2024.05.09 マンチェスター・シティの話題
マン・シティは得点力が上がったのか?「決めるか、消えるか」が明確なハーランドの功罪。
プレミアリーグ2シーズンで、53試合51ゴール13アシスト。チャンピオンズリーグや国内カップを加えると、94試合88ゴール15アシストに膨れ上がります。アーリング・ブラウト・ハーランドを不要だと吐き捨てるのは、父親との因縁浅からぬロイ・キーンぐらいでしょう。アーセナルと優勝を争う今も、直近の4戦で7ゴールというハイペースでゴールを積み上げています。
入団初年度からトレブル達成に貢献したエースに、難クセをつけるとすれば、CLのベスト8以降は9戦3発とペースが落ちることぐらいでしょうか。いや、以前からモヤモヤしていることがあります。「モンスターの降臨によって、マンチェスター・シティの得点力は向上したのか?」。彼が加わる直前のシーズンを見ると、今よりゴールが多く、失点は少ないのです。
2021-22シーズンのマン・シティは、プレミアリーグで29勝6分3敗。99発を叩き込み、失点は26に抑えています。対して今季は25勝7分3敗。残り3試合で12ゴール少なく、33失点を喫しています。もちろん、彼がいるかいないかだけで単純に比較できる話ではありません。ジェズス、スターリング、ギュンドアン、グリーリッシュ、ドク…スカッドはかなり変わっています。
ハリー・ケインを獲り損ねたあのシーズンは、ガブリエウ・ジェズスがエースかと思いきや、偽9番を採用。トップは目まぐるしく変わり、フォーデンとジェズスが14試合、スターリングは4試合、デブライネとベルナルド・シウヴァは2試合を最前線で過ごしています。プレミアリーグの最多ゴールは、15ゴールをゲットしたデブライネでした。
アグエロがいるときはプレーメイカーに徹していたデブライネは、偽9番となると意図的にフィニッシャーにシフト。狙い通りの結果を出してしまうあたりは、さすがのひとことです。このチームの得点力が高かったのは、マフレズ、スターリング、フォーデン、ジェズスとサイドからカットインして決められるアタッカーが揃っており、ギュンドアンの攻め上がりも効果的だったからです。
ペップらしい采配で連覇を果たした翌年に、ハーランドが登場。ここぞというタイミングでボールを入れれば決めてくれるゴールマシンが加わったことで、デブライネはアシスト役に戻りました。手数が少ない仕掛けでゴールを陥れられるようになったことと、PKの成功率の向上は、わかりやすいプラス面です。
ハーランドはPKを18回蹴って、外したのは初年度のCLのバイエルン戦と、今季のシェフィールド・ユナイテッド戦のみ。彼が加わるまでの7シーズンで27回の失敗を見てきたペップは、成功率89%のストライカーを頼もしく感じたのではないでしょうか。ポストプレーとスペースを創る動きの質も高く、9番に当てて左右に展開するシンプルなアタックが増えています。
初年度に3つのビッグタイトルをかっさらい、2年めになると、彼が最前線に常駐する弊害も見えてきました。パスの本数が極端に少ない日が目立つストライカーは、複数のDFを引き連れてスペースを創れるゲームでは機能するのですが、マークを外せず消えてしまうと後方のパスワークが空転します。
ライバルたちの研究が進んだ2023-24シーズンは、ビッグ6との直接対決で2勝6分1敗。「前半戦はデブライネがいなかった」という主張は、後半戦のチェルシー、リヴァプール、アーセナル、レアル・マドリード戦でハーランドがノーゴールという指摘に対抗できないでしょう。ストライカーを封じられた際の戦い方は、ペップが抱える課題のひとつです。
多彩な崩し方が強みだった偽9番のチームは、絶対的ストライカーの加入によって、封じ方がわかりやすくなった感はあります。グリーリッシュとジェレミー・ドクが、エースが作ったスペースを使えるフォーデンとフリアン・アルバレスのようにゴールに向かうプレイを増やせれば、レベルが高い相手とのドローを減らせるのかもしれません。
アストン・ヴィラとニューカッスルを含むTOP6とのゲームは、7試合出場で1ゴールのみ。好調のハーランドは、来週のトッテナム戦で4連覇を手繰り寄せるゴールをゲットすることができるでしょうか。課題は、彼のみにあるわけではありません。「周囲の選手がパスコースを作れるか」「彼がほしいタイミングを見つけられるか」も重要なテーマです。
入団初年度からトレブル達成に貢献したエースに、難クセをつけるとすれば、CLのベスト8以降は9戦3発とペースが落ちることぐらいでしょうか。いや、以前からモヤモヤしていることがあります。「モンスターの降臨によって、マンチェスター・シティの得点力は向上したのか?」。彼が加わる直前のシーズンを見ると、今よりゴールが多く、失点は少ないのです。
2021-22シーズンのマン・シティは、プレミアリーグで29勝6分3敗。99発を叩き込み、失点は26に抑えています。対して今季は25勝7分3敗。残り3試合で12ゴール少なく、33失点を喫しています。もちろん、彼がいるかいないかだけで単純に比較できる話ではありません。ジェズス、スターリング、ギュンドアン、グリーリッシュ、ドク…スカッドはかなり変わっています。
ハリー・ケインを獲り損ねたあのシーズンは、ガブリエウ・ジェズスがエースかと思いきや、偽9番を採用。トップは目まぐるしく変わり、フォーデンとジェズスが14試合、スターリングは4試合、デブライネとベルナルド・シウヴァは2試合を最前線で過ごしています。プレミアリーグの最多ゴールは、15ゴールをゲットしたデブライネでした。
アグエロがいるときはプレーメイカーに徹していたデブライネは、偽9番となると意図的にフィニッシャーにシフト。狙い通りの結果を出してしまうあたりは、さすがのひとことです。このチームの得点力が高かったのは、マフレズ、スターリング、フォーデン、ジェズスとサイドからカットインして決められるアタッカーが揃っており、ギュンドアンの攻め上がりも効果的だったからです。
ペップらしい采配で連覇を果たした翌年に、ハーランドが登場。ここぞというタイミングでボールを入れれば決めてくれるゴールマシンが加わったことで、デブライネはアシスト役に戻りました。手数が少ない仕掛けでゴールを陥れられるようになったことと、PKの成功率の向上は、わかりやすいプラス面です。
ハーランドはPKを18回蹴って、外したのは初年度のCLのバイエルン戦と、今季のシェフィールド・ユナイテッド戦のみ。彼が加わるまでの7シーズンで27回の失敗を見てきたペップは、成功率89%のストライカーを頼もしく感じたのではないでしょうか。ポストプレーとスペースを創る動きの質も高く、9番に当てて左右に展開するシンプルなアタックが増えています。
初年度に3つのビッグタイトルをかっさらい、2年めになると、彼が最前線に常駐する弊害も見えてきました。パスの本数が極端に少ない日が目立つストライカーは、複数のDFを引き連れてスペースを創れるゲームでは機能するのですが、マークを外せず消えてしまうと後方のパスワークが空転します。
ライバルたちの研究が進んだ2023-24シーズンは、ビッグ6との直接対決で2勝6分1敗。「前半戦はデブライネがいなかった」という主張は、後半戦のチェルシー、リヴァプール、アーセナル、レアル・マドリード戦でハーランドがノーゴールという指摘に対抗できないでしょう。ストライカーを封じられた際の戦い方は、ペップが抱える課題のひとつです。
多彩な崩し方が強みだった偽9番のチームは、絶対的ストライカーの加入によって、封じ方がわかりやすくなった感はあります。グリーリッシュとジェレミー・ドクが、エースが作ったスペースを使えるフォーデンとフリアン・アルバレスのようにゴールに向かうプレイを増やせれば、レベルが高い相手とのドローを減らせるのかもしれません。
アストン・ヴィラとニューカッスルを含むTOP6とのゲームは、7試合出場で1ゴールのみ。好調のハーランドは、来週のトッテナム戦で4連覇を手繰り寄せるゴールをゲットすることができるでしょうか。課題は、彼のみにあるわけではありません。「周囲の選手がパスコースを作れるか」「彼がほしいタイミングを見つけられるか」も重要なテーマです。
おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!
コメントを残す