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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Liverpool×Crystal Palace】決定機を逃し続けたリヴァプール、180分ノーゴールでホーム連敗!

マンチェスター・シティがルートンを5-1で撃破し、73ポイントで暫定首位。勝てば74ポイントのリヴァプールは、本拠地アンフィールドで連敗するわけにはいきません。15位のクリスタル・パレスは、直近のプレミアリーグ5試合で2分3敗と勝利なし。前節はペップのチームに2-4で敗れています。

ゴールマウスにアリソン・ベッカー。クロップ監督の11人は、ベストに近い顔ぶれです。4バックはブラッドリー、コナテ、ファン・ダイク、ロバートソン、MF遠藤航、マック・アリスター、カーティス・ジョーンズ、FWサラー、ダルウィン・ヌニェス、ルイス・ディアス。スタンドのサポーターたちは、0-3完敗のアタランタ戦を忘れさせてくれる快勝を期待しているはずです。

開始1分、左から放ったエゼのシュートはアリソンがキャッチ。アウェイチームのアタックをさばいたリヴァプールは、右サイドから攻勢に転じています。5分の左からのカウンターは、エゼのドリブルを遠藤航がカット。アリソン、ロバートソン、ルイス・ディアス、ロバートソンとつながった8分の速攻は、SBのスルーパスが左から上がったダルウィン・ヌニェスに通りました。

右隅を狙ったダイレクトショットはコースが甘く、ディーン・ヘンダーソンが正面でキャッチ。左サイドを執拗に攻めるクリスタル・パレスは、14分に完璧な崩しから先制します。サイドにいたオリースからの斜めのパスを、ボックス左で受けたのはタイリック・ミッチェル。折り返しをスライディングで止めようとした遠藤航は、股間を抜かれてしまいました。

ニアでフリーだったエゼが、右足インサイドでプッシュ。リードしたアウェイチームは、18分に2度めの決定機を迎えます。エゼのパスが前線のマテタに通った瞬間、ファン・ダイクがスリップし、独走のストライカーはアリソンと1対1。軽く浮かしたボールがゴールに向かい、0-2かと思いきや、必死に戻ったロバートソンがぎりぎりで掻き出しました。

24分、左サイドでムニョスと競ったルイス・ディアスがゴール前へ。SBと絡んで転倒した7番は両手を広げてアピールしますが、ジャッジはノーファールです。27分の左からのCKで混戦となり、ファン・ダイクが触ったボールを遠藤航が左足でプッシュすると、ボールはクロスバーにヒット。なおも攻めるレッズは、29分の左からのアタックも大チャンスでした。

縦にスプリントしたロバートソンのクロスは、パーフェクト。ファーに出たルイス・ディアスの決定的なジャンピングボレーは、ディーン・ヘンダーソンが左腕を振り上げてセーブしました。33分、ボックス手前からのFKをサラーが触ると、マック・アリスターの強烈なシュートは壁にヒット。1分後、右からカットインしたサラーの一撃は、好調のGKが右に弾き出しています。

遠藤のパスがインターセプトされたのは36分。ウォートンがエゼを走らせた中央からのカウンターは、ラストパスをもらったオリースのトラップが長くなり、アリソンに回収されました。42分、マテタの落としを直接叩いたオリースのミドルはアリソンがキャッチ。45分にボックス左に出たエゼが右足アウトでクロスを入れると、マテタのダイビングヘッドは浮いてしまいました。

前半のシュートは7対6、オンターゲットは3対4。ポゼッション62%のレッズは縦に急ぎすぎるシーンが目立ち、シュートの大半は個人技頼みでした。ハーフタイムに遠藤航が下がり、ショボスライ。日本代表MFは攻めのテンポを落とすプレイが多く、交代はやむなしでしょう。ブラッドリーが負傷でリタイアしたのは49分。代わって入ったのは、復帰戦となるアーノルドです。

エゼのクロスが逆サイドのムニョスに流れたのは52分。ニアで待っていたオリースが後ろのウォートンに流すと、左足のダイレクトショットはマテタに当たってしまいました。54分、コナテの鋭い縦パスが前線のカーティス・ジョーンズへ。右に流れたダルウィン・ヌニェスがヒールで落とし、サラーが中に浮かすと、カーティス・ジョーンズのボレーはブロックされてCKです。

このCKから競り合ったボールが、フリーのダルウィン・ヌニェスの足元に落ちると、右足を振り抜いた9番はディーン・ヘンダーソンの膝にぶつけてしまいました。押し続けるリヴァプール。クロップ監督は、66分にルイス・ディアスとダルウィン・ヌニェスを下げ、ガクポとジョッタを投入しました。

直後、ガクポの素晴らしいグラウンダーに反応したカーティス・ジョーンズは、空振りでチャンスを逃しました。70分のCKで競り勝ったファン・ダイクのヘッドは、左にアウト。72分にカーティス・ジョーンズが強引に中央突破を図り、ラインの裏に出たボールをショボスライが中に折り返すと、ジョッタのシュートはナサニエル・クラインがブロックしてCKです。

74分のFKをエゼがゴールの右に浮かし、アンデルセンが頭でニアに送ると、マテタが至近距離からフィニッシュ。右手で弾いたアリソンの信じられないビッグセーブがなければ、勝負はここで決着していたでしょう。直後のCKのクリアから、レッズのカウンター。ガクポのスルーパスでGKと1対1になったカーティス・ジョーンズは右に外し、シャツで顔を覆っています。

クロップ監督の最後のカードは83分、カーティス・ジョーンズをエリオット。5-4-1で守るアウェイチームは、シンプルにクロスを上げるだけでは崩せそうにありません。追加タイムは7分。91分のガクポのクロスをジョッタが胸でトラップし、前に入ったサラーが左足で押し込もうとしますが、タイリック・ミッチェルがぎりぎりでクリアし、リードを守りました。

タイムアップの瞬間、ファン・ダイクは顔の脇で拳を震わせ、ロバートソンは座り込み、アーノルドは呆然。まさかのホーム連敗は、決定機を逃し続けた結果です。遠藤航のクロスバー直撃、ルイス・ディアスのジャンピングボレー、ダルウィン・ヌニェスの至近距離からの一撃、カーティス・ジョーンズの1対1、無人のゴールに押し込めなかったジョッタ、最後はサラー

リードされてからのホームチームに焦りが感じられたのは確かですが、予想外のアップセットは幸運がもたらしたわけではありません。ビッグセーブを連発したディーン・ヘンダーソンと、高い集中力でシュートやクロスをブロックし続けた5バックを称えるべきでしょう。オンターゲットは6対5で、ビッグチャンスは4対4。エゼ、マテタ、オリースが仕掛ける速攻は脅威でした。

アタランタとのセカンドレグと、次節からのフラム、エヴァートン、ウェストハムはアウェイ4連戦。ひとつでも落とせば、カラバオカップ制覇だけでシーズンを終えることになりそうです。リヴァプールは2024年のプレミアリーグで初のノーゴール、アーセナルは初の2失点。動揺や焦りが同じシャツの間で伝播するフットボールの怖さをあらためて実感した苦しい夜でした。


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