イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

97分から大逆転!ウルヴスを敵地で下すジャイアントキリングで、コヴェントリーがFAカップ4強進出!

先制したのは、アウェイのコヴェントリー。53分に中央で得たFKをケーシー・パルマーが左に浮かすと、キッチングがヘッドで逆サイドに送り、トティ・ゴメスを背負ったシムズが体で押し込みました。FAカップ準々決勝の最初のゲーム。ウォルヴァーハンプトンの本拠地モリニューに乗り込んだチャンピオンシップ8位のチームに、ジャイアントキリングの予感が漂っています。

ベスト8までの足跡を見ると、ブレントフォードとブライトンを倒して上がってきたウルヴスに対して、コヴェントリーはオックスフォード(リーグ1)、シェフィールド・ウェンズデイ(チャンピオンシップ)、メイドストーン(ナショナルリーグ・サウス=6部相当)。クジ運に恵まれて上がってきたクラブは、プレミアリーグのクラブ相手に大健闘です。

先制ゴールのシムズは、歓喜半分、安堵半分だったのではないでしょうか。36分にケーシー・パルマーのシュートをジョゼ・サが右に弾き出し、こぼれ球に先着したファン・エヴァイクがグラウンダーを通すと、中央にいたシムズはフリーでした。無人のゴールにプッシュするだけだったストライカーは、ラストタッチをわざわざGKのほうに転がしてしまい、決定機は潰えました。

負けていれば、戦犯といわれる可能性があったストライカーのゴールで、アウェイサポーターが集うスタンドは盛り上がっています。67分には、縦のスルーパスで左から抜けたハジ・ライトがキルマンをかわし、ニアに決定的なシュート。足で止めたジョゼ・サは、こぼれ球をダイレクトで叩いたエクルズの一撃も、左に弾き出すビッグセーブでしのぎました。

ウルヴスはこのまま、敗れ去るのか。73分のジョアン・ゴメスのミドルは、GKコリンズが左に飛んで触ってポストにヒット。77分のFKをドハーティーが頭で左ポスト際に浮かすと、アイ・ヌーリのヘッドもポストに阻まれました。残り10分を切っても0-1。しかし、厳しい状況に追い込まれていたホームチームは、アイ・ヌーリの素晴らしいプレイで逆転に成功します。

サラビアの縦パスがボックス右に入ったのは83分。ジョアン・ゴメスのクロスに対応したファン・エヴァイクはうまくクリアできず、膝に当たって浮いたボールをアイ・ヌーリが右足で叩き込みました。さらに88分、左からカットインしたアイ・ヌーリが絶妙なスルーパスを中央のブエノに通し、左足のシュートがGKの脇を抜いて2-1。ホームサポーターは絶叫しています。

昨年までなら、4分程度の追加タイムをウルヴスがやり過ごし、「劇的な逆転勝利」「コヴェントリーは大健闘」といった見出しで終わっていたでしょう。9本のオンターゲットを止めたジョゼ・サは、ヒーローになっていたはずです。しかし今季は、追加タイムをきっちり取るようになっています。ボードに映し出された時間は9分です。

ハジ・ライトが左から仕掛け、セメドをかわしてニアに浮かしたのは97分。ボビー・トーマスが頭でファーに送ると、ノーマークのシムズがヘディングでネットを揺らしました。2-2となった100分、スローインを左サイドで受けたカラム・オヘアが縦に持ってニアに折り返すと、シムズに着いていたサンティアゴ・ブエノが一瞬、足を滑らせたのが目に入りました。

先に触ったシムズは無理せず、後ろのハジ・ライトに託します。直接叩いた右足のコントロールショットが、左隅に届いて2-3!ウルヴスの逆転劇を上回るサプライズな展開で、コヴェントリーがベスト4進出を果たしました。シュート24本、オンターゲット12本は、勝者にふさわしいスタッツ。前半からピンチの連続だったウルヴスは、最後に右サイドが決壊してしまいました。

これぞFAカップ名物、ジャイアントキリング。この後、マンチェスター・シティがベルナルド・シウヴァの2発でニューカッスルを下し、4強進出を決めています。本日はチェルシーVSレスターと、マンチェスター・ユナイテッドVSリヴァプール。チャンピオンシップで首位のレスターは、最近の6試合を2勝1分3敗と停滞していますが、チェルシーの足をすくえるでしょうか。

最後まで攻め続けて2ゴールを奪ったコヴェントリーを見て、われわれも諦めることはないと思いました。ELがあったリヴァプールは中2日、こちらは中7日で、会場はオールド・トラフォード。有利な条件が揃う一戦を何とか勝ち切り、2年連続のタイトルに近づいていただければと期待していますが、「2日めもジャイアントキリング勃発!」といわれると、いや、それはさすがに…。(アイ・ヌーリ 写真著作者/Bex Walton)


おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!


コメントを残す