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2016.07.04 ユーロ2016

【ユーロ2016】デシャン監督は無理せず、油断せず!持ち味を出し切ったフランスが5発圧勝!

このラウンドで、イングランドVSフランスの「プレミアリーグ・オールスター対決」を観たかったのですが、イングランドがあっさり敗れてしまったために、フランスとアイスランドの対戦となったベスト8。堅守のアイスランドをスロースターターのフランスが早期に崩せるか、終盤までもつれれば2度めのジャイアントキリングが起こるのではないかという興味で始まったゲームは、最初の20分で決まってしまいました。12分、中盤でパイェとダイレクトのパス交換をしたマチュイディは、裏に抜け出そうとするジルーの動きを見逃しませんでした。レフティにはおあつらえ向きの浮き球が足元に届くと、アーセナルのエースストライカーの容赦ないボレーがGKハルドーソンの股間を抜いて1-0。20分には、グリーズマンのCKがポグバの頭にピタリと合い、完璧なシュートが左隅に突き刺さります。

開催国とのアウェイゲーム、しかも堅守が売りのチームにとって2点のビハインドは激痛でした。25分にグンナルソンのロングスローをシグソールソンがヘッドで流し、ボドバルソンが飛び込んでボレーというイングランド戦の再現のようなシーンがありましたが、フィニッシュが浮いてゴールならず。これが決まっていれば、もうしばらくは「サッカーは何が起こるかわからない」といいながら試合を楽しめたはずですが、アイスランドの得意の形をフランスは2度も許してくれません。

せめて2-0でハーフタイムを迎えたかったアウェイチームは、前半終了間際にさらに2発も喰らってしまいます。43分、サニャが右から上げたロングフィードの落としをグリーズマンがパイェにつなぐと、左にひとつ持ってクロスに放った正確なミドルが決まって3-0。その2分後には、ポグバが縦に出したボールをジルーが軽く触って最終ラインの裏に流し、グリーズマンがひとり旅。余裕のチップキックがゴールのど真ん中に吸い込まれて4-0です。プレミアリーグ勢が、いかにも彼ららしいプレイを披露し、残りの45分は「消化時間」となりました。

「レスターのような終わり方をしたい」。プレミアリーグで奇跡的な優勝を飾った小さなクラブに自らを重ね合わせたハルグリムソン監督は選手を鼓舞し続け、アイスランドは爪痕をしっかり残して大会を去っていきました。56分、ギルフィ・シグルズソンがニアに入れたグラウンダーは、スウォンジーでよく見る速く正確なボール。飛び込んだシグソールソンのプッシュはロリスの指先を抜け、ゴール右隅に転がります。63分にCKで競り勝ったインガソンのヘッドはロリスのビッグセーブに阻まれるも、84分にはスクラソンのクロスをビャルナソンがきれいなヘディングでサイドネットに突き刺し、開催国から初めて2ゴールをもぎ取りました。アイスランドのサポーターは、最後まで戦った選手たちに満足しながら帰路に着いたのではないでしょうか。

クロスが素晴らしかったアイスランドに対して、キックの正確さと高さではフランスも負けていません。59分のパイェのFK、ジルーのヘッドはいずれもパーフェクト。体で相手を制しながら、空中でシュートコースと当て方をチョイスするジルーのプレイは、並みのストライカーができる技ではありません。プレミアリーグコンビは両者とも大会3ゴールとなり、ガレス・ベイルと並んで得点王争いの2位につけました。トップを走るのは、ここ2試合で3ゴールの固め取りを決めたエースのグリーズマンです。

小国に足を掬われたホジソン監督と圧勝したデシャン監督の違いは、前者が元々の自分のプランにこだわり調子のいい選手を使わなかったのに対して、後者は状態のいい選手、機能するフォーメーションを柔軟に選んだところです。出場停止のカンテとラミの穴をシソコとウムティティで埋めるなど、顔ぶれに変化はあったものの、グリーズマンが2点を奪ったアイルランド戦の後半の4-2-3-1をそのまま持ってきたデシャン監督に油断や驕りはありませんでした。ポルトガルのベスト4進出は多分に運が味方している感がありますが、その他の3国はいずれも指揮官の采配が素晴らしく、勝つべくしてここまできたチームだと思います。優勝は、ドイツVSフランスの勝者ではないかと思いますが、レスターでプレミアリーグ優勝を味わったアンディ・キングがいるウェールズは、混乱のシーズンを象徴する存在にみえて不気味です。セミファイナルは、7月6日・7日に開催されます。がんばれ、ウェールズ!

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“【ユーロ2016】デシャン監督は無理せず、油断せず!持ち味を出し切ったフランスが5発圧勝!” への2件のフィードバック

  1. queen より:

    個人的にはポルトガルが優勝とならない限り、「主軸メンバーにアーセナルの選手が含まれていた」チームの優勝となるので、どこも応援しています。それにしてもジルーよ、何故あの手のシュートを、代表では決めれてアーセナルでは決められない。。。。やはり彼はお祭りにて本来の実力を発揮するタイプなのですかね、ジルー、コシェルニー(ついでにサニャも)、ラムジー、エジル。みんな頑張れー

    —–
    グジョンセンのゴールが見たかったですが、さすがに10分では厳しかったですね。けれど、大会を盛り上げたアイスランドの健闘は称えたいです。フランスはクロスへの守備が甘かったですかね。
    負ければ、いい気味だ!勝てば、運で勝ち上がったくせに!と、どちらにせよ怒られそうなポルトガルですが(笑)、純粋にベイルとロナウドの対決を楽しもうと思います。

  2. makoto より:

    ひろとさん>
    ジルーは、昨季の前半はとてもよかったので、調子の波なのだと思います。今は絶好調ですね!

    queenさん>
    運も実力のうち、ですので、決勝に上がったことは素直にリスペクトしたいと思います。フランスに勝ったら、やっかみや雑音はすべて消えるでしょう。

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