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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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最初の2試合で6失点…前途多難な船出となったエンツォ・マレスカのチェルシーに感じる課題と期待!

レクサム戦の2-2のドローを笑ってやり過ごしたサポーターも、セルティック戦の1-4惨敗にはブーイングだったのではないでしょうか。「プレシーズンの結果に重きを置きすぎるのは、避けなければならない長年のトラップ」とフォローした「スカイスポーツ」のピーター・スミス記者も、「チェルシーはあまりにもオープンで自信がなく、ミスが多かった」と現状を懸念しています。

昨季プレミアリーグのラスト15戦を9勝5分1敗で終え、次のシーズンに希望をつないだマウリシオ・ポチェッティーノの奮闘を、エンツォ・マレスカ監督はリセットしてしまったのでしょうか。2試合で6失点を喫したチェルシーは、自陣でのボールロストが多く、最終ラインの裏を何度も突かれてピンチに陥っていました。

とはいえ、レクサム戦の後半は、18歳のアチャンポン、長期離脱から復帰したばかりのウェズレイ・フォファナ、ユーロのイングランド代表に選ばれなかったチルウェル、昨季プレミアリーグで先発3試合のウゴチュクといった急造の布陣。相手がリーグ1(3部相当)に昇格したばかりのクラブであることを思い出さなければ、「初戦だから」のひとことで片づけられる結果です。

片やセルティック戦は、コルウィル、バディアシル、ウェズレイ・フォファナという本番仕様の3バックで臨んだ一戦だけに、大いに気になります。エンクンクとチュクエメカが決定的なシュートを3発かました立ち上がりは楽しかったのですが、右からのサイドチェンジを古橋亨梧にフリーで持ち込まれた9分から、雲行きが怪しくなっていきました。

旗手怜央の強烈なミドルをロベルト・サンチェスのビッグセーブでしのいだ12分のピンチは、自陣でのミスパスから、アンカーのラヴィアの裏に空いたスペースを使われています。オライリーをフリーにして左隅に決められた13分の失点は、3人のCBが相手のポジションをチェックせず、むやみに引きすぎたのが原因でしょう。

29分には、サイドチェンジでフォファナが前田大然に振り切られ、ノーマークで走り込んできた古橋亨梧にラストパス。素晴らしいセービングでストップしたロベルト・サンチェスは、4分後にゴール前でグラウンダーを受けた古橋のシュートは、呆然と見送るしかありませんでした。ラインの裏の古橋が見えていたはずのフォファナは、オフサイドと高をくくっていたのでしょう。

しかしボックス右をオライリーにえぐられた瞬間、中で待っていた8番はオンサイドとなりました。バディアシルがラストパスのコースを切り、ファファナがストライカーに体を寄せていれば、イージーなワンタッチを許さずに済んだはずです。0-2で前半を終えたチームは、76分にバディアシルが自陣ゴール前でルイス・パルマにパスをさらわれ、致命的な3点めを許しました。

最後の失点は、新加入のアダラビオヨがジョンストンに裏を取られ、GKと1対1にさせてしまいました。トップフォームに戻るまでに時間がかかりそうなフォファナと、マークが曖昧になるシーンが目立ったバディアシルはかなり不安な状態ですが、マレスカ監督に改善策はあるのでしょうか。課題山積の守備に対して、攻撃陣は収穫があった2試合といえるでしょう。

前線の流動性を高めつつ、打てるエリアに入れるエンクンクは今季こそ真価を発揮してくれそうです。ドリブルで勝負できるマルク・ギウは最大のサプライズ。セルティック戦でボックス左を蹂躙し、シュートをポストに当てたスターリングは既に仕上がっています。ノニ・マドゥエケも持ち前の突破力を見せており、ムドリク以外は開幕からフルスロットルでいけそうです。

不安だらけの船出ではありますが、クラブ・アメリカ、マン・シティ、レアル・マドリード、インテルと続く今後のプレシーズンマッチでコンディションを上げていくのみです。ディサシ、ククレジャ、コール・パルマー、ニコラス・ジャクソン、コナー・ギャラガー、カイセドらが合流すれば、昨シーズンの終盤のクオリティを取り戻せるはずです。

チェルシーは、ピッチの外でも懸念を抱えています。コナー・ギャラガーの去就、エンソ・フェルナンデスの差別的なチャント問題、トレヴォ・チャロバーがツアーから外れた件を受けて、チーム内に不安が拡散しないようにマネジメントしなければなりません。トップリーグの経験がないエンツォ・マレスカ監督は、うまく仕切れるでしょうか。どうなるか、見てみましょう。


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