イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

最多ゴール、レフティ活躍、負傷者続出…プレミアリーグ2023-24を象徴するスタッツを一挙紹介!

2023-24シーズンの1246ゴールは、2022-23シーズンの1071ゴールを大きく上回り、プレミアリーグ史上最多のゴールラッシュ!1試合あたりの3.28は、1964-65シーズン以来の最高で、ディエゴ・シメオネは「誰も守っていない」といったそうです。「アスレティック」が、エキサイティングだったシーズンを象徴するスタッツをピックアップしています。

ポゼッション60.2%でリーグ4位のブライトンは、55ゴールでリーグ12位。ポゼッションと得点力の関係が怪しくなってから、かなり時間が経ちましたが、今季の上位7チームは揃ってハイライン・ハイプレスです。8位のチームは、むやみにリトリートする日がありますが、指揮官は高い位置で奪って速攻を仕掛けたいと考えているのかもしれません。

カウンタープレスを狙わないのは、引かざるをえない下位チームのみ。ハーフライン付近までラインを上げると、裏を突かれるリスクが高まります。ドゥグラス・ルイスがシュートレンジに詰めてくるアストン・ヴィラ、ペドロ・ポロがトップ下にいたりするポステコグルーのスパーズ、敵陣での強烈なプレスでパリをも粉砕したニューカッスルは、揃って60失点を喫しています。

さまざまなスタッツを拾い集めたリアム・サーム記者は、「50失点以上が17チームは、1909-10シーズン以来」と指摘しています。ゴール激増の要因は、ハイライン・ハイプレスの隆盛だけでなく、「U-21のDFの急増」も挙げられています。ワールドクラスの高騰によって、若手育成にシフトするクラブが増えており、経験が浅い選手が厳しいプレスでミスを誘われているようです。

ゴールランキングをチェックしてみると、20ゴール以上はハーランド、コール・パルマー、イサクの3人。オリー・ワトキンスとドミニク・ソランケは19発で、サーム記者は「プロパーのストライカーが帰ってきた」といっていますが、右からカットインしてくるレフティのほうが新潮流といえるのではないでしょうか。

22発のコール・パルマーを筆頭に、フォーデンが19発、サラーが18発、サカとボーウェンが16発。12ゴール以上の18人のうち、左から仕掛けてくるのはトロサールぐらいです。史上最高の89.7%の成功率を叩き出したPKも、ハーランド、サカ、サラー、コール・パルマー(史上最多の9発!)とレフティ優勢。5ゴール以上の右利きはカールトン・モリスとイサクだけです。

ゴール以外では、ショートパスを駆使してビルドアップするチームの増加という現象があります。GKのパスを見ると、40ヤード(約36.6m)以上の比率は、2017-18シーズンの53.7%から32.3%に激減。ゴールキックも81.9%から47.4%にダウンしています。このあたりもペップやクロップ、アルテタの影響だけでなく、エメリ、エディ・ハウ、デ・ゼルビ、マルコ・シウヴァらが底上げをしているのでしょう。

「私がここに来たとき、プレミアリーグには20のチームがあり、同じようなスタイルでプレイするチームを見つけるのは難しかった。すべてのチームが違っていて、とても魅力的でエキサイティングだった。今はどのチームも後ろから組み立て、常にハイプレスをかけようとする。まるで伝染病のようだね」(マウリシオ・ポチェッティーノ)

最後に、負傷者が多いシーズンだった理由が垣間見えるいくつかの数字を紹介しましょう。こちらをまとめたのは、「スカイスポーツ」のアダム・スミス記者とローラ・ハンター記者です。トータルの平均試合時間は、昨季の98分6秒を大きく上回る101分36秒。インプレーも54分53秒から58分12分に伸びており、いずれも史上最長で欧州No.1です。

遅延行為のイエロー172枚は倍増。ただでさえ疲労が蓄積しやすい状況に陥っているのに、1試合あたりのスプリントは2020-21シーズンの127.4回から139.6回に増えています。1試合あたりのプレスも、3年前の31.0回から39.5回にUP。これらの結果、負傷者の延べ欠場日数は、昨季の21163日から25886日に増加してしまいました。

以上、2つのメディアから、プレミアリーグ2023-24シーズンの象徴的なスタッツを紹介しました。ペップやクロップが持ち込んだ戦術と、そのなかで成功したサラーやロドリなどの存在が全体に影響を及ぼしているのがよくわかります。オリーズ、エゼ、ドゥクレ、ウォートンがあんなに休んだのに、クリスタル・パレスがマンチェスター・ユナイテッドと同じ57ゴールとは…!


おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!


コメントを残す