共存できない3人、機能しない左サイド…2大会連続で決勝で敗れたガレス・サウスゲートの限界。
優勝候補といわれたイングランドは、欧州の中堅国を相手に凡戦を繰り返しながら、2大会連続のファイナル進出を果たしました。FAは、ガレス・サウスゲート監督を留任させようとしているようです。2016年にわずか1試合で解任されたサム・アラダイスの後を継ぎ、8年めとなる指揮官は、ノルマはクリアしたといえても目標を達成したとはいえません。
ベルリンのオリンピアシュタディオンで開催される決戦の相手は、セミファイナルまで全勝の最強スペイン。6試合でオープンプレーから1ゴールのフランスに、カタールのリベンジというストーリーのほうがよかったというファンもいるでしょう。ヤマル、ダニ・オルモ、ニコ・ウィリアムズに自由を与えれば、ハーフタイムの前に終了という展開になってしまうかもしれません。
サウスゲート監督の布陣は、4-2-3-1のようです。GKピックフォード、DFカイル・ウォーカー、ジョン・ストーンズ、グエイ、ルーク・ショー。2センターはデクラン・ライスとメイヌー、2列めにサカ、フォーデン、ベリンガム、最前線にハリー・ケイン。58年ぶりのビッグタイトルをめざすチームは、立ち上がりから自陣に引かされています。
5分のスペインのCKは、冷静にクリア。ニコ・ウィリアムズとカイル・ウォーカーのマッチアップの勝負は、この試合の結末に直結しそうです。ピックフォードが長いボールを選んでいるのは、うまくつなげないという自白に見えます。11分のニコ・ウィリアムズの突破は、ジョン・ストーンズがスライディングでCKに逃れています。
ファーに飛んだキックの折り返しを、右足で引っかけたル・ノルマンは枠に収められず。15分にサカの縦パスでカイル・ウォーカーがボックス右に飛び出しますが、グラウンダーはニアのラポルテにクリアされています。23分、フォーデンのミスパスをダニ・オルモにカットされたピンチは、ヤマルの突破を止めて事なきをえました。
28分、中央から強引にドリブルで仕掛けたファビアン・ルイスのシュートは、グエイが足に当ててGKの正面。スペインは単独突破が増え、イングランドは奪った後にスピードアップできず、サイドで詰まるシーンが目立っています。ボックス左手前で、ベリンガムがカルバハルから奪ったのは44分。横に流したボールを叩いたハリー・ケインの一撃は、ロドリがブロックしました。
1分後、右からのFKをデクラン・ライスがゴール前に浮かすと、ル・ノルマンのクリアがファーに流れ、フォーデンが左足ボレー。ニアに飛んだボールはGKシモンが冷静に押さえ、間もなくハーフタイムを告げる笛が鳴りました。前半のポゼッションは66%対34%、シュート数は4対3、オンターゲットは1対1。先に決めたほうが圧倒的に有利になりそうな展開です。
おお、ハーフタイムにロドリをスビメンディ…!16番の怖さをよく知るプレミアリーグファンにとってはテンションが上がる状況と思いきや、47分に右からカットインしたヤマルから、左に完璧なパスが通ってしまいました。ニコ・ウィリアムズのダイレクトショットは、カイル・ウォーカーの股間を抜けて右隅へ。イングランドは、今までと同様に苦しい展開に陥っています。
55分、ヤマルの縦のスルーパスでGkと1対1になったモラタは、枠に流し込めずにクリアされ、ニコ・ウィリアムズの強烈なミドルは左にアウト。サウスゲート監督は、封じられているエースを61分という早い時間に諦めました。代わって入ったのは、オランダ戦でヒーローになったオリー・ワトキンス。63分に右から入れたフォーデンのFKは、味方に届きません。
64分、右からカットインしようとしたサカが、中央のベリンガムにパス。巧みなターンから放った左足のミドルは、左に外れてしまいました。66分のカウンターから、ダニ・オルモのラストパスでゴール前に出たヤマルは、左足のフィニッシュをピックフォードのビッグセーブに阻まれました。スペインが追加点をゲットした瞬間に、イングランドの希望は潰えてしまうでしょう。
70分のファビアン・ルイスのミドルは、クロスバーの上。メイヌーはここで下がり、コール・パルマ―がトップ下に入っています。73分に右から仕掛けたのは、ブカヨ・サカ。中にいたベリンガムに流したタイミングも、10番の後方への落としも的確でした。左足のダイレクトショットをファーのサイドネットに決めたのは、コール・パルマ―です。
82分のスペインの中央突破も、ダニ・オルモが右に出したボールでヤマルのコースが空くビッグチャンス。左足のシュートは、またもやピックフォードが素晴らしいセービングでビハインドを回避しました。左サイドのククレジャが、アーリーのグラウンダーを入れたのは87分。グエイがオヤルサバルに裏を取られ、ワンタッチがネットに収まると、VARのジャッジはゴールです。
90分のCKから、デクラン・ライスのヘッドをシモンがセーブすると、こぼれ球を叩いたグエイのヘッドはゴールライン上のダニ・オルモがクリア。サウスゲート監督の最後のカードは、フォーデンをイヴァン・トニーです。今大会で初めて2失点を喫したイングランドは、4分の追加タイムを無為に過ごし、2大会連続準優勝となるタイムアップの笛を聞きました。
2-1の惜敗とはいえ、チャンスクリエイトは5対2。最後まで希望をつないだものの、スペインが強かったと認めるしかありません。サカ、ベリンガム、フォーデンは、3人揃えると誰かが消えてしまい、左サイドからのアタックはルーク・ショーのオーバーラップのみ。開幕当初から抱えていた問題は最後まで解決せず、快勝といえる試合なきまま大会を終えています。
イングランドの大会8ゴールは、セットピースと右サイドの崩ししかなく、左からのアタックは機能していませんでした。プレミアリーグMVPという格を捨てられず、アンソニー・ゴードンやエゼといった適材適所のアタッカ―や、好調のコール・パルマーを先発に抜擢できなかった指揮官は、これが限界だったのでしょう。ふわっと入ってしまった後半の立ち上がりが悔やまれます。
フットボールの母国の悲願成就というストーリーに思い入れて、最後まで希望を抱き続けた4週間の素晴らしい旅に感謝するとともに、監督。スタッフ、選手たちをあらためて称えたいと思います。よくぞここまで、戦い抜きました。ラスト5分まで、トロフィーは手を伸ばせば届くところにありました。若手が多いチームゆえ、2年後、4年後もチャンスです。
次こそは、全員が自らのポジションで得意なプレイを繰り出せるチームを築いていただければと思います。サカ、フォーデン、ベリンガム、メイヌー、グエイは、経験値を高めて成長する余地があるでしょう。またもや優勝を逃した悔しい大会は、凡戦続きだった苦い大会でもありましたが、彼らならいつか世界の頂点に立てると信じています。
ベルリンのオリンピアシュタディオンで開催される決戦の相手は、セミファイナルまで全勝の最強スペイン。6試合でオープンプレーから1ゴールのフランスに、カタールのリベンジというストーリーのほうがよかったというファンもいるでしょう。ヤマル、ダニ・オルモ、ニコ・ウィリアムズに自由を与えれば、ハーフタイムの前に終了という展開になってしまうかもしれません。
サウスゲート監督の布陣は、4-2-3-1のようです。GKピックフォード、DFカイル・ウォーカー、ジョン・ストーンズ、グエイ、ルーク・ショー。2センターはデクラン・ライスとメイヌー、2列めにサカ、フォーデン、ベリンガム、最前線にハリー・ケイン。58年ぶりのビッグタイトルをめざすチームは、立ち上がりから自陣に引かされています。
5分のスペインのCKは、冷静にクリア。ニコ・ウィリアムズとカイル・ウォーカーのマッチアップの勝負は、この試合の結末に直結しそうです。ピックフォードが長いボールを選んでいるのは、うまくつなげないという自白に見えます。11分のニコ・ウィリアムズの突破は、ジョン・ストーンズがスライディングでCKに逃れています。
ファーに飛んだキックの折り返しを、右足で引っかけたル・ノルマンは枠に収められず。15分にサカの縦パスでカイル・ウォーカーがボックス右に飛び出しますが、グラウンダーはニアのラポルテにクリアされています。23分、フォーデンのミスパスをダニ・オルモにカットされたピンチは、ヤマルの突破を止めて事なきをえました。
28分、中央から強引にドリブルで仕掛けたファビアン・ルイスのシュートは、グエイが足に当ててGKの正面。スペインは単独突破が増え、イングランドは奪った後にスピードアップできず、サイドで詰まるシーンが目立っています。ボックス左手前で、ベリンガムがカルバハルから奪ったのは44分。横に流したボールを叩いたハリー・ケインの一撃は、ロドリがブロックしました。
1分後、右からのFKをデクラン・ライスがゴール前に浮かすと、ル・ノルマンのクリアがファーに流れ、フォーデンが左足ボレー。ニアに飛んだボールはGKシモンが冷静に押さえ、間もなくハーフタイムを告げる笛が鳴りました。前半のポゼッションは66%対34%、シュート数は4対3、オンターゲットは1対1。先に決めたほうが圧倒的に有利になりそうな展開です。
おお、ハーフタイムにロドリをスビメンディ…!16番の怖さをよく知るプレミアリーグファンにとってはテンションが上がる状況と思いきや、47分に右からカットインしたヤマルから、左に完璧なパスが通ってしまいました。ニコ・ウィリアムズのダイレクトショットは、カイル・ウォーカーの股間を抜けて右隅へ。イングランドは、今までと同様に苦しい展開に陥っています。
55分、ヤマルの縦のスルーパスでGkと1対1になったモラタは、枠に流し込めずにクリアされ、ニコ・ウィリアムズの強烈なミドルは左にアウト。サウスゲート監督は、封じられているエースを61分という早い時間に諦めました。代わって入ったのは、オランダ戦でヒーローになったオリー・ワトキンス。63分に右から入れたフォーデンのFKは、味方に届きません。
64分、右からカットインしようとしたサカが、中央のベリンガムにパス。巧みなターンから放った左足のミドルは、左に外れてしまいました。66分のカウンターから、ダニ・オルモのラストパスでゴール前に出たヤマルは、左足のフィニッシュをピックフォードのビッグセーブに阻まれました。スペインが追加点をゲットした瞬間に、イングランドの希望は潰えてしまうでしょう。
70分のファビアン・ルイスのミドルは、クロスバーの上。メイヌーはここで下がり、コール・パルマ―がトップ下に入っています。73分に右から仕掛けたのは、ブカヨ・サカ。中にいたベリンガムに流したタイミングも、10番の後方への落としも的確でした。左足のダイレクトショットをファーのサイドネットに決めたのは、コール・パルマ―です。
82分のスペインの中央突破も、ダニ・オルモが右に出したボールでヤマルのコースが空くビッグチャンス。左足のシュートは、またもやピックフォードが素晴らしいセービングでビハインドを回避しました。左サイドのククレジャが、アーリーのグラウンダーを入れたのは87分。グエイがオヤルサバルに裏を取られ、ワンタッチがネットに収まると、VARのジャッジはゴールです。
90分のCKから、デクラン・ライスのヘッドをシモンがセーブすると、こぼれ球を叩いたグエイのヘッドはゴールライン上のダニ・オルモがクリア。サウスゲート監督の最後のカードは、フォーデンをイヴァン・トニーです。今大会で初めて2失点を喫したイングランドは、4分の追加タイムを無為に過ごし、2大会連続準優勝となるタイムアップの笛を聞きました。
2-1の惜敗とはいえ、チャンスクリエイトは5対2。最後まで希望をつないだものの、スペインが強かったと認めるしかありません。サカ、ベリンガム、フォーデンは、3人揃えると誰かが消えてしまい、左サイドからのアタックはルーク・ショーのオーバーラップのみ。開幕当初から抱えていた問題は最後まで解決せず、快勝といえる試合なきまま大会を終えています。
イングランドの大会8ゴールは、セットピースと右サイドの崩ししかなく、左からのアタックは機能していませんでした。プレミアリーグMVPという格を捨てられず、アンソニー・ゴードンやエゼといった適材適所のアタッカ―や、好調のコール・パルマーを先発に抜擢できなかった指揮官は、これが限界だったのでしょう。ふわっと入ってしまった後半の立ち上がりが悔やまれます。
フットボールの母国の悲願成就というストーリーに思い入れて、最後まで希望を抱き続けた4週間の素晴らしい旅に感謝するとともに、監督。スタッフ、選手たちをあらためて称えたいと思います。よくぞここまで、戦い抜きました。ラスト5分まで、トロフィーは手を伸ばせば届くところにありました。若手が多いチームゆえ、2年後、4年後もチャンスです。
次こそは、全員が自らのポジションで得意なプレイを繰り出せるチームを築いていただければと思います。サカ、フォーデン、ベリンガム、メイヌー、グエイは、経験値を高めて成長する余地があるでしょう。またもや優勝を逃した悔しい大会は、凡戦続きだった苦い大会でもありましたが、彼らならいつか世界の頂点に立てると信じています。
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