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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【MAN.CITY×Bournemouth】強烈なプレスと速攻が脅威…マン・シティは2戦連続の4発圧勝!

私が「初年度のペップは、プレミアリーグ優勝には届かないだろう」と予想した理由は、大きく2点です。世界王者の代表レギュラー選手がいないチームを率いるのは初めてで、仕上がるのに時間がかかるのではないか。バイエルンで毎年のように大量の負傷者を出していた指揮官は、プレミアリーグのタイトなスケジュールに対応できず、どこかで停滞するのではないか。ふたつめのほうは、少なくとも前半戦を終えるまではわかりませんが、最初の懸念はあっさりクリアしてしまいました。

チャンピオンズリーグのボルシアMG戦に続き、プレミアリーグ5節のボーンマス戦も4発圧勝。15ゴールを重ねてのプレミアリーグ開幕5連勝は圧巻。別世界です。ボーンマス戦で、サニャ、クリシー、オタメンディにCBコラロフとしたのは、ジョン・ストーンズを休ませたかったからでしょう。デブライネ、フェルナンジーニョにプレミアリーグデビューとなるギュンドアンとを加えた中盤は問題なし。今季5試合9ゴールのアグエロは出場停止中ですが、スターリング、ノリート、イヘアナチョなら得点力が大きく落ちることはありません。開始5分のデブライネの左足ミドルを見て、「今日も負けてくれそうにないな」と半ば白旗でした。

7分にはフェルナンジーニョが敵陣でボールを奪い、イヘアナチョが強烈なシュート。15分の先制点も、相手陣内でボールをさらってノリートにつなげたフェルナンジーニョの手柄です。ファールでしか止められなかったジャック・ウィルシャーは、右利きの選手には絶好の位置で直接FKを与えれば、結果は変わらないことを思い知っただけでした。デブライネは、壁がジャンプするのを読んで、足の下を抜けるボールを蹴りました。速度計算は完璧。左隅ぎりぎりに飛び込んだ一撃に、GKボルツは膝から崩れ落ちるしかありませんでした。18分にはウィルシャーのボールをノリートが奪ってショートカウンター。デブライネからのラストパスは文句なしでしたが、ノリートがボレーを強く打てず、ボルツが余裕をもってキャッチします。

25分、マン・シティは自陣からの美しいカウンターで2点めをゲットしました。FKのクリアを拾ったイヘアナチョから、ノリート、デブライネとつながって3対2。2人がデブライネとスターリングに寄れば、いちばん外が余ります。スターリングが狙い通りのグラウンダーをファーに流すと、立ち足でそのままプッシュする難しい技を披露したのは、起点となったイヘアナチョ。今季プレミアリーグ2点めを決めた19歳は、アグエロの控えにしておくのはもったいないタレントです。35分にボーンマスが速攻を仕掛けますが、前線に飛び出したジョシュア・キングはGKブラボにシュートコースを遮られ、こぼれ球に飛び込んだスタニスラスは先に触れません。38分、最後方から上がったコラロフが強烈なミドル。その1分後には、スターリングが中央で3人をごぼう抜きにして、イヘアナチョとのパス交換から左に流れてシュートを放ちます。これはコースが甘く、ボルツのセーブで終わったものの、7番は相変わらず絶好調です。前半は2-0。試合の興味は、「どちらが勝つか」ではなく、「強者がどう勝つか」です。

48分の3点めも、デブライネ、イヘアナチョ、スターリングによる見事な速攻でした。中央から上がったデブライネが左のイヘアナチョにスルーパス、グラウンダーをフリーで決めたのは右のスターリングと、2点めとは左右が逆のルートです。51分にも速攻が起動し、デブライネからイヘアナチョ、最後はギュンドアン。シュートはうまく当たらなかったものの、ここでもボーンマスの選手はスピードに対応できていません。56分、ウィルシャーがカラム・ウィルソンを走らせたアウェイチームのチャンスは、強烈なシュートをブラボがキャッチ。64分、スターリングは5人をかわしながら右から左サイドへと横断して左足で狙うも、股間を抜けたシュートはポストに当たってボルツの懐に収まります。すると66分、ギュンドアンがプレミアリーグデビュー戦ゴールを決めました。中央から攻め上がり、デブライネのパスでフリーになった8番の冷静さに加えて、直前で左に流れて道を作ったイヘアナチョの動きもリスペクトしたいと思います。

52分という早い時間にオタメンディをジョン・ストーンズに代えたペップは、ギュンドアンをレロイ・サネ、デブライネをアレイシ・ガルシア・セラーノという余裕の交代で試合を畳みにいきます。ボーンマスが最もゴールに近づいたのは75分。一発で当たってきたコラロフをアダム・スミスが軽くかわし、グラウンダーを受けたカラム・ウィルソンのボレーは、惜しくもバーを叩きました。85分にアダム・スミスに頭突きをかまして退場となったノリートは、4-0の試合で激してしまったことを反省しなければなりません。3試合の出場停止となれば、戻ってきたときにはレロイ・サネとスターリングのセットが定着し、後半から使われる選手になってしまうかもしれません。

強烈なプレスを仕掛けて敵陣でボールを奪って先制点を決めるまでが、マンチェスター・シティがポゼッションにこだわる時間。ひとたびリードすると、省エネなのか効果的だからか、自陣でインターセプトして直線的な速攻を決める形にスイッチしてきます。プレミアリーグのライバルクラブがいちばんケアすべきは、デブライネがタクトを振る少人数のカウンターでしょう。バルセロナともバイエルンとも違う戦略・戦術で首位を快走するペップと、自らのスタイルを貫こうとするモウリーニョが激突するマンチェスター対決の決着は先の話ですが、少なくとも引き出しの多さではモウリーニョ監督はペップにかないません。圧巻。別世界です。

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“【MAN.CITY×Bournemouth】強烈なプレスと速攻が脅威…マン・シティは2戦連続の4発圧勝!” への7件のフィードバック

  1. サッカー弱者 より:

    シーズンが始まる前はこのメンツではさすがのペップも時間が必要かなと思っていましたがそれは素人の淺知恵でした強いシティとにかく強い。おそらくペップさんは伝え上手な上にやりくり上手なんでしょうねコラロフがCBとして自慢の左足でロングパスをバシバシつなげるなんて開幕前には想像も出来ませんでしたし速攻を効果的に使える今のチームではカウンターの王様デブライネが大暴れしています。(他にもシルバ、オタメンディ、スターリングなども前シーズンよりも生き生きしている印象があります。)手持ちの選手の良いところを理解し育て自らの哲学に組み込みチームを作る、監督としてはあたりまえの作業なのかもしれませんがここまで素早くしてしまうから名将と呼ばれるのでしょう、リバポサポとしてはやめて欲しいのが本音なのですが(笑)

  2. Man.Blue より:

    この試合はこれまでの試合と比べて少しドタバタ感があったなという気もします。
    それでも、デブライネを中心とした鋭いカウンターを武器にして
    きっちり点を取ってくるあたりが素晴らしい。
    今日は、オタメンディ&コラロフのCBコンビだったからか、ストーンズが出てくるまではショートパス少なめで
    両CBからウィングへのロングパスがバシバシ通っていたように感じます。
    ショートパス一辺倒ではなくて、中盤を省略して戦う戦法も使いこなせれば
    シティはもっと強くなれるんじゃないか、そんな期待を抱かせる今日の試合内容でした。

  3. シティふぁん より:

    デブライネは走りながらでもパスの精度が高く
    コラロフのロングフィードが良いオプションになってますね
    ノリートは守備もまじめにやっていて退場は残念でした
    ファンの雰囲気も選手達の雰囲気も良さそうですね
    次はカップ戦ですが若手起用してくれそうで楽しみです

  4. 774 より:

    バイエルンではたしかにけが人多かった印象ですが、実際は故障持ちの数人が慢性的に再発繰り返してただけって気も
    アラバとかミュラーあたりは丈夫でしたし。
    コンパニシルバデルフと近年改善されつつあるとはいえアグエロあたりはやや不安です…
    最大のネックはフェルナンジーニョの代役が居なさそうなことでしょうけど(笑)

  5. makoto より:

    サッカー弱者さん>
    海の向こうのお話、とバイエルンを見ていたときと違って、プレミアリーグで毎週リアルタイムにに追いかけていると、あらためてすごいなと思います。オタメンディ、ジョン・ストーンズ、スターリングは昨季と別人ですね。フェルナンジーニョのいいところを引き出す手腕も絶品です。

    Man.Blueさん>
    スターリングやイヘアナチョはカウンター向きで、ノリートとアグエロは何でもできるので、ペップのギアの切り替え次第で速攻も遅効もOKですね。まだまだ強くなりそうです。

    シティふぁんさん>
    ノリートの守備、いいですよね。外しづらい選手です。退場は残念ですね。

    774さん>
    同時に10人以上リタイアしたことが、複数回ありました。ドイツでは、練習やコンディショニング、復帰のさせ方等に何らかの問題があるのかもしれないと指摘されていました。ペップがモウリーニョさんに負けるとすれば、ピッチの外が原因になったりするのかもしれません。

  6. K より:

    元から選手の質はプレミアで1番高くて精神的なムラが激しいチーム。その象徴ヤヤを排除。ヤヤのように能力がある人間がサボって許される組織って全体の規律が緩くなりますからね。コラロフもサボらなくなりましたし、精神的な成長は大きいです

    あとは仰る通り怪我人ですね! 1番薄いCBもコラロフがこなしてて、格下相手には複数得点が当たり前なら勝点80台到達は間違いなさそうです
    2番手のユナイテッド、アーセナル、トッテナム、リヴァプールの4チームがどこまで食い下がれるか、またその中の3席の争いも楽しみでつい毎週何試合も見ちゃいます

  7. makoto より:

    Kさん>
    そうなんですよね。毎試合観ちゃいますよね。マン・シティは、コラロフ、スターリング、ジョン・ストーンズがペップの薫陶を受けて変わった印象が強いです。やはりカリスマですね。

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