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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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負傷者だらけの因縁の対決…モウリーニョVSヴェンゲル、歴史は変わる?繰り返す?

ヴェンゲルVSモウリーニョといえば、1年前まではピッチ上からプレスルームまでを満遍なく盛り上げてくれるプレミアリーグNo.1の指揮官バトルでしたが、クロップ、ペップ、コンテがやってきたうえにモウリーニョ監督が元気がない今季は、少々色あせてみえる対決です。そんななかでも、イギリスメディア「スカイスポーツ」は、両者の対決を煽る記事を果敢に掲載しています。「Arsene Wenger has won just one of 15 matches against Jose Mourinho(アーセン・ヴェンゲルは、15試合で1回だけモウリーニョに勝っている)」。アーセナルを20年間率いてきたヴェンゲル監督の対モウリーニョは、プレミアリーグで6分5敗、リーグカップで2連敗と未勝利。唯一の勝利は昨季のコミュニティシールドで、この大会のみ1勝1敗の互角です。トータル1勝6分8敗。アーセナルは、オールド・トラフォードにおけるプレミアリーグも相性が悪く、2006年9月に終了4分前のアデバヨルのゴールで0-1で勝って以来、10年以上勝ち点3をゲットしていません。

否応なく盛り上がるこの対決…と書き始めたいところですが、残念ながら、欠場者の情報からお知らせしたほうがよさそうです。マンチェスター・ユナイテッドは満身創痍。イブラヒモヴィッチは出場停止、バイリー、スモーリングは負傷離脱。ルーク・ショー、フェライニの状態も思わしくなく、バレンシアの復帰も微妙。ウェイン・ルーニーは膝を痛めてイングランド代表がスペインと戦う前にキャリントンに戻ってきています。対するアーセナルは、ウェルベックとメルテザッカーが元より不在で、カソルラは復帰の目処が立たず。ルーカス・ぺレスとベジェリンも負傷しており、ウォルコットには出産立ち合いで出場は微妙という噂が流れています。痛めた足にテーピングをしながらウルグアイとのワールドカップ南米予選で2ゴールを挙げたアレクシス・サンチェスは、「筋肉は問題ない」とはいっているものの、長旅を経てトレーニングに戻るのは本日です。後ろがいないマンチェスター・ユナイテッドと、前線が不安なアーセナル。フィル・ジョーンズ、ロホ、ダルミアン、アシュリー・ヤングで踏ん張るモウリーニョ監督と、ジェンキンソン、ジャカ、ラムジー、チェンバレン、ジルー、エルネニーをうまく使いたいヴェンゲル監督は、顔ぶれを見ると前者のほうがやりくりが難しそうです。

ゲームのポイントは、「モウリーニョ監督のフォーメーション選択」「マンチェスター・ユナイテッドが先にゴールを奪えるかどうか」だと思います。中盤の底にキャリックを置き、ポグバとエレーラをインサイドMF、マルシアル、ラシュフォード、マタの4-3-3ならおもしろくなりそうですが、ポグバとエレーラの2センターで2列めにマルシアル、マタ、リンガードを配する4-2-3-1となると、サイドの2人が守備に追われて攻撃力が落ちる懸念があります。大事な一戦となると守備を重視する傾向があり、慣れている4-2-3-1を選ぶことが多いモウリーニョ監督は、どちらの形を選ぶでしょうか。守りを固めたにも関わらず先制点を奪われるのが、ホームチームにとって最悪の展開です。

今季のアーセナルはが先制されたのは、プレミアリーグ4節のサウサンプトン戦と、チャンピオンズリーグのパリ・サンジェルマン戦、ルドゴレツ戦の3試合ですが、彼らはそのすべてで追いついており、リヴァプールとの開幕戦にはいなかったムスタフィは新しいチームで負けを知りません。マンチェスター・ユナイテッドのキーマンが2月のオールド・トラフォードで2ゴールを挙げているラシュフォードだとすれば、アーセナルはメスト・エジルだと思います。ゴール前のスペースを埋め、エジルに高速パスも飛び出しも許さなければ、ミドルズブラやバーンリーのように終盤まで無失点で運べる可能性が高まりますが、急造DFラインが変幻自在のアレクシス・サンチェスのポジショニングに混乱させられれば、エジルやサイドアタッカーに裏に入られてしまうでしょう。いろいろ想像したのですが、今回ばかりは勝てる気がしません。先制しても、ゴール前にマイクロバスしか停められないようなメンバー構成では、あっけなくひっくり返されてしまいそうです。終盤まで0-0でいければ、セットプレーという武器があるマンチェスター・ユナイテッドにもチャンスが生まれそうなのですが…。

「スカイスポーツ」は、ヴェンゲル監督とモウリーニョ監督の対決の歴史を振り返るだけに留めていますが、アーセナルはプレミアリーグにおける悪しき歴史をリセットすることができるでしょうか。ライバルが不振で大量の負傷者を出している千載一遇のチャンスを活かせれば、もうひとつの歴史である「魔の11月」を払拭し、プレミアリーグ優勝に向けて視界が開けそうです。キックオフまで36時間。どんな結果になるにせよ、フェアでエキサイティングな試合を期待しています。

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“負傷者だらけの因縁の対決…モウリーニョVSヴェンゲル、歴史は変わる?繰り返す?” への3件のフィードバック

  1. 京都グーナー より:

    この時期の負傷者続出は両チームの風物詩といったところでしょうか。
    しかしユナイテッドのほうがキープレイヤーが離脱していように思います。
    makotoさんのおっしゃる通り、モウリーニョ監督は守備的な戦い方で先制点を奪われグダグダな展開になってしまいそうですが・・・
    そろそろユナイテッドにもリーグ戦で巻き返してほしいところだけに正念場でしょう。

    —–
    エジルは今回の代表に選ばれず休養を与えられています。
    コンディションの良いエジルの活躍で是非勝利してもらいたいですね。

  2. だしまる より:

    おもしろいものですね。makotoさんが勝てる気がしないのならば、グーナーの私としても勝てる気がしません。2月の対戦では、今日勝つために、今までの負けがあったとまで意気込みながらラッシュフォードの前に沈みました。

    ジルー・サンチェス・ウォルコットが万全でない今、互いに負けを嫌っての引き分けなら御の字。勝てれば勢いに乗るはず。エジル・イオビ・チェンバレン頼みます。

  3. makoto より:

    yutoさん>
    負傷者が多くて不利なのは間違いないので、開き直りに期待したいのですが…。キャリックとラシュフォードに期待しております。

    京都グーナーさん>
    昨季のエミレーツでやられましたからね…。怖いです。

    だしまるさん>
    中盤に、コンディションがよさそうな選手が揃っているのが脅威です。ポグバ、ラシュフォード、マルシアルの一発に期待するしかありません。

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