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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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ドゥグラス・ルイスがユーヴェ移籍決定!PSR違反回避の駆け込み売却ラッシュは、今後も続くのか?

2023-24シーズンの会計の締め日となる6月30日は、新たなデッドラインデー。プレミアリーグのPSR(収益性と持続可能性に関する規則)違反を回避するべく、赤字のクラブが奔走する売却ラッシュとなりました。最高額のディールは、アストン・ヴィラからユヴェントスに移籍したドゥグラス・ルイス。「BBC」は、4235万ポンド(5000万ユーロ)と報じています。

ただしこのディールは、昨季プレミアリーグで35試合9ゴール5アシストのセントラルMFを差し出す見返りとして、22歳のMFエンツォ・バレネチェアと、21歳のFWサミュエル・イリング・ジュニオールを譲り受けることになっています。実態は1対2のスワップですが、ヴィラとユーヴェの双方に会計上のメリットがあるため、形式的には別なディールです。

ヴィラの利益は、差し引きでは2100万ポンド。しかし2023-24シーズンの会計では、ブラジル代表MFの移籍金4235万ポンドから、残り2年の契約の減価償却費を引いた額が利益となります。片や2人の選手の購入費は、5年契約なら移籍金総額2135万ポンドの1/5にあたる427万ポンド。売却益と獲得費用の算出方法が違うため、別な取引とすると当期利益は大きくなるというわけです。

ドゥグラス・ルイスを手離す前に、21歳のMFイロエグブナムをエヴァートンに900万ポンドで売ったヴィラは、チェルシーからもオマリ・ケリーマンの移籍金1900万ポンドを受け取っています。これらをもって、PSRはクリアできたでしょう。チャンピオンズリーグに出場する新シーズンは売上の増加が見込めるので、ここからは本気の補強が始まるはずです。

チェルシーからデューズバリー=ホールがほしいといわれていたレスターは、勝ち点剥奪という厳しいペナルティのプレッシャーに負けてしまいました。希望額は4000万ポンド、しかし合意した額は3000万ポンド。チャンピオンシップで44試合12ゴール14アシストのレフティと同等の選手を獲りたいところですが、3000万では難しいでしょう。

ブライトンにヤンクバ・ミンテを3300万ポンドで売ったニューカッスルは、ユース出身のエリオット・アンダーソンも出さなければ帳尻が合わないようです。ノッティンガム・フォレストと合意した移籍金は3000万ポンド。移籍金が全額利益になるホームグロウンを泣く泣く放出したクラブは、逆ルートでアンソニー・エランガかGKヴラコディモスを手に入れられるかもしれません。

これで終わりかと思いきや、ウェストハムがサイード・ベンラーマを1300万ポンドでリヨンに売却。SBのベン・ジョンソンも、イプスウィッチと話がついており、48時間以内に正式なアナウンスがあると報じられています。チェルシーが放出したハッチンソンの2000万ポンドは、イプスウィッチのクラブレコードです。

アカデミー時代からサポーターに愛されたホームグロウンの選手が、利益率が高いという理由で成長度外視の移籍に巻き込まれたり、双方の企みで高額移籍金となったスワップが生じたりする流れは、どこかで断ち切らないといけないでしょう。期待感たっぷりだった2人のヤングスターを失ったニューカッスルのサポーターは、どんな思いでクラブの動きを見ていたのか…。


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