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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Everton×Chelsea】主力復帰で好調のエヴァートンは3連勝!初の連敗を喫したチェルシーは戦力不足?

プレミアリーグが定める収益性と持続可能性に関する規則(PSR)への違反を問われ、勝ち点10を剥奪されたエヴァートンが絶好調です。処分が発表された直後のマンチェスター・ユナイテッド戦は0-3の完敗でしたが、その後の3試合はすべてクリーンシートで3連勝。直近は、TOP4をめざすニューカッスルと発展途上のチェルシーを連破しています。

ミッドウィークのニューカッスル戦は、ポゼッションを譲ってカウンター狙いを徹底。残り15分まで0-0で粘り、トリッピアーのキックミス、タッチミス、ラインコントロールミスをすべてゴールにつなげました。日曜日のチェルシー戦も、ポゼッションは28%。大半の時間を自陣で過ごしながら、後半の2発で3ポイントをゲットしています。

グディソン・パークに乗り込んだブルーズが先に決めて勝ち切っていれば、「ムドリクのゲーム」といわれていたのではないでしょうか。立ち上がりの3分、コール・パルマーが縦に出したスルーパスでボックス左を突破したウインガーは、コナー・ギャラガーやククレジャとの連携によるプレスが効果的で、得意のドリブルも冴えていました。

押されていたエヴァートンが、何とかゼロで前半を終えられたのは、イングランド代表の守護神の素晴らしいセービングと、21歳のブランズウェイトの献身的な守備があったからでしょう。14分のコール・パルマーのミドルは決定的でしたが、右に来ると読んでいたピックフォードのビッグセーブに阻まれました。

ククレジャが左からカットインした20分のチャンスは、ムドリクがニアに入れたボールをブランズウェイトがクリア。38分にも、ムドリクの高速グラウンダーがニアのアルマンド・ブロヤに通りますが、ブランズウェイトのスライディングを気にしたストライカーは左ポストの脇に外してしまいました。

チェルシーの最大の誤算は、26分のリース・ジェームズの負傷リタイアです。コルウィルが左に入り、ククレジャが右にまわってからは、サイドアタックが機能しなくなった感があります。後半に入り、勝負の分かれ目となったのは50分からの攻防です。ジャック・ハリソンのパスを受けたマクニールの鋭いミドルは、ロベルト・サンチェスが右に飛んで弾き出しました。

足を痛めて座り込んだブルーズの守護神の治療が終わり、再開したのは53分。エヴァートンの先制ゴールは、その1分後に仕掛けたカウンターでした。左サイドでドリブルを始めたマクニールが、コナー・ギャラガーを抜いて中央に出ると、ラインの裏に走り込んだカルヴァート=ルーウィンに美しいスルーパスが通りました。

倒れ込みながらの一撃を、間合いを詰めたGKが弾くと、こぼれ球に先着したドゥクレのダイレクトショットが左隅へ。アルマンド・ブロヤが孤立し、ムドリクとコール・パルマーの個人力頼みだったチェルシーは、これでしびれました。60分に壁の足元を抜いたコール・パルマーのFKは、ピックフォードが慌てずキャッチ。ポチェッティーノ監督が動いたのは、67分でした。

ブロヤとエンソ・フェルナンデスが下がり、今季プレミアリーグで5ゴールのスターリングと、6ゴールのニコラス・ジャクソン。アタックを止めるたびに、お互いを称え合うエヴァートンの守備陣は、最後まで集中力が途切れませんでした。77分にククレジャが放ったミドルは、GKの正面。連携を欠いたチェルシーは、これ以降のオンターゲットはゼロで試合を終えています。

痛みをこらえてプレイしていたロベルト・サンチェスは、84分にリタイア。勝負を決めた92分の追加点は、CKでのGKのミスによって決まりました。代わって入ったペトロヴィッチのパンチがマートセンに当たって中央に転がり、20歳のドビンが左足でズドン。5勝4分7敗となって12位に転落したチェルシーは、今季プレミアリーグで初の連敗です。

開幕からの5試合は1分4敗。18位に沈んでいたエヴァートンは、10月以降は6勝1分2敗で、失点は8しかありません。躍進のきっかけは、ケガで出遅れていたカルヴァート=ルーウィン、マクニール、マイコレンコの合流です。彼らとともに調子を上げてきたドゥクレは、直近5試合で3ゴール。リーズから来たジャック・ハリソンが、7節からスタメンに定着したのも好調の一因です。

一方、敗れたポチェッティーノ監督は、「現状をチェックしたうえで、冬にさらなる戦力が必要となる可能性がある」といっています。足りないというのはSBか、ストライカーか。10億ポンドの投資を失敗と認めてやり直すのは、勇気が要りますが、オーナーは指揮官の言葉を受け入れるのでしょうか。TOP4どころか、8位ブライトンとの7ポイント差が詰まる気配はありません。


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