2024.09.08 移籍ニュース2024-25移籍ニュース
唯一の選択肢はガラタサライ。オシムヘンはなぜ、プレミアリーグに行けなかったのか?
ナポリのアウレリオ・デ・ラウレンティス会長が、「ヴィクター・オシムヘンはプレミアリーグのクラブに移籍する可能性がある」とコメントしたのは1月。「オシムヘン自身がプレミアリーグに行けると確信している」と報じられたのは6月でした。夏が終わり、ようやく発表された移籍先はガラタサライ。UEFAランキング10位のリーグは、彼が望んだ戦いの場ではないはずです。
昨シーズンのシュペル・リーグを制したガラタサライは、チャンピオンズリーグのプレーオフでスイスのヤングボーイズに敗れてしまい、ヨーロッパリーグにまわっています。ナポリとの契約はシーズンローンで、レンタルフィーはゼロ。ただし、9月から5月までのサラリーとして、510万ポンド(約9億5000万円)を支払うことになっています。
チームメイトは、マウロ・イカルディ、メルテンス、ツィエク、バチュアイ、ダヴィンソン・サンチェス。プレミアリーグやセリエA、リーグアンから流れてきた選手が多く、欧州の頂点に立とうとしているクラブではありません。ナポリとの信頼関係を失ってしまったストライカーには、9月中旬までトランスファーマーケットが開いているリーグしか選択肢がなかったのです。
彼はなぜ、プレミアリーグに行けなかったのでしょうか。今となっては「決断が1年遅かった」というしかありません。2022-23シーズンのセリエAで32試合26ゴール。ナポリをスクデットに導いたオシムヘンは、アフリカ人として初の得点王とアフリカ最優秀選手という栄誉に輝きました。このタイミングなら、クラブも選手もビッグマネーを手に入れていたはずです。
デクラン・ライスやモイセス・カイセドが1億ポンド超えの移籍金で動いた2023年の夏、プレミアリーグのクラブが費やした総額は23億6000万ポンド(約4343億円)。前年の19億2000万ポンドを大きく上回るレコードで、残留を決めたオシムヘンもいずれ高額で迎えられると思われていました。このとき、契約は残り2年。次の夏のマーケットはステップアップのチャンスでした。
あくまでも結果論ですが、2023年12月の契約延長は、プレミアリーグ行きを阻む最大の悪手となってしまいました。当時のオシムヘンは、新たに設定された1億1300万ポンドのバイアウト条項を、クラブと揉めずに退団できるとポジティブに捉えていたのかもしれません。ところが、翌月にオープンしたトランスファーマーケットで、プレミアリーグの状況は激変します。
チェルシー、リヴァプール、アーセナル、マンチェスター・ユナイテッドは全く動かず、20クラブの移籍金総額1億200万ポンドは、対前年14%という大幅ダウン。PSR違反が厳罰とされたことで、ビッグ6は軒並み緊縮財政にシフトしました。その後、エヴァートンとノッティンガム・フォレストの勝ち点剥奪が発表され、補強に関するクラブの考え方は完全に変わりました。
「次のステップは見えている」と彼が期待した夏。マンチェスター・ユナイテッドとアーセナルは、現在の相場ではありえないタグを確認してあっさり見送りました。パリとの交渉も難航し、結局フリーズ。高額の移籍金を要求したクラブと、高額のサラリーを望んだストライカーを両方呑み込む気前のいいクラブはありませんでした。
「アスレティック」のジェームズ・ホーンキャッスル記者とエドゥアルド・タンズリー記者によると、最後まで粘ったチェルシーは、オシムヘンのサラリーについて7通りの条件を提示したそうです。しかし本人がイエスといわなかったため、デッドラインデーにジ・エンド。残されたチャンスは、9月2日までマーケットがオープンしているサウジと、2週間の猶予があるトルコです。
ナポリとオシムヘンの関係に亀裂が入ったのは、アル・アハリへの移籍が破談になったからといわれています。イタリアの「スカイスポーツ」によると、オシムヘンは年俸4000万ユーロ(!)の4年契約で合意。しかしナポリが移籍金8000万ユーロに500万ユーロを上乗せしようとしたため、アル・アハリはイヴァン・トニーを選んだそうです。
彼の代理人がクラブに抗議したことで、残留の道も閉ざされました。ガラタサライへのローン移籍が決まると同時に、オシムヘンのバイアウト条項は6300万ポンドに減額されたと伝えられています。2023-24シーズンのセリエAで25試合15ゴールと数字を落としたストライカーに、1億ポンドは高すぎるとジャッジしたクラブも、6000万なら検討するのではないでしょうか。
いや、選手との関係が悪化したナポリは、足元を見られてしまうかもしれません。トルコでオシムヘンが振るわなければ、チェルシーはサラリーを抑え込み、アーセナルやマン・ユナイテッドは本人と蜜月状態に持ち込んで「バイアウトより下げろ」と要求してきそうです。キャリアの踊り場に立ったストライカーは、モチベーションを下げすに結果を出さなければなりません。
昨シーズンのシュペル・リーグを制したガラタサライは、チャンピオンズリーグのプレーオフでスイスのヤングボーイズに敗れてしまい、ヨーロッパリーグにまわっています。ナポリとの契約はシーズンローンで、レンタルフィーはゼロ。ただし、9月から5月までのサラリーとして、510万ポンド(約9億5000万円)を支払うことになっています。
チームメイトは、マウロ・イカルディ、メルテンス、ツィエク、バチュアイ、ダヴィンソン・サンチェス。プレミアリーグやセリエA、リーグアンから流れてきた選手が多く、欧州の頂点に立とうとしているクラブではありません。ナポリとの信頼関係を失ってしまったストライカーには、9月中旬までトランスファーマーケットが開いているリーグしか選択肢がなかったのです。
彼はなぜ、プレミアリーグに行けなかったのでしょうか。今となっては「決断が1年遅かった」というしかありません。2022-23シーズンのセリエAで32試合26ゴール。ナポリをスクデットに導いたオシムヘンは、アフリカ人として初の得点王とアフリカ最優秀選手という栄誉に輝きました。このタイミングなら、クラブも選手もビッグマネーを手に入れていたはずです。
デクラン・ライスやモイセス・カイセドが1億ポンド超えの移籍金で動いた2023年の夏、プレミアリーグのクラブが費やした総額は23億6000万ポンド(約4343億円)。前年の19億2000万ポンドを大きく上回るレコードで、残留を決めたオシムヘンもいずれ高額で迎えられると思われていました。このとき、契約は残り2年。次の夏のマーケットはステップアップのチャンスでした。
あくまでも結果論ですが、2023年12月の契約延長は、プレミアリーグ行きを阻む最大の悪手となってしまいました。当時のオシムヘンは、新たに設定された1億1300万ポンドのバイアウト条項を、クラブと揉めずに退団できるとポジティブに捉えていたのかもしれません。ところが、翌月にオープンしたトランスファーマーケットで、プレミアリーグの状況は激変します。
チェルシー、リヴァプール、アーセナル、マンチェスター・ユナイテッドは全く動かず、20クラブの移籍金総額1億200万ポンドは、対前年14%という大幅ダウン。PSR違反が厳罰とされたことで、ビッグ6は軒並み緊縮財政にシフトしました。その後、エヴァートンとノッティンガム・フォレストの勝ち点剥奪が発表され、補強に関するクラブの考え方は完全に変わりました。
「次のステップは見えている」と彼が期待した夏。マンチェスター・ユナイテッドとアーセナルは、現在の相場ではありえないタグを確認してあっさり見送りました。パリとの交渉も難航し、結局フリーズ。高額の移籍金を要求したクラブと、高額のサラリーを望んだストライカーを両方呑み込む気前のいいクラブはありませんでした。
「アスレティック」のジェームズ・ホーンキャッスル記者とエドゥアルド・タンズリー記者によると、最後まで粘ったチェルシーは、オシムヘンのサラリーについて7通りの条件を提示したそうです。しかし本人がイエスといわなかったため、デッドラインデーにジ・エンド。残されたチャンスは、9月2日までマーケットがオープンしているサウジと、2週間の猶予があるトルコです。
ナポリとオシムヘンの関係に亀裂が入ったのは、アル・アハリへの移籍が破談になったからといわれています。イタリアの「スカイスポーツ」によると、オシムヘンは年俸4000万ユーロ(!)の4年契約で合意。しかしナポリが移籍金8000万ユーロに500万ユーロを上乗せしようとしたため、アル・アハリはイヴァン・トニーを選んだそうです。
彼の代理人がクラブに抗議したことで、残留の道も閉ざされました。ガラタサライへのローン移籍が決まると同時に、オシムヘンのバイアウト条項は6300万ポンドに減額されたと伝えられています。2023-24シーズンのセリエAで25試合15ゴールと数字を落としたストライカーに、1億ポンドは高すぎるとジャッジしたクラブも、6000万なら検討するのではないでしょうか。
いや、選手との関係が悪化したナポリは、足元を見られてしまうかもしれません。トルコでオシムヘンが振るわなければ、チェルシーはサラリーを抑え込み、アーセナルやマン・ユナイテッドは本人と蜜月状態に持ち込んで「バイアウトより下げろ」と要求してきそうです。キャリアの踊り場に立ったストライカーは、モチベーションを下げすに結果を出さなければなりません。
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