2024.02.26 プレミアリーグ観戦記2023-24プレミアリーグ観戦記
【Bournemouth×MAN.CITY】ハーランド交代、過去無敗のボーンマスに苦戦…ペップに感じた異変。
「異変」というと、大げさでしょうか。ボーンマスは、マンチェスター・シティにとって最高のお得意様です。今回の試合前まで公式戦17勝2分で、プレミアリーグは13戦全勝。フットボールリーグ史上、ひとつのクラブにこれほど負けなかった例はありません。ペップ就任以来の公式戦は13連勝で、38ゴール7失点。昨季は4-0、1-4で当然のダブルです。
バイタリティ・スタジアムという舞台装置は、苦戦の原因にはなりえないと思っていました。新戦力がフィットしていないシーズン序盤ならともかく、既にエンジンがかかっているマン・シティは公式戦15試合連続無敗で、グヴァルディオル以外に負傷者ゼロです。対するボーンマスは、昨季プレミアリーグ王者と当たるには最悪のタイミングでした。
11月から6勝1分と快進撃を始めたチームは、年末のトッテナム戦で敗れてからは、3分3敗と勝利なし。オールド・トラフォードでマンチェスター・ユナイテッドを0-3で撃破したときとは、別なチームです。百戦錬磨の名将が、デブライネ、ジェレミー・ドク、フリアンアルバレスをベンチに置いたのは、予定のターンオーバーだったのだろうと高をくくっていました。
キックオフから5分も経たないうちに、敵陣でプレイし始めたアウェイチームは、ロドリとコンビを組むジョン・ストーンズが2列めまで上がってボールをさばいています。ルベン・ディアスが中央で、左にナタン・アケ、右にアカンジ。6分に左サイドから突破を図ったマテウス・ヌネスは、中央に入れる瞬間に体勢を崩してしまいましたが、いずれ決定的な仕事をしてくれそうです。
最初に異変の兆しを感じたのは、8分の決定機でした。エデルソンの脇に下りてボールを受けたベルナルド・シウヴァは、プレスを嫌がって縦に蹴ったように見えました。ダイレクトで右に流したフォーデンのラストパスは絶品。ハーランドがあっさり決めて先制かと思いきや、詰められる前に決着をつけようとしたのか、焦った右足のシュートはニアに外れました。
9分のケルケスの無回転ミドルは、エデルソンが上に弾き出すビッグセーブ。ボーンマスのプレスに対して、マン・シティのビルドアップは余裕がなく、12分にはクリスティに詰められたエデルソンがスローを奪われそうになっています。いつもの彼ららしくないプレイが目立ちますが、まだ序盤です。先制したら、有無をいわせぬハーフコートマッチが始まるのでしょう。
17分にロドリのパスを中央で受けたハーランドは、なぜ自分よりもゴールから遠いマテウス・ヌネスに預けたのか。ベルナルド・シウヴァのラストパスが通った19分のチャンスも、トラップをミスしてセネシに奪取されました。しかし24分、コヴァチッチの浮き球に反応したエースは、セネシの裏に入って左足ボレー。ネトが左に弾いたボールをフォーデンが押し込みました。
ターンオーバーによって、チームに不安が蔓延しているのかと心配したのですが、結局ハーランドとフォーデン。直後の27分、ジョン・ストーンズのグラウンダーから、ロドリとベルナルド・シウヴァが連打したシーンも惜しいチャンスでした。リードしてからも、マン・シティはホームチームのプレスに手を焼いており、縦のボールを狙われて苦しんでいます。
39分のフォーデンのFKは、左にアウト。追加タイム3分にクリスティが右から放った鋭いミドルは、エデルソンがニアに反応してセーブしました。前半は0-1。シュート数4対9、オンターゲット2対4は、よく見る折り返しのスタッツです。後半最初のシュートは、攻める姿勢を鮮明にしていたボーンマス。クライファートのミドルは、エデルソンが右に倒れてキャッチしています。
エデルソンのキックがハーランドに届いたのは52分。マテウス・ヌネスに落とし、リターンをもらったストライカーが右からボックスに入ると、弾き飛ばされたザバルニーがすぐさま立ち上がって右足の一撃をブロックしました。59分、ケルケスのフィードで左に流れたソランケが後ろに落とすと、タヴァーニアのダイレクトショットは右に逸れていきました。
ペップはマテウス・ヌネスに不満があったのでしょう。63分に左サイドに配したのは、ジェレミー・ドク。プレミアリーグNo.1のドリブラーに対して、ボーンマスは3人で囲んでいます。67分、右からのCKにファーで競り勝ったソランケの決定的なヘッダーは、エデルソンがビッグセーブ。こぼれ球を叩いたタヴァーニア―の強烈なシュートは、ロドリがブロックしました。
ハーランドが彼らしいプレイを見せたのは、74分。コヴァチッチの縦パスを収めてベルナルド・シウヴァに落とし、リターンをもらってケルケスをかわすと、左に流れて打ったフィニッシュはネトが左腕に当てました。ここで9番が代わるとは…!ピッチに入ったのはフリアン・アルバレス。84分にはコヴァチッチに代わり、デブライネが中盤に加わっています。
残り10分からはボーンマスの時間で、ボックスの左右を突破したセメンヨとワッタラのクロスは脅威でした。85分、ボックス左でアカンジをかわしたワッタラは、左足のシュートがファーにアウト。ペップの交代策は、攻守どちらにもいい影響を与えたとは思えません。90分にセメンヨのクロスを叩きつけたエネス・ウナルのヘッドは、15センチずれていたら決まっていたでしょう。
95分のソランケのオーバーヘッドが右に外れ、マン・シティが0-1で勝利。後半のスタッツを見ると、シュート数9対6、ボックス内でのタッチ数は22対20、クロス成功2対1と攻撃の数字の多くはボーンマスが上回っています。ボトム10のチームにカウンターを喰らうことはあっても、左右からあれほどきわどいクロスを許すのは珍しいことです。
ハーランドを下げ、最終盤にコヴァチッチをデブライネという曖昧な策を講じ、ボーンマスにあわやドローの苦戦。プレスを嫌がった前半も、サイドを攻められた終盤も、13位と戦う王者らしくありませんでした。冒頭で「異変」と表現したのは、指揮官の采配とエースのビッグチャンスミス3回、余裕がなかった最終ラインなど、全体的にぎくしゃくしている感があったからです。
アーセナルに得失点差で6つも離され、リヴァプールにも5差という数字も、今までなかった異変のひとつです。次節はマンチェスターダービー。イラオラのチームに苦しめられたとはいえ、ホームでフラムに敗れた6位にエティハドで負ける姿は想像できません。無敗記録を16に伸ばした王者は、当然のようにダービーを制し、今回の接戦を「あんな日もある」と笑うのでしょうか…。
バイタリティ・スタジアムという舞台装置は、苦戦の原因にはなりえないと思っていました。新戦力がフィットしていないシーズン序盤ならともかく、既にエンジンがかかっているマン・シティは公式戦15試合連続無敗で、グヴァルディオル以外に負傷者ゼロです。対するボーンマスは、昨季プレミアリーグ王者と当たるには最悪のタイミングでした。
11月から6勝1分と快進撃を始めたチームは、年末のトッテナム戦で敗れてからは、3分3敗と勝利なし。オールド・トラフォードでマンチェスター・ユナイテッドを0-3で撃破したときとは、別なチームです。百戦錬磨の名将が、デブライネ、ジェレミー・ドク、フリアンアルバレスをベンチに置いたのは、予定のターンオーバーだったのだろうと高をくくっていました。
キックオフから5分も経たないうちに、敵陣でプレイし始めたアウェイチームは、ロドリとコンビを組むジョン・ストーンズが2列めまで上がってボールをさばいています。ルベン・ディアスが中央で、左にナタン・アケ、右にアカンジ。6分に左サイドから突破を図ったマテウス・ヌネスは、中央に入れる瞬間に体勢を崩してしまいましたが、いずれ決定的な仕事をしてくれそうです。
最初に異変の兆しを感じたのは、8分の決定機でした。エデルソンの脇に下りてボールを受けたベルナルド・シウヴァは、プレスを嫌がって縦に蹴ったように見えました。ダイレクトで右に流したフォーデンのラストパスは絶品。ハーランドがあっさり決めて先制かと思いきや、詰められる前に決着をつけようとしたのか、焦った右足のシュートはニアに外れました。
9分のケルケスの無回転ミドルは、エデルソンが上に弾き出すビッグセーブ。ボーンマスのプレスに対して、マン・シティのビルドアップは余裕がなく、12分にはクリスティに詰められたエデルソンがスローを奪われそうになっています。いつもの彼ららしくないプレイが目立ちますが、まだ序盤です。先制したら、有無をいわせぬハーフコートマッチが始まるのでしょう。
17分にロドリのパスを中央で受けたハーランドは、なぜ自分よりもゴールから遠いマテウス・ヌネスに預けたのか。ベルナルド・シウヴァのラストパスが通った19分のチャンスも、トラップをミスしてセネシに奪取されました。しかし24分、コヴァチッチの浮き球に反応したエースは、セネシの裏に入って左足ボレー。ネトが左に弾いたボールをフォーデンが押し込みました。
ターンオーバーによって、チームに不安が蔓延しているのかと心配したのですが、結局ハーランドとフォーデン。直後の27分、ジョン・ストーンズのグラウンダーから、ロドリとベルナルド・シウヴァが連打したシーンも惜しいチャンスでした。リードしてからも、マン・シティはホームチームのプレスに手を焼いており、縦のボールを狙われて苦しんでいます。
39分のフォーデンのFKは、左にアウト。追加タイム3分にクリスティが右から放った鋭いミドルは、エデルソンがニアに反応してセーブしました。前半は0-1。シュート数4対9、オンターゲット2対4は、よく見る折り返しのスタッツです。後半最初のシュートは、攻める姿勢を鮮明にしていたボーンマス。クライファートのミドルは、エデルソンが右に倒れてキャッチしています。
エデルソンのキックがハーランドに届いたのは52分。マテウス・ヌネスに落とし、リターンをもらったストライカーが右からボックスに入ると、弾き飛ばされたザバルニーがすぐさま立ち上がって右足の一撃をブロックしました。59分、ケルケスのフィードで左に流れたソランケが後ろに落とすと、タヴァーニアのダイレクトショットは右に逸れていきました。
ペップはマテウス・ヌネスに不満があったのでしょう。63分に左サイドに配したのは、ジェレミー・ドク。プレミアリーグNo.1のドリブラーに対して、ボーンマスは3人で囲んでいます。67分、右からのCKにファーで競り勝ったソランケの決定的なヘッダーは、エデルソンがビッグセーブ。こぼれ球を叩いたタヴァーニア―の強烈なシュートは、ロドリがブロックしました。
ハーランドが彼らしいプレイを見せたのは、74分。コヴァチッチの縦パスを収めてベルナルド・シウヴァに落とし、リターンをもらってケルケスをかわすと、左に流れて打ったフィニッシュはネトが左腕に当てました。ここで9番が代わるとは…!ピッチに入ったのはフリアン・アルバレス。84分にはコヴァチッチに代わり、デブライネが中盤に加わっています。
残り10分からはボーンマスの時間で、ボックスの左右を突破したセメンヨとワッタラのクロスは脅威でした。85分、ボックス左でアカンジをかわしたワッタラは、左足のシュートがファーにアウト。ペップの交代策は、攻守どちらにもいい影響を与えたとは思えません。90分にセメンヨのクロスを叩きつけたエネス・ウナルのヘッドは、15センチずれていたら決まっていたでしょう。
95分のソランケのオーバーヘッドが右に外れ、マン・シティが0-1で勝利。後半のスタッツを見ると、シュート数9対6、ボックス内でのタッチ数は22対20、クロス成功2対1と攻撃の数字の多くはボーンマスが上回っています。ボトム10のチームにカウンターを喰らうことはあっても、左右からあれほどきわどいクロスを許すのは珍しいことです。
ハーランドを下げ、最終盤にコヴァチッチをデブライネという曖昧な策を講じ、ボーンマスにあわやドローの苦戦。プレスを嫌がった前半も、サイドを攻められた終盤も、13位と戦う王者らしくありませんでした。冒頭で「異変」と表現したのは、指揮官の采配とエースのビッグチャンスミス3回、余裕がなかった最終ラインなど、全体的にぎくしゃくしている感があったからです。
アーセナルに得失点差で6つも離され、リヴァプールにも5差という数字も、今までなかった異変のひとつです。次節はマンチェスターダービー。イラオラのチームに苦しめられたとはいえ、ホームでフラムに敗れた6位にエティハドで負ける姿は想像できません。無敗記録を16に伸ばした王者は、当然のようにダービーを制し、今回の接戦を「あんな日もある」と笑うのでしょうか…。
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