【ユーロ2016】これは決勝で観たかった…18人のPK戦を制したドイツがベスト4進出!
今年の3月29日のフレンドリーマッチは、4-1でドイツが快勝。ユーロ2016の準々決勝で、不思議な記録は打ち止めとなるのでしょうか。レーヴ監督がベストメンバーを揃える一方で、今日のコンテ監督は出場停止のチアゴ・モッタと負傷のデ・ロッシを使えません。ドイツの悲願なるか、イタリアが9度めもしたたかさを見せるか。プレミアリーグファンとしては、ア―セナルの司令塔メスト・エジルとセインツの核弾頭グラツィアーノ・ペッレの活躍を期待したい一戦です。
おお、ドイツは好調ドラクスラーがベンチ。フンメルス、ボアテング、ヘヴェデスの3バックです。ペッレとエデルが仕掛けてくるカウンターに、枚数を割いて対応する意図でしょうか。5分、さっそくジャッケリーニが前線で縦パスを受け、左足でシュートを放ちます。エジル、キミッヒが最終ラインの裏を狙うドイツは、失ったボールを奪い返しにいく動きが速く、イタリアが押し込まれる展開が続きます。14分、ドイツに痛いアクシデント。ケディラが腿を痛め、シュヴァインシュタイガーに後を譲ります。プレミアリーグで不本意なシーズンを過ごした7番は、イタリアとのビッグマッチ初勝利という悲願達成に貢献できるでしょうか。ドイツはなかなかシュートに持ち込めず、20分にフンメルスのロングフィードでブッフォンの目の前に飛び出したマリオ・ゴメスは、ボレーをうまくミートできません。
ドイツの3バックは、攻撃時には両脇のフンメルスとヘヴェデスが「攻撃的CB」となって前線にパスをフィード。27分、ヘディングシュートを叩き込んだシュヴァインシュタイガーはファールを取られましたが、ピンポイントで合わせたフンメルスのクロスは絶品でした。両者とも、時折サイドからグラウンダーを通そうとするも、キエリーニとボアテングがことごとくカット。イタリアは2トップへの楔を入れさせてもらえず、ドイツのクロスにはボヌッチとバルザーリが冷静です。41分のマリオ・ゴメスのヘッドは大きくアウト。直後にトマス・ミュラーが放ったボレーは当たり損ね。43分、ようやくイタリアの反撃です。ジャッケリーニが左から裏に抜けて出した速いグラウンダーがノイアーにクリアされると、こぼれ球を直接叩いたストゥラーロの一撃は、ボアテングが足に当ててゴールの外に押し出します。前半は0-0。相手のいいところをつぶし合う神経戦は、今大会最高のクオリティです。
後半に入り、イタリアの最終ラインから前線へのボールがつながるようになりますが、シュートチャンスまでは与えてもらえず。最初の決定機はドイツでした。53分、敵陣で奪ったボールをすかさず前線のマリオ・ゴメスに送ると、落としを受けたトマス・ミュラーがひとつ中に持って左足でシュート。右隅にまっすぐ飛んだボールは、フロレンツィがダイビングして足に当てるファインセーブでCKに逃れます。しかし65分、ドイツが後半2度めのチャンスを活かしました。ノイアーのゴールキックから左のマリオ・ゴメスに渡ると、縦に飛び出したヘクターに絶妙なパスが通り、折り返しが中へ。ファーからニアに走り込んでボレーを突き刺したのは、メスト・エジル!センスあふれる走りを見せたプレミアリーグアシスト王は、今大会初ゴールです。
勢いに乗ったドイツは、69分にもエジルの浮き球でブッフォンと1対1になったマリオ・ゴメスがヒールでシュート。38歳守護神のビッグセーブに阻まれ追加点はなりませんが、1-0となってからは完全にドイツのペースです。73分、マリオ・ゴメスがハムストリングを痛めてドラクスラーにチェンジ。直後に放ったグラツィアーノ・ペッレのボレーは、イタリアにとって後半最初のチャンスでしたが、左に逸れていってしまいます。死角は見当たず、勝利に向かっていたドイツは77分、右からのクロスにボアテングがハンドを取られてPKを献上してしまいます。バイエルンのCBは、なぜ当たるまで両手を広げていたのでしょうか。ボヌッチが右に蹴るとノイアーは及ばず、今大会初失点。10分の残り時間で、果たして勝負はつくでしょうか。
コンテ監督が最初のカードを切ったのは、残り4分になってからでした。足をつったフロレンツィをダルミアン。最終盤のドイツのクロス攻撃は実らず、ゲームは延長戦に突入します。ドイツ優勢の最初の15分は、何も起こらず。コンテ監督は、ストライカーを投入して勝ちにいくのか。107分、クロスのクリアが浮いたところをオーバーヘッドで狙ったドラクスラーのボレーはバーの上です。ここでコンテ監督がエデルをインシーニェ。109分にカウンターからドラクスラーがトマス・ミュラーに出したスルーパスは、タイミングが合いません。113分、ペッレの縦パスを左で受けたインシーニェのシュートは角度がなく、ノイアーがセーブ。残り3分、ボアテングが前線に強く当てたパスの落としを狙ったエジルの左足は、ブッフォンの正面です。1-1のスコアは動かず、勝負はブッフォンとノイアーのPK戦に持ち込まれました。
ザザ、トマス・ミュラー、エジル、ペッレが外す波乱のPK戦。やはり、ワールドクラスの守護神と向き合うと威圧感があるのでしょうか。決めれば勝利だったシュヴァインシュタイガーが、顔をこわばらせながらあっさり打ち上げると、9人めまでもつれたサドンデスは、ダルミアンをノイアーがストップ。最後のキッカー、ヘクターがブッフォンに触られながらも決めて、ドイツが苦手イタリアに勝利しました。プレミアリーグ勢全員外しの残念なPK戦でしたが、ここまで戦った選手たちのたった1回のキックミスは、むやみに責められません。両者とも組織的な守備が素晴らしく、見応えのある試合でした。やはりこの対決は、決勝戦で観たかったですね。イタリア代表監督としての最後のゲームで、最高の試合を披露して敗れたコンテ監督に、ありがとうございましたと伝えたいです。カテナチオの国らしい、いい守備、いいチームでした。
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更新ご苦労様です。
手に汗握るハイレベルなゲームでした。本当に決勝で観たいカードでしたね。両GKともワールドクラスなので、PK時のキッカーはサイド若しくはど真ん中と度胸を試される展開でしたが、ブッフォンがコースを読みながら止められなかったので仕方ないと思いました。イタリアは読めないチームですね。大会前はこんな状態ではなかったと思いましたが、やはりトップレベルのチームは本番になると違いますね。欲を言えばコンテ率いるイタリアをW杯でもも見たかったです。美しいカテナチオでした。
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ドイツ代表が歴史上、今までイタリア代表に1回も勝てなかったのはジンクスやミステリーでなく単なるタレント質や人数の差が大きかったからだと思いますよ。
似たデーターもありバイエルンはCLでACミランに20回以上対戦しても今だに1回も勝ち越したことがありません。
ワールドカップで最多優勝回数国のブラジルvsイタリアはナショナルダービーと呼ばれていますがドイツはブラジルとイタリアの対戦を回避した時しか優勝できていなかった。
ただドイツは前回ワールドカップでブラジルに対する壁は完全に超えました。
しかし今回も事実上ドイツが勝利ですがFIFAやUEFAではPK戦は公式上引き分け扱いになりますので公式上イタリアの無敗継続になります。
2006年はブラジルに並んでイタリアは優勝予想高かったですよ。ジーコやマラドーナのイタリア優勝予想的中してました。
カルチョスキャンダルというネガティブなイメージはありましたがね。
あと2002年日韓ワールドカップもブラジルとイタリアとフランスは優勝予想高かったですよ。
基本的にイタリアは公式戦でもコンフェデ杯の日本戦を見たら分かるように超格下には流す傾向が強く、1点差をあえて演出して試合を面白くしてくれます。
W杯予選もEURO予選も特にアウェーは相手国にも配慮するくらい流してドローOK感覚ですよ。
だからベルギーやイングランドみたいに予選でポイント稼いでFIFAランキング上げようとか全く考えてません。本番で勝てばランキングUPしますからね。
上の人はどこから得た情報ですか?妄想ではないですか?
さすがに予選とはいえ手を抜いたりするなんてありえないでしょう笑
2002年のW杯のブラジルは、前評判が低かったと思いますが…。
それと、公式戦で1点差をあえて演出するなんてことをするとは思えませんが、どこに出てる話でしょうか?
別にランキングUPのために本番勝ってる訳じゃないでしょうw
恐らく、鬼さんはイタリア代表に所属している方ですよ。
鬼さん>
いただいたお話は、いくつか事実誤認があるように思いました。
・メジャー大会以外ではイタリアの11勝6分8敗と差が詰まります。
8試合未勝利というのは、 ここからも極端な数字といえます。
・1970年のメキシコには、オベラート、ゼップ・マイヤー、
ベッケンバウアー、ゲルト・ミュラーがいました。
質で明確に負けていたとはいえないでしょう。
・ルンメニゲ、ブライトナー、フェルスター、シューマッハの1982年は、
ブラジルと西ドイツの前評判が高い大会でした。得点王のロッシは、
八百長関与の出場停止からぎりぎり間に合った選手で、
後ろはまずまずよかったものの、前評判の高いアタッカーは
アントニオーニぐらいでした。8人で守って2人で攻めると
揶揄されたイタリアの質が高かったとは、とてもいえない大会でした。
・2002年は、ブラジル予想は少数派で、前回優勝メンバーが脂がのりきった
フランスと、アルゼンチンが2強でした。
・2006年は、ロナウジーニョ、ロナウド、カカ、アドリアーノの
ブラジルが優勝候補筆頭で、欧州ではベッカム、ジェラード、
ランパード、ルーニーのイングランド。ドイツとイタリアは
両方ともセカンドグループでした。ちなみにウィリアム・ヒルのオッズは、
ブラジル、イングランドの順でした。
・ドイツ(あるいは西ドイツ)は2002年までワールドカップでブラジルと
1度もやっておらず、前回までの通算成績は0勝1敗で、
「壁」などはなかったという認識です。
・バイエルンとミランの話は、ミランには世界有数の外国人選手を擁して
最強となった時代があり、ドイツとイタリアの話にかぶせるのは
無理があると思われます。また、バイエルンが最強だった1973~75年は、
チャンピオンズカップでイタリア勢とやっておらず、
「西ドイツが強い時代になぜかイタリアと戦えなかった」といういい方も
成立するのだと思います。1974年のイタリアは、1次リーグ敗退ですので。
今回は、イタリアの予選勝利の半分は、逆転と終盤の決勝ゴールです。
得点力不足が悩みだっただけで、「流すほど強い」わけでもなかったのではないでしょうか。
同組のクロアチアには、イタリアはメジャー大会では未勝利です。
2002年に鹿島でクロアチアがイタリアに逆転勝利を飾った試合と、
アルゼンチンがナイジェリアに勝った試合をそれぞれ現地で観ましたが、
イタリアよりバティのチームのほうが強いという印象で、
1次敗退にはびっくりしました。
みなさま>
ご指摘ありがとうございます。上記、私の見解です。