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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【West Ham×Liverpool】直近の4戦で5アシスト…偽SBで輝くアーノルドのベストポジションは?

開始4分、自陣左に開いたファン・ダイクのパスをボーウェンがカット。すかさず中央に浮かすも、マイケル・アントニオの頭に合いませんでした。マン・シティとハイレベルな優勝争いを繰り広げていた頃のレッズには、見られなかった光景です。

12分に左から上がったのはルーカス・パケタ。マイケル・アントニオとポストプレーを繰り返し、ボックス手前に侵入した11番は、右足の強烈なミドルをゴール左に決めました。リヴァプール、ピンチ。今季プレミアリーグの9敗のうち8つは先制されており、そのうちの5敗は序盤に失点を喫しています。

アーノルドとファビーニョが何もできず、フリーのシュートを許したのも不振に陥った今シーズンを象徴するシーンです。アーセナル戦で2点のビハインドから追いついたチーム同士のバトルは、降格ゾーンから脱出して少しラクになったハマーズが押し切るのではないかと思いました。

ところがその6分後、リヴァプールはあっさり同点に追いつきます。ロバートソンが右に出すと、中盤センターのポジションにいたのはアーノルド。マイケル・アントニオのチェックをかわして入れた縦パスは秀逸でした。トラップしたガクポは、左に流れたカーティス・ジョーンズと逆に持って、左のポストの内側に当てました。

27分にはサラーとガクポが前線で奪い、エースが競り合ったこぼれ球がジョッタに渡るも、右足のボレーはファビアンスキ―の頭上にアウト。39分にサラーのクロスをヘンダーソンが頭でつないだチャンスは、走り込んだジョッタのヘディングがファーポストの外に流れていきました。

後半に入り、55分に右から抜け出したボーウェンのゴールは、VARがオフサイドとジャッジ。逆転ゴールは、67分のCKでした。ロバートソンのキックをヘッドで押し込んだのは、直前のCKでフリーのシュートをGKにぶつけたマティプです。

1-2で勝ったリヴァプールは、3連勝で7位に浮上。得点力が高まったチームのキーマンは、クロップ監督の新機軸で強みを活かせるようになったアーノルドです。右サイドで、たびたび守備の脆さを非難されていた24歳のイングランド代表は、中盤センターに絞る偽SBとしてチャンスメイクを増やしています。

深い位置からのサイドチェンジやアーリークロスが冴え、直近のプレミアリーグ4試合で5アシスト。ハマーズ戦ではパス83本、チャンスクリエイト2回、ロングボール6本という数字を残し、フロントスリーを活性化しています。もしかするとアーノルドは、中盤センター、右のインサイド、トップ下などでプレイさせたほうが輝くのかもしれません。

中盤センターなら、長短のパスの精度とプレースキックが魅力のエリクセン。クロスとFKを武器とするインサイドMFなら、モデルはデヴィッド・ベッカムでいかがでしょうか。トップ下に入れば、「プレーエリアが広く、守備をサポートしてくれるプレーメイカー」。テン・ハフのチームにおけるブルーノ・フェルナンデスのような存在です。

「トレントの新たなポジションは、われわれを助けてくれている。中央でプレイするのが少しラクになり、ボールを支配してチャンスを創れるようになったため、自信がついた。トレントは、このポジションで傑出している。われわれに違いをもたらしている。

「彼にとっても新しい刺激になっていると思う。これまでとは違うポジションについて、常に学んでおり、危険なエリアやインサイドでボールを受けている。よくやっていると思う。ボールを持ってプレイするのがうまく、そのおかげで、失ったときに真ん中にひとり余分にいることになる。ここ数週間は、ずっとよくなっている」

アーノルドのプレイを近くで見ているジョーダン・ヘンダーソンは、中盤センターでの守備の貢献度を絶賛しています。ベストポジションは偽SBか、あるいはもっと適した役割とポジションがあるのか。つらい時期を乗り越え、再び輝きを放っているアーノルドのパフォーマンスに注目したいと思います。


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