「スカイスポーツ」の記者がスタッツ分析!イングランド代表の不振の元凶はピックフォード?
「われわれは充分にボールをキープできていない。単純な話だ。もっとうまくキープし、コントロールしながらゲームを組み立てていかなければならない。そうすれば守る機会を減らし、自信をもてるようになるだろう」。ガレス・サウスゲート監督の戦い方を批判する評論家やファンも、彼のこの言葉には異論はないでしょう。知りたいのは、その単純なことができない理由です。
指揮官のコメントに対して、「それは、あなたの戦術の問題」とツッコミを入れたジャーナリストがいます。「スカイスポーツ」のアダム・ベイト記者の見解は、それこそ単純で「GKがピックフォードだから」。正確にいえば「プレースタイルに一貫性がない」。具体的にいえば「ビルドアップの際に、GKとフィールドプレーヤーが意志の疎通を欠いている」となります。
記事のタイトルは「Jordan Pickford’s long balls part of England’s problem at Euro 2024? It is impacting possession and pressing(ジョーダン・ピックフォードのロングボールは、ユーロ2024におけるイングランドの問題の一部か?ポゼッションとプレッシングに影響を及ぼしている)」。話の始まりは、エヴァートンのGKが記録したローンチの本数です。
「ローンチ」とは何か。Optaの定義は、「選手がボールを追いかけたり、奪い合ったりするエリアへのハイボール」です。ピックフォードの27本は、スコットランドのアンガス・ガンやポーランドのシュチェスニーを凌ぐ大会No.1。カイル・ウォーカーやジョン・ストーンズ、デクラン・ライスらがもらえる位置に動いても、GKが蹴ってしまうシーンが多いのが現状です。
アダム・ベイト記者は、「ピックフォードにとっては自然なこと」として、プレミアリーグ2023-24シーズンのスタッツを並べています。ショーン・ダイク監督は、「弱者の戦術」に徹しており、ロングフィード2388本はリーグ1位。ピックフォードの968本は、ルートンのGKカミンスキを77本も上回っており、その他の選手より200本以上も多いそうです。
ハリー・ケインやフォーデンに競らせようとしがちなGKに対して、最終ラインと中盤にはマン・シティ、アーセナル、リヴァプール、レアル・マドリードの選手が7人います。クリスタル・パレスのマーク・グエイもパスワークは至ってシンプルで、セルビア戦ではパス成功率96%。エディ・ハウとともに戦っているトリッピアーも、ハイテンポなビルドアップを心得ています。
ワールドクラスが揃うイングランドは、戦術さえ明確であれば、前からのプレスも中盤のコントロールも高いクオリティで遂行できるチームです。ところが、最終ラインと中盤センターがもらいにいっても、GKが蹴ってしまうため、前線が競り合いに負けると間延びしたラインを突かれ、全体が下がりっぱなしになってしまうのです。
ハリー・ケインの言葉は、チームの問題を端的に表現しています。「全体的にいうと、われわれはどうやってプレスをかければいいのかわかっていない」。デンマークは、直前のセルビア戦だけでなく、イングランドを相当研究したのでしょう。前線の選手が獰猛に詰めてGKのロングフィ-ドを誘い、後ろで回収して縦につなぐ攻め方を徹底していました。
プレスのラインとタイミングがブレており、ビルドアップでも意思の疎通を欠くチームが苦戦するのは必然です。指揮官はいま一度、戦術を共有したうえで、明らかに迷いが生じているアーノルドのポジションをベリンガムに託し、後ろからつないで攻めるスタイルを確立すべきでしょう。その際に、ショーン・ダイクの戦い方が染みついたGKがいいのかは、再考の余地ありです。
ペップ・グアルディオラはジョー・ハートからブラボ、エデルソンとGKをチェンジ。ユルゲン・クロップもミニョレ、ロリス・カリウス、アリソンとレベルアップさせています。ミケル・アルテタは、ベルント・レノからラムズデール、ダヴィド・ラヤ。おお、イングランド代表には、アルテタが起用していたGKがいるじゃないですか。
負けたら終了の可能性があるスロベニア戦は、ドロー以上で終えなければならない試合であるとともに、戦術と布陣をチューニングするラストチャンスでもあります。GKを変えるのか、GKの認識を変えるのか。これまでのサウスゲート監督から想像すると、アーノルドをコナー・ギャラガ―に代えただけで、戦術はそのままとなってしまう気がしますが…!
指揮官のコメントに対して、「それは、あなたの戦術の問題」とツッコミを入れたジャーナリストがいます。「スカイスポーツ」のアダム・ベイト記者の見解は、それこそ単純で「GKがピックフォードだから」。正確にいえば「プレースタイルに一貫性がない」。具体的にいえば「ビルドアップの際に、GKとフィールドプレーヤーが意志の疎通を欠いている」となります。
記事のタイトルは「Jordan Pickford’s long balls part of England’s problem at Euro 2024? It is impacting possession and pressing(ジョーダン・ピックフォードのロングボールは、ユーロ2024におけるイングランドの問題の一部か?ポゼッションとプレッシングに影響を及ぼしている)」。話の始まりは、エヴァートンのGKが記録したローンチの本数です。
「ローンチ」とは何か。Optaの定義は、「選手がボールを追いかけたり、奪い合ったりするエリアへのハイボール」です。ピックフォードの27本は、スコットランドのアンガス・ガンやポーランドのシュチェスニーを凌ぐ大会No.1。カイル・ウォーカーやジョン・ストーンズ、デクラン・ライスらがもらえる位置に動いても、GKが蹴ってしまうシーンが多いのが現状です。
アダム・ベイト記者は、「ピックフォードにとっては自然なこと」として、プレミアリーグ2023-24シーズンのスタッツを並べています。ショーン・ダイク監督は、「弱者の戦術」に徹しており、ロングフィード2388本はリーグ1位。ピックフォードの968本は、ルートンのGKカミンスキを77本も上回っており、その他の選手より200本以上も多いそうです。
ハリー・ケインやフォーデンに競らせようとしがちなGKに対して、最終ラインと中盤にはマン・シティ、アーセナル、リヴァプール、レアル・マドリードの選手が7人います。クリスタル・パレスのマーク・グエイもパスワークは至ってシンプルで、セルビア戦ではパス成功率96%。エディ・ハウとともに戦っているトリッピアーも、ハイテンポなビルドアップを心得ています。
ワールドクラスが揃うイングランドは、戦術さえ明確であれば、前からのプレスも中盤のコントロールも高いクオリティで遂行できるチームです。ところが、最終ラインと中盤センターがもらいにいっても、GKが蹴ってしまうため、前線が競り合いに負けると間延びしたラインを突かれ、全体が下がりっぱなしになってしまうのです。
ハリー・ケインの言葉は、チームの問題を端的に表現しています。「全体的にいうと、われわれはどうやってプレスをかければいいのかわかっていない」。デンマークは、直前のセルビア戦だけでなく、イングランドを相当研究したのでしょう。前線の選手が獰猛に詰めてGKのロングフィ-ドを誘い、後ろで回収して縦につなぐ攻め方を徹底していました。
プレスのラインとタイミングがブレており、ビルドアップでも意思の疎通を欠くチームが苦戦するのは必然です。指揮官はいま一度、戦術を共有したうえで、明らかに迷いが生じているアーノルドのポジションをベリンガムに託し、後ろからつないで攻めるスタイルを確立すべきでしょう。その際に、ショーン・ダイクの戦い方が染みついたGKがいいのかは、再考の余地ありです。
ペップ・グアルディオラはジョー・ハートからブラボ、エデルソンとGKをチェンジ。ユルゲン・クロップもミニョレ、ロリス・カリウス、アリソンとレベルアップさせています。ミケル・アルテタは、ベルント・レノからラムズデール、ダヴィド・ラヤ。おお、イングランド代表には、アルテタが起用していたGKがいるじゃないですか。
負けたら終了の可能性があるスロベニア戦は、ドロー以上で終えなければならない試合であるとともに、戦術と布陣をチューニングするラストチャンスでもあります。GKを変えるのか、GKの認識を変えるのか。これまでのサウスゲート監督から想像すると、アーノルドをコナー・ギャラガ―に代えただけで、戦術はそのままとなってしまう気がしますが…!
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