第2のヴィラになる!?不振のエヴァートンに潜む6つのリスク
「テレグラフ」は、エヴァートンの上層部が72時間以内にエメリ監督と会談すると報じ、「デイリー・メール」は、このたびエヴァートンの主要株主になったファルハド・モシリ氏が、ペジェグリーニさんとコンタクトを取ったと伝えています。マンチェスター・シティの前指揮官のほうはあってもおかしくない話ですが、ヨーロッパリーグ3連覇を達成して、2年連続で「国内5番めのチャンピオンズリーグ出場クラブ」となったセビージャの監督が、わざわざ火中の栗を拾いにくるでしょうか。噂になっていたクーマン監督はエヴァートンへの移籍を否定しており、エヴァートンこそがペジェグリーニ&フランク・デ・ブールの有力な就職先とみるのが妥当でしょう。
実は私は、エヴァートンは、舵取りを間違えれば「第2のヴィラ」になる可能性があると懸念しています。これに対しては、イングランド最多の113シーズンをトップリーグで過ごし、プレミアリーグに全シーズン在籍していたクラブが降格するわけがないという反論もあろうかと思いますが、1982年に欧州の頂点に立ったアストン・ヴィラや、欧州で売上TOP20に入っていたニューカッスルの凋落を見れば、戦国時代のプレミアリーグが伝統や資金力だけでは立ちいかないのは明らかです。
エヴァートンの懸念材料をざっと挙げてみましょう。「新たな主要株主の登場」「前監督の解任」「守護神ティム・ハワードの退団」「ルカクやジョン・ストーンズなど主力の離脱リスク」「最終ラインと守備的MFの高齢化」「若手選手の成長スピードの鈍化」。とにかく変化を強いられる要素が多すぎます。今季の後半、ハワードからポジションを奪ったロブレスにとっては、長年ゴールマウスに君臨していた名守護神がライバルとして横にいる状態は、心強かったのではないでしょうか。ギャレス・バリーは36歳、ジャギエルカは33歳、レイトン・ベインズ31歳と守備の中心選手が軒並み高齢で、彼らの後継者を明確に名指しできる状況ではありません。ガロウェイやブローニングがおもしろいといっても、来季からいきなり代わりが務まると計算するのは虫がよすぎるでしょう。
貴重な得点源だったネイスミスはいなくなってしまいました。ルカクの発言を聞いていると、チャンピオンズリーグに出場するクラブか、古巣チェルシーに移籍するのは間違いないでしょう。このうえジョン・ストーンズまで出ていくとなれば、ベンテケとデルフを同時に失った昨夏のアストン・ヴィラがますますオーバーラップします。ロス・バークリーは素晴らしい選手ですが、前半戦で6ゴールを決めたにも関わらず、後半の19試合はPK以外のゴールはゼロ。最後の3ヵ月は完全に沈黙してしまい、フルシーズン活躍したことがありません。
ミララス、アーロン・レノン、クレヴァリー…それぞれいい選手ではあるものの、主力やベテランが抜けて彼らが中心となれば、デフォー、カズリ、ワトモア、エムヴィラがいるプレミアリーグ17位のサンダーランドより上といい切れるでしょうか。「ザ・サン」は、主要株主のファルハド・モシリ氏がマンチェスター・シティのGKジョー・ハート獲得に4000万ポンド(約63億4000万円)を投資すると報じておりましたが、次期監督が決まっていないのに株主主導で大物選手を獲るという記事が出ること自体が、既にリスクです。
新監督については、変化のリスクを軽減すべく、プレミアリーグの中堅・下位クラブとの戦い方を心得ているペジェグリーニ監督を全力で獲りにいくのがいいのではないかと思います。新戦力は、海外を物色するより、プレミアリーグ経験があって計算できる選手を要所に配したほうがいいでしょう。ビッグクラブで出番が減りそうな選手、たとえばフィル・ジョーンズやロホ、ボニー、ミケルなどは狙いめです。あるいはベンテケ…ノース・ロンドンならいざ知らず、マージ―サイドの両者の関係なら、さほど騒がれずにいけるのではないかとは、楽観的に過ぎるでしょうか。アーセナルの動き次第では、オリヴィエ・ジルーという出物があるかもしれません。ルカク売却で100億円近くのお金が入ったときは、くれぐれも、小粒な選手を5~6人などという補強をしないでいただきますよう。その戦略で芳しくないチームが出来上がったケースを、私たちプレミアリーグファンは最近2回ほど目撃しています。
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個人的にはモイーズに指揮してもらいたいですね
モイーズ監督は嫌ですねー、彼が指揮するエバートンは非常に厄介ですから。
来期の去就にもよりますが、現ウェールズ代表監督のコールマンとか面白そうではないですか。彼が来れば、例えばスパーズで出場の多くないデイビスなども来てくれそうです。