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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Liverpool×Nottingham Forest】Bプランなきリヴァプール、布陣変更を咎められた痛恨の敗戦!

開幕から3試合を終えて、ノッティンガム・フォレストのシュート53本はリーグ1位、48本のリヴァプールは2位。しかしゴールはレッズの7発に対して、フォレストは3つしか決めていません。アンフィールドのプレミアリーグ4節は、攻撃的なチーム同士の殴り合いになるかと思いきや、前半のアウェイチームのシュートはゼロでした。

スロット監督の11人は、前節のマン・ユナイテッド戦と同じ顔ぶれです。GKアリソン、DFアーノルド、コナテ、ファン・ダイク、ロバートソン。中盤センターにフラーフェンベルフとマック・アリスター、2列めにサラー、ショボスライ、ルイス・ディアス、最前線にジョッタ。立ち上がりから主導権を握ったレッズは、ファン・ダイクの的確な高速パスが目立っています。

前線で奪われても、ショボスライ、ジョッタ、フラーフェンベルフらの寄せが速く、フォレストにカウンターのチャンスはありません。劣勢のアウェイチームは、レッズのサイドアタックを警戒して枚数を揃えており、フラーフェンベルフやアーノルドのアグレッシブなフィードはサラーに通らず。両チームを通じて初のシュートは、17分という遅い時間でした。

左に出ていたフラーフェンベルフの縦パスは、ルイス・ディアスとの意思の疎通がなく、イェーツが拾って終わりになるはずでした。7番が突如スプリントしたのは、イェーツのスローな動きを見ていけると判断したからでしょう。ゴールライン上で奪取した7番は左からGKに迫り、右足でシュート。先制かと思わず腰が浮いた一撃は、ニアポストに阻まれました。

19分に右から仕掛けたサラーは、左足アウトで絶妙なクロスを入れますが、ショボスライのヘッドはうまく当たらず、左にアウト。25分にルイス・ディアスが左サイドでキープし、脇にいたマック・アリスターに預けると、ダイレクトのクロスはゴール右のジョッタにぴったりでした。しかし右足のボレーは、GKセルスの正面。左右どちらかにずれていれば、決まっていたでしょう。

アーノルドが直接狙った36分のCKは、ニアをケアしていたセルスがパンチ。1分後、CKを蹴った後に左に残っていたアーノルドがクロスを入れると、マック・アリスターのきれいなヘッダーはセルスが左に弾き出しました。レッズの機能的な守備を堪能した48分。シュート数は6対0で、後半の興味はホームチームが先制する時間でした。

開始早々のカウンターのピンチも、奪われたアーノルドがエリオット・アンダーソンをサイドに追いやり、当たり前のように回収しています。52分にアーノルドのパスをボックス右脇で受けたサラーは、ツータッチでアレックス・モレノを振り切りますが、ニアに打った右足のシュートはセルスにセーブされました。

ニコラス・ドミンゲスに代わって、ハドソン=オドイが入ったのは54分。直後、ギブス=ホワイトが仕掛けたカウンターから、クリス・ウッドがフリーでシュートを放ちますが、決まっていてもオフサイドで取り消しでしょう。スロット監督は61分にジョッタ、マック・アリスター、ルイス・ディアスを下げ、ダルウィン・ヌニェス、ブラッドリー、ガクポを投入しています。

ヌーノ・エスピーリト・サント監督は、同じタイミングでエリオット・アンダーソンをエランガ。アーノルドがインサイドMFの4-3-3は、中盤の守備のバランスを危うくするかもしれません。ハドソン=オドイが左サイドを突破したのは68分。クリス・ウッド、ギブス=ホワイト、エランガと右につながったカウンターは、センターが薄くなると危険と告げるアラームでした。

70分のアーノルドのCKをファン・ダイクがニアで競ると、右に流れたボールはゴール前でオラ・アイナがクリア。72分に自陣でエランガがドリブルを始めたときは、何でもないシーンに見えました。サイドチェンジを左で受けたのはハドソン=オドイ。中に持ってブラッドリーをかわし、コナテの外を巻いて枠に収めたコントロールショットに、アリソンは反応できませんでした

0-1となって、アンフィールドのテンションが高まっています。エリオットを使えないスロット監督は、75分にロバートソンとコナテを下げ、ツィミカスとカーティス・ジョーンズ。5月に就任したばかりの監督は、Bプランまで用意できていなかったようです。30分プレイしたダルウィン・ヌニェスとガクポは両者ともシュートゼロで、2人合わせてもパス成功は11本のみです。

85分のゴールキックから、一気にボックス右に抜け出したエランガの強烈な一撃は、アリソンがセーブ。0-1とされてから、レッズのオンターゲットはサラーの1発のみでした。ノッティンガム・フォレスト、聖地アンフィールドで極上のアップセット。指揮官が後半に切った2枚のカードが、狙い通りのカウンターを生み出しました。

4-2-3-1、あるいは4-2-4ならサイドを複数でカバーできます。しかし68分からの2つのカウンターは、いずれもアンカーのフラーフェンベルフが上がっており、サイドは1対1で中央は薄くなっていました。新生レッズの4-3-3は、奪われた後の対応が曖昧だったということでしょうか。ハドソン=オドイの一撃は、スーパーショットではあったのですが…。

ミラン、ボーンマス、ウェストハム、ウルヴスと、11日で4試合をこなさなければならないリヴァプールは、サブの選手を活かさなければなりません。優秀なバランサー、マック・アリスターを欠いても戦える布陣を築けるのか。中盤の選手層の薄さとオプション不足という課題が露わになった痛恨の敗戦。スケジュールはタイトで、戦術の熟成に費やせる時間はさほどありません。(カラム・ハドソン=オドイ 写真著作者/Vyacheslav Evdokimov)


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