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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

ラシュフォードとマウントは落選!出場機会が減ったグリーリッシュはイングランド代表に残れるのか?

プレミアリーグ創設以来、空前のゴールラッシュとなった2023-24シーズンは、イングランド人の活躍が目立った1年でした。ユーロ2024でフットボールの母国を率いるガレス・サウスゲートは、実績重視のスカッドを批判されがちな指揮官ですが、今回ばかりは「無慈悲な選考」と表現されています。

5月22日に発表された33人を見ると、常連だった選手がごっそり抜けています。アヤックスで振るわなかった34歳のヘンダーソン、プレミアリーグで8ゴールのスターリングと7ゴールのラシュフォード、バイエルンで復活したエリック・ダイアー。絶不調に陥ったカルヴァン・フィリップスと、マンチェスター・ユナイテッドで居場所を失っていたメイソン・マウントも選外です。

最初に目を引くのは、ウインガーの充実ぶりです。プレミアリーグのMVPに輝いたフォーデン、22ゴール11アシストのコール・パルマー。サカとボーウェンは16ゴールで、パスワークに長けたグリーリッシュ、スピードを武器とするアンソニー・ゴードン、ユーティリティーが高いエゼも捨てがたい存在です。

スターリングでさえアウトなら、ドルトムントで公式戦20試合3ゴール3アシストのサンチョは出番なしでしょう。ストライカーは、バイエルンで32戦36発のハリー・ケインと、ランキングTOPの13アシストを挙げたオリー・ワトキンス。プレミアリーグで9ゴールのカラム・ウィルソンが落ちて、17戦4発のイヴァン・トニーが選ばれたのは、コンディションを比較した結果でしょうか。


■GK
ディーン・ヘンダーソン(クリスタル・パレス)、ピックフォード(エヴァートン)、ラムズデール(アーセナル)、トラフォード(バーンリー)
■DF
ジョー・ゴメス、クアンサー(リヴァプール)、マグワイア、ルーク・ショー(マン・ユナイテッド)、カイル・ウォーカー、ジョン・ストーンズ(マン・シティ)、トリッピアー(ニューカッスル)、グエイ(クリスタル・パレス)、コンサ(アストン・ヴィラ)、ブランスウェイト(エヴァートン)、ルイス・ダンク(ブライトン)
■MF
アーノルド、カーティス・ジョーンズ(リヴァプール)、コナー・ギャラガー(チェルシー)、メイヌー(マン・ユナイテッド)、デクラン・ライス(アーセナル)、ウォートン(クリスタル・パレス)
■FW
フォーデン、グリーリッシュ(マン・シティ)、ベリンガム(レアル・マドリード)、ボーウェン(ウェストハム)、エゼ(クリスタル・パレス)、アンソニー・ゴードン(ニューカッスル)、ハリー・ケイン(バイエルン)、ジェームズ・マディソン(トッテナム)、コール・パルマー(チェルシー)、サカ(アーセナル)、イヴァン・トニー(ブレントフォード)、オリー・ワトキンス(アストン・ヴィラ)


リーグの戦績が重視されている前線に対して、中盤と最終ラインは若手が抜擢されています。19歳のメイヌー&ウォートン、21歳のブランスウェイト&クアンサー。次世代のキャプテンといわれるベリンガムも、まだ20歳です。リコ・ルイス、エリオット・アンダーソン、ルイス・マイリー、コルウィルらが成長を遂げれば、スリーライオンズの世代交代は一気に進みそうです。

さて、今回選ばれた33人は、ドイツでプレイする前に仲間に勝たなければなりません。本大会のメンバーとして登録されるのは26人。国際大会の経験値が低い若手と、プレミアリーグで活躍できなかった選手は厳しい戦いを強いられます。果たして彼は、最後になるであろうユーロで活躍できるのでしょうか。ジャック・グリーリッシュは、もう28歳です。

ドリブルの突破力はエゼやアンソニー・ゴードンが上ですが、キープ力とパスワークは今回のメンバーのなかでもトップクラスでしょう。1億ポンドでマンチェスター・シティに移籍したのは2021年。ヴィラ時代はイングランド代表の主力とはいえなかったウインガーは、ユーロ2020では全試合に出場し、ドイツ戦で勝利を決定づけるアシストを記録しています。

28歳の今回は勝負の大会となるはずだったのですが、序盤戦でペップに集中力の欠如を非難され、2024年からは出場機会が激減してしまいました。「アスレティック」のティム・スパイヤー記者の当落予想では、グリーリッシュの評価は33人中22位。「彼のような大物を外すなら、ラシュフォードと同じ火曜日にしたのではないか」という頼りない根拠です。

ランキングを下から紹介すると、ルーク・ショー、クアンサー、ウォートン、ブランスウェイト、ボーウェン、エゼ、ディーン・ヘンダーソン。プレミアリーグのラスト6試合を5ゴール2アシストで締めたエゼが食い込んだら、落とされるのはグリーリッシュかジェームズ・マディソンでしょう。まさに今、彼はキャリアの岐路に立っているといえそうです。

ユーロ2024で真価を発揮し、マン・シティでもイングランド代表でも不可欠な存在といわしめるのか。下の世代に弾き出されて「元代表」となり、クラブでもドクのバックアッパーになってしまうのか。ヴィラでプレイしていた頃から、短いスルーパスと美しいターンに見惚れていた選手だけに、行く末が大いに気になります。今季はプレミアリーグ20試合3ゴール1アシスト。アンソニー・ゴードンとエゼはリーグで11ゴール…!


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