イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

プレミアリーグは4連勝、しかし攻撃はエース依存…マンチェスター・シティは実は不振?

「It’s the new version of Pep, yeah.(ペップの新しいバージョンだね)。5人の交代枠があるのに使わなかったと批判されてきたけど、今回はハーフタイムにサブの選手を活用した。アーセナル戦でも、同じことをするつもりだ」

インテル戦のスコアレスドローは、マン・シティに来てからのチャンピオンズリーグのホームゲーム42試合で2度めの珍事。この結果に納得できなかったはずのペップ・グアルディオラは、2試合連続のハーフタイムの2枚代えについて問われると、ジョークで応じました。すぐにギアを切り替えた指揮官の丁寧な説明を聞くと、「デブライネが負傷する前から考えていた」そうです。

5-3-2で戦う相手は、サイドにボールが出ると多人数で囲い込んでくるため、狭いスペースでスピーディーにプレイできる選手が必要だったとのこと。サヴィーニョとデブライネに代えて投入したギュンドアンとフォーデンについて、「狭いスペース、ポケットに最適」と評した指揮官は、狙い通りに動かないチームに頭を悩ませているのかもしれません。

プレミアリーグとCLで4勝1分は、スロースタートのシーズンが多い彼らにしては順調な戦績ですが、実はマン・シティは不調なのではないかとにらんでいます。いや、もう少し正確にいうと、「無双状態のストライカーによって、何とかなっているチーム」。ハーランドという華やかなメッキを剥がすと、そこには調子が上がらない10人がうずくまっているのではないでしょうか。

プレミアリーグの11ゴールのうち、9つは絶対的エースが決めたマンガみたいなゴールです。「速すぎ!」と思わず叫んでしまうワンステップの左足ズドンが2発。デブライネとエデルソンのフィードからの2ゴールは、あっさりCBをちぎってGKが届かないコースに浮かしました。ブレントフォード戦の先制は、デブライネのパスのこぼれ球に素早く反応して右足で決めています。

チェルシー戦の1発は、ジェレミー・ドクが中央に入れたパスがずれていたのですが、ベルナルド・シウヴァが足を伸ばしてつま先で触れたことで、ハーランドに届きました。ククレジャとコルウィルの間を強引に抜けてチップキックという一連のプレイは、彼にしかできないというと大げさでしょうか。

ルーカス・パケタのトラップミスをベルナルド・シウヴァがさらったショートカウンターと、マテウス・ヌネスの縦のフィードで独走したゴールは、動き出しの早さと爆発的な加速がもたらしたフィニッシュ。残るひとつはPKです。エースのゴールシーンを長々と並べたのは、「半分は個の力によるゴールで、半分はカウンター」という事実を確認しておきたかったからです。

ハーランド以外の2ゴールは、「サヴィーニョがGKに絡んでこぼれたボールを無人のゴールに流し込んだデブライネ」「コルウィルがニアのコースを空けてしまったため、ロベルト・サンチェスが弾き切れなかったコヴァチッチのミドル」です。つまり今季のマン・シティは、パスワークによって相手の守備を崩して決めたゴールがないということになります。

守備も堅いとはいえず、昨季プレミアリーグで16位のクラブと昇格クラブに先制を許しています。ここまでの話は決して、マン・シティは弱いといいたいのではありません。むしろ逆で、ロドリとフォーデンが出遅れたのに勝ち続けたチームは、主力が本領を発揮したらエライことになるとアラームを鳴らしたかったのです。

問題は、上昇曲線の角度です。アーセナル戦は、「不振の攻撃陣が堅守に封じられた」という結果で終わるのか、「ロドリとフォーデンが、いよいよ本領発揮」となるのか。ミッドウィークのチャンピオンズリーグは、両者ともノーゴールのドロー。昨季はアーセナルが1-1、1-0、0-0で、これまでの戦績と直近の数字をふまえると0-0、1-0、0-1、1-1のどれかですが…?


おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!


コメントを残す