偏愛的プレミアリーグ見聞録

「 トッテナムがドミニク・ソランケ獲得に動いていることが明らかになった。ソランケはスパーズにグリーンライトを出しており、合意に向けて交渉が進んでいる」。スパーズの新たなアプローチを伝えたファブリツィオ・ロマーノさんは、「ボーンマスのキープレーヤーであり、契約に辿り着くのは難しい」と添えています。

ルーカス・ベリヴァル、ジョージ・フィーニー、アーチー・グレイ、ヤン・ミンヒョク。ローン移籍を延長したティモ・ヴェルナー以外は、ティーンエイジャーしか獲っていないクラブは、最前線を強化できるでしょうか。昨季プレミアリーグで38試合19ゴール3アシストのソランケには6500万ポンドのバイアウト条項があり、満額を支払えばすんなり手に入れることができます。

ペリシッチ、セセニョン、エンドンベレ、タンガンガが契約満了となり、エリック・ダイアーとパロットを売却したスパーズは、ホイビュルク、ブライアン・ヒル、アレホ・ヴェリスをローンで送り出し、スリム化が進んでいます。昨季プレミアリーグで28試合11ゴール4アシストと復活したリシャルリソンも、サウジからオファーがあれば応じると伝えられています。

4月にハムストリングを痛め、コパ・アメリカを欠場したレフティは、開幕に間に合わないようです。それでもアル・イテハドとアル・カーディシーヤが高額の移籍金とサラリーを用意しているといわれており、具体的が話があれば、9番は前向きに検討するようです。彼の不安定なパフォーマンスと負傷の多さを懸念しているスパーズは、売却一択と見られています。

前線の層が薄いポステコグルーのチームにとって、戦術にフィットする新戦力の獲得は必須のタスクでしょう。現在、ターゲットといわれているのは、ペドロ・ネト、エベレチ・エゼ、ジェイコブ・ラムジー、ジョナサン・デイヴィッド、ドミニク・ソランケといった面々です。サウジからビッグマネーが入れば、トランスファーマーケットを賑わす存在になるはずです。

「セルティックには、キョーゴがいた。彼は完全な9番だった。日本では、常にストライカーを起用してきた。状況次第だけど、昨シーズンは少しクリエイティブにならなければならなかった。フェアにいおう。もしハリー（・ケイン）が残っていたら、間違いなく彼を起用していただろう。最も重要なのは、獲得するストライカーのタイプだ」

「われわれのプレースタイルは決まっている。技術的な面だけでなく、フィジカル的な面でも特定のことを要求する。それに合うストライカーを獲得しなければならない。現時点ではピッチ上で最も人員が不足しているエリアなので、当然、そこにフォーカスすべきだ。アプローチがどうあれ、自分が何を望んでいるのかは常に明確だと思っている」

「これまでのキャリアの大半は、補強で成功してきた。昨年のウインドウは素晴らしかった。セルティックにいた時も、横浜でも、今もリーグを支配する選手を連れてきている。うまくやれば、失敗は最小限に抑えられる。今、ヨハン（・ランゲSD）と彼のチームは、そういった情報を持っており、助けられている。成功するモデルは、何を求めているか明確な考えがあるものだ」

アンジェ・ポステコグルー監督も、最優先はストライカーと明言しています。チェルシーとリヴァプールで苦しんだ後、ボーンマスで開花したゴールゲッターは、ヨーロッパリーグに出場するクラブでのチャレンジは断らないでしょう。マーケットが閉まるまで3週間。スパーズのラッシュが始まりそうな雰囲気が漂っています。（ドミニク・ソランケ　写真著作者/AFC Bournemouth）