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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

ジェズス好調で現地記者がレポート「アーセナルは、新たな9番なしでも優勝できるのか?」

エドゥ・ガスパールは、パーフェクトを志向しているのでしょうか。リカルド・カラフィオーリの獲得交渉に多大な時間を費やし、自らの希望条件に近づけたSDは、ミケル・メリノもトップランナーといわれてから2週間以上が経っています。今日もどこかのメディアが、「個人条件は合意済み」「2500万ポンドで口頭オファー」「支払いの詳細を詰めている」と繰り返しているはずです。

ファブリツィオ・ロマーノさんは、本人はアーセナルと決めており、バルセロナやアトレティコ・マドリードの誘いを断ったといっています。レアル・ソシエダのプレシーズンマッチに彼の姿がないのは、新シーズンのスカッドから外れるとわかっているからでしょう。とはいえ、プレミアリーグ開幕まで1週間。グーナーのみなさんは、やきもきしているのではないでしょうか。

補強だけでなく売却のほうも、粘り強い交渉が続いているようです。エディ・エンケティアを引き入れたいマルセイユは、7月に1720万ポンドのオファーを拒否され、ターゲットを変えようとしていました。しかし現在も、ノースロンドンとのラインはつながっており、2600万ポンドの買取義務付きのローン移籍が検討されているようです。

「アスレティック」のデヴィッド・オーンスタイン記者は、「エンケティアは既に5年契約で合意している。話を進めるかどうかを決めるのはマルセイユ」と伝えています。生え抜きのストライカーの売却が確定すれば、いよいよ新たなゴールゲッターを引き入れるバトルが始まるはずですが…。プレシーズンマッチでは、9番を担える3人が絶好調です。

昨季プレミアリーグで27試合4ゴールと苦しんだガブリエウ・ジェズスは、マンチェスター・ユナイテッド戦とレヴァークーゼン戦でゴールを決めており、左のインサイドに戻ったカイ・ハヴェルツは2ゴール2アシスト。アーセナルの初年度は、フィットするまで時間がかかりましたが、後半戦から増えたトップ起用で13試合8ゴール6アシストと結果を出しています。

3トップのどこでも機能するレアンドロ・トロサールも、レヴァークーゼン戦のショートカウンターで冷静にゴールをゲット。「アスレティック」のエイミー・ローレンス記者が「Can Arsenal win the Premier League title without a powerhouse No 9?(アーセナルは強力な9番なしでも、プレミアリーグのタイトルを獲れるのか?」と題した記事を書いた動機は、よくわかります。

確かにこのチームは、ハーランドやオリー・ワトキンス、イサクのようにゴールを量産できるストライカーを欠いていました。ただし、昨シーズンのパフォーマンスについて見方を変えれば、こうもいえます。「前線に不振の選手を多く抱えていたのに、最後まで優勝を争った」。数字を残せなかったのは、ワールドカップカタール大会で重傷を負った9番だけではありません。

2022-23シーズンのプレミアリーグで36試合15ゴールだったマルティネッリは、35試合6ゴール。彼とジェズスが本領を発揮するだけで、10発は上乗せできそうです。エンケティアを手離したとしても、最前線を任せられるタレントが4人いるチームは、新たな点取り屋に8000万ポンドも投じなくてもいいのかもしれません。

「ジェズスが健在なら」という条件を付ければ、最大の補強ポイントはブカヨ・サカのバックアッパーでしょう。リース・ネルソンは売却候補で、ファビオ・ヴィエイラは昨季のリーグ戦を11試合1ゴール2アシストという冴えないスタッツで終えています。縦に突破するのが得意なドリブラーより、ウーデゴーアやベン・ホワイトと連携してゴールに向かえるタイプがよさそうです。

現在のプレミアリーグから、お値段を気にせずチョイスするなら、モハメド・クドゥス、レオン・ベイリー、ノニ・マドゥエケといったあたりでしょうか。チェルシーが獲得したペドロ・ネトも、うまくいきそうな選択肢だったのですが、移籍金5400万ポンドはミケル・アルテタがいう「ゲームチェンジャー」には払えない額です。

ブライトンがニューカッスルから3300万ポンドで獲得した19歳のFWヤンクバ・ミンテを押さえていれば…と思いつつ、シェシュコ、イサクらに目を向けていたクラブに「右のウイングを先に獲れ」は酷な話と心得ています。私も「ギョケレス、いいじゃないですか!」と盛り上がっていたひとりで、ジェズスのゴール連発を見るまでは、ストライカーは必須と考えていました。

しかし今は、「状況が変わった。次なるターゲットは右のウインガー」と宣言できるのではないでしょうか。2019-20シーズンの公式戦で23発ゲットのジェズス、2023-24シーズンの最前線での数字を38試合で換算すると21.7ゴールになるカイ・ハヴェルツ、昨季プレミアリーグの先発18試合で12ゴールのトロサールが揃って元気なら、ストライカーは足りているといえるでしょう。

「アーセナルは強力な9番なしでも、プレミアリーグのタイトルを獲れるのか?」と問いかけた記者はストライカーが必要といっていますが、「強力な9番は既にいるので、ウインガーがほしいですね」と返してみました。それとて、ファビオ・ヴィエイラが真価を発揮してくれれば解決しそうです。問いに対する適切な返事は、「はい。今のままでもリーグ制覇は充分めざせます」なのでしょう。

とはいえ、デクラン・ライスやカイ・ハヴェルツの負担を減らすためにも、ミケル・メリノは必要なパーツです。ここが決まらなければ、次のアクションは始まらないようです。エドゥSDのチームが支払いの構造にこだわっているのだとすれば、ストライカーに対する投資の余地を最大限にしたいのだと思われますが、果たして…!


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