預けたエヴァン・ファーガソンは、リターンの浮き球をヘディングシュート。決定的な1発は、ケパのビッグセーブに阻まれました。このプレイで18歳は右足を痛めてしまい、急遽呼ばれたのはウェルベック。42分にパスカル・グロスが右から上げたクロスに競り勝ち、ヘディングを左ポストに当てて決めたのは、入ったばかりのベテランでした。
追いついてからもボールを支配し続けるブライトン。短いパスでリズムを創るハイテンポのアタックは、アクシデントで2人チェンジしたチームとは思えません。追加タイム4分、チルウェルのクロスにニアで反応したプリシッチのヘッドは、ロベルト・サンチェスが右手を伸ばしてポストに当てています。
前半のポゼッションは32%対68%、シュートは3対12、オンターゲットは1対5。圧倒的に攻めていたブライトンが、後半も主導権を握っています。48分、ウェルベックの落としを受けたエンシソのミドルは、ケパがキャッチ。GKのミスキックをカットしたカイセドからパスがつながり、右のウェルベックが遠めから狙うと、ケパが冷静に懐に収めました。
プレスを諦めたチェルシーは、自陣に呼び込んでカウンター狙い。53分に三笘のパスがボックス左のエンシソに通ると、左足の強烈なシュートはケパが手に当てています。ランパード監督の最初のカードは58分に4枚。エンソ・フェルナンデス、プリシッチ、スターリング、フォファナと代わったのはコヴァチッチ、ツィエク、リース・ジェームズ、ジョアン・フェリックスです。
60分に左にまわったエンシソは、リース・ジェームズとトレヴォ・チャロバーの連携ミスを突いて奪取。左サイドからニアに打った強引なシュートはポストを叩き、詰めたウェルベックは打ち上げてしまいました。62分、エンシソの縦パスで三笘がボックス左を突破。ニアを狙ったラストタッチは、トレヴォ・チャロバーがブロックしてケパに捕らせています。
65分、チェルシーが久々のアタック。ツィエクの斜めのパスでリース・ジェームズが三笘の裏を取り、高速グラウンダーをロベルト・サンチェスが弾くと、ムドリクのボレーもGKが腿でセーブしています。均衡が崩れたのは69分。ソリー・マーチがエンシソに渡し、前が空いているのを見た19歳が右足を振り抜くと、ボールは左隅に突き刺さりました。
残り20分でシュート数は6対22、オンターゲットは2対8。スタンフォード・ブリッジで押されまくっているブルーズは、このまま終わるわけにはいきません。74分にザカリアと代わったのは、メイソン・マウント。78分に左サイドを突破したムドリクは、折り返しを引っかけられてしまいました。
プレスを復活させ、攻める時間を増やしているチェルシーは、サイドで優位に立ちながらもラストパスが通りません。追加タイムは6分、ボールはサイドアタッカーにつながらず。94分のムドリクのロングシュートは、枠を越えていきます。主力を投入してから逆転ゴールを見せつけられたランパード監督は、3連敗という厳しいスタートとなりました。
恐るべきデ・ゼルビ。フェルトマンの負傷で劣勢になるかと思いきや、パスカル・グロスを右SBに下げてマック・アリスターをセントラルに配し、あっさり攻撃的なスタイルをキープしてしまいました。2つのゴールは、いずれも途中出場のウェルベックとエンシソ。ピンチをチャンスに変えた指揮官にしてみれば、戦術の浸透を実感できる会心の勝利だったのではないでしょうか。
前半は鋭いドリブルでトレヴォ・チャロバーを翻弄した三笘は、コースを切られた後半はエンシソやエストゥピニャンとの連携に徹した感があります。守備にまわった際に、リース・ジェームズやチルウェルにきわどいクロスを許すシーンがあったものの、左サイドを崩すという役割を果たした一戦といっていいのではないでしょうか。
一方、チェルシーが許したシュートは26本、オンターゲットは10本。攻守ともに、指揮官の意図が見えないゲームでした。スターリングのボールタッチは15回で、プリシッチのパス成功は6本、クロスは失敗した1本のみ。ザカリアは攻撃をサポートできず、サイドにまわったトレヴォ・チャロバーは三笘、エストゥピニャン、エンシソに振り回されるシーンばかりが目立ちました。
合格点を出せるのは、ケパ、コナー・ギャラガー、ムドリクだけ。序盤戦の監督交代ならいざ知らず、最終盤に引き受けて最初の3試合を別々の布陣で戦うのは無謀ではないでしょうか。「フォーメーション固定」「とにかく走る」「ボールをサイドに集める」など、徹底度を高めるポイントを決めないと、早期にチームを束ねられないのではないかと思います。
4月に入ってから1分4敗、ゴールシーンはルイス・ダンクの足でコースが変わったコナー・ギャラガーの1発のみ。復活の兆しが見えないチェルシーは、スタンフォード・ブリッジに乗り込んでくるレアル・マドリードから、少なくとも2ゴールを決めなければなりません。5-4-1や5-3-2で耐えて、カウンターを狙う以外の戦い方がイメージできないのですが…。(ロベルト・デ・ゼルビ 写真著作者/TVSEI)
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