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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【完全番外編】本当に勝とうと思っていましたか?日本代表惨敗報道にモノ申す

プレミアリーグとは全く関係ありませんが、あまりに気になったので、コンフェデレーションズカップのブラジルVS日本戦について、少しだけ触れたいと思います。結果は3-0の完敗。なじみのふたりですが、香川真司は前線に入り込んでパスをもらうことができず、吉田麻也は試合終了間際に痛恨の判断ミスを犯すなど、それぞれ持ち味を出すよりも、今後プレミアリーグに戻った時の課題がさらに明確になる、という結果だったと思います。この試合に負けた後、多くの選手が「個の力が違いすぎる」「収穫はなかった」と打ちひしがれていました。報道も、「惨敗」「ワールドカップをめざす道は険しい」というネガティブなものがほとんどです。しかし…。

これについて、「ちょっと待ってください」といいたいです。そもそも、今回のコンフェデレーションズカップを、本当に勝ちたい、優勝したいと思っているのでしょうか。本田圭祐、吉田麻也、長友佑都の3人はケガ明けでコンディションがベストとはいえませんし、イラク戦に出場した香川真司、清武弘嗣、岡崎慎司、今野泰幸、遠藤保仁、そして長友はドーハからの長時間移動後、中3日での強行軍で明らかに疲労が残っていました。ネイマールを完封した内田篤人、海外メディアの試合後の採点が高かった長谷部誠の2名は、「ケガもなくイラク戦も出ていない」選手です。この大会に向けた丁寧な準備も、コンディションづくりも強豪ブラジル対策も何もない「手なり」の状態で、ましてやホームであるブラジルに勝とうと思っていたのであれば、その発想と認識の甘さ自体が問題だと思います。

2010年のワールドカップ南アフリカ大会では、試合会場の標高を考慮した高地馴化にあれだけ時間をかけ、カメルーン対策やオランダ対策を熟考し、万全の準備をしてやっと1次リーグ突破を果たしたのです。それに引き替え、今回は無策。あらためて、はっきりしませんか。「コンフェデレーションズカップは、強豪と戦えるいい機会ではあるが、本気で勝ちにいった大会ではなく、実験の場である」と。

率直にいって、今回のブラジル代表は強くありません。メンバーが揃っているのはDFラインだけ。中盤のルイス・グスタフォはバイエルンの控え選手で、フッキやフレッジは来年のこの場ではベンチにいる可能性のほうが高いでしょう。大した準備をしていない日本に対して、シュート数で14対10、枠内シュート9対6はむしろ「やらせ過ぎ」。日本は3点獲られたものの、1点めはネイマールお見事!で、3点めはリスクをとって前がかりになり、点を獲りにいった(本田→乾は攻めの交代)のだから致し方なし。結論、「ブラジルは大したことがなく、日本は最悪のコンディションのなかで善戦」というのが妥当な評価だと思います。

大事なことは「イタリア戦とメキシコ戦で、どんな実験・チャレンジをするか」でしょう。残りたった1年です。「個の力で勝つ」などという眠いことをいっている場合ではありません。世界との力の差は、組織力と工夫で埋めるしかないのです。グループリーグ突破など望むべくもないチーム状態ですが、せっかくの場ですから、目的を明確に持って、収穫のある場にしてほしいな、と思います。ザッケローニ監督、冷静に仕事してくださいね。いいトライを期待しています。(写真著作者/Chong Fat)

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“【完全番外編】本当に勝とうと思っていましたか?日本代表惨敗報道にモノ申す” への2件のフィードバック

  1. What an awesome way to explain this-now I know everything!

  2. Deadly accurate answer. You’ve hit the bullseye!

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