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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Arsenal×Leicester】決め手はセットピース!苦しんだアーセナル、追加タイムの2発で劇的勝利!

キャプテンをはじめ主力を欠きながら、ノースロンドンダービーとマンチェスター・シティ戦は1勝1分。やっかいな相手が続いた序盤戦を無敗で駆け抜けたアーセナルは、プレミアリーグに昇格したばかりのレスターにホームで負けるわけにはいきません。アルテタ監督の11人は、エティハドと同じメンバー。スターリングとガブリエウ・ジェズスはベンチスタートです。

GKラヤ、DFティンバー、サリバ、ガブリエウ、カラフィオーリ、MFトーマス、トロサール、デクラン・ライス、FWサカ、カイ・ハヴェルツ、マルティネッリ。立ち上がりからポゼッションを取るアーセナルに対して、レスターは4-4-2でプレスをかけています。ヴァーディーがトーマスから奪ったのは5分。ドリブルで上がったストライカーは、逆サイドにラストパスを通しました。

ジェームズ・ジャスティンのシュートは、カラフィオーリがブロック。夏に加わった左SBはセンターに入らず、マルティネッリと近い位置でプレイしています。サカとマルティネッリがドリブルで縦に仕掛けるシーンが多く、2年前のガナーズを見ているようです。10分過ぎからの波状攻撃は、カイ・ハヴェルツやティンバーのクロスが味方に通りません。

15分に中央にカットインしたサカのミドルは、GKハーマンセンが右に反応してキャッチ。1分後、サカのサイドチェンジでボックス左に入ったマルティネッリは、GKの肩越しを狙った左足のシュートが浮いてしまいました。20分、サカの縦パスで上がったティンバーが速いグラウンダーを入れると、中央にいたマルティネッリがダイレクトで左隅に決めました。

25分にビルドアップのミスを突いたのは、トロサール。ボックス手前で拾ったデクラン・ライスが左のマルティネッリに渡すと、ニアに打った左足の強烈なシュートはハーマンセンに止められました。リードしてからも攻め続けているホームチームは、カラフィオーリが状況を見ながらセンターとサイドを行き来しています。

カイ・ハヴェルツ、トロサール、マルティネッリと左につながった33分のアタックは、ウインガーのクロスがカットされてCK。37分には、右サイドにまわったトロサールがサカの縦パスで抜け出し、ファーにクロスを上げますが、右隅に落としたカイ・ハヴェルツのヘッドは惜しくもポストの外を抜けていきました。

追加タイム1分、カットされたボールを奪い返したガナーズは、デクラン・ライスが左のマルティネッリに預け、きれいなグラウンダーがセンターのトロサールに届きました。右足インサイドで右のサイドネットに収めた19番は、今日も無表情です。前半は2-0、シュート数13対1、オンターゲット5対0。ベン・メイブリ―さんの「これぞアーセナル」という言葉にうなずかされます。

後半立ち上がりの47分、左からのFKを中央に入れたのはブオナノッテ。ジャスティンのヘッドが競り合ったカイ・ハヴェルツの肩に当たり、ラヤは逆を取られてしまいました。最初の5分で3枚のイエローカード。53分のCKは、ガブリエウのヘッドをハーマンセンがビッグセーブでしのぐと、混戦からのこぼれ球に反応したティンバーは打ち上げてしまいました。

2-1となってからも攻勢のガナーズ。ティンバーやカイ・ハヴェルツとの連携で右サイドを制圧しているサカは、56分にボックス右からニアに外した後、58分の一撃はオコリにブロックされました。中央に転がったボールをトロサールが右足で引っかけると、右のポストにヒット。61分に左からドリブルで勝負したブオナノッテは、左足のシュートをニアに外しました。

1分後、マヴィディディのグラウンダーがブオナノッテの足元に入ると、左足のボレーはラヤがキャッチ。レスターが追いついたのは、63分でした。左サイドに出たエンディディが逆サイドにハイクロス。右足でジャストミートしたジャスティンのボレーは左のサイドネットに一直線で、さすがのラヤも触れませんでした。

68分、ボックス右脇のティンバーが脇にいたサカに託し、左足のシュートがDFに当たって左に流れると、右足でトラップして振り向きざまに叩いたカイ・ハヴェルツのボレーは、ハーマンセンが素晴らしい反応でストップしました。まさかの2-2で、残り20分。アーセナルの波状攻撃に対して、レスターはゴール前に人数を揃えています。

73分のデクラン・ライスのミドルは、GKの正面。74分にミスキックをデクラン・ライスに奪われたハーマンセンは、フリーだったトロサールのシュートを右に飛んで弾き出し、責任を取りました。この直後、マルティネッリに代わってスターリング。アーセナルは、マン・シティ戦とは逆の立場でサイドを崩せず、苦しんでいます

85分にトーマスが下がり、イーサン・ヌワネリ。入ってすぐに放った17歳の左足ミドルは、GKが右にダイブして外に押し出しました。88分のCKで競り勝ったカラフィオーリのヘッドも、好調のGKがバーの上にプッシュ。追加タイムは7分です。95分の右からのCKをサカがファーに上げると、トロサールの左足ボレーがエンディディの足に当たってゴールに飛び込みました。

前半のゴールシーンで顔色を変えなかった19番は、さすがにここでは両手を広げてグーナーの歓声に応えています。殊勲のアタッカ―に代わってピッチに入ったジェズスは、99分にカウンターを仕掛けました。4対2の絶好のチャンス。9番のボックス右からのシュートをGKが弾くと、スターリングと競ったジャスティンのクリアがカイ・ハヴェルツに当たってゴールに転がりました。

最後に2発決めたアーセナルが4-2で勝ち、14ポイントでマン・シティと並びました。シュート数36対5、オンターゲット16対3、CKは何と17対0!終盤はゴール前にバスを停められ、クロスとミドルシュートをはね返される時間が続きましたが、得意のセットピースでオウンゴールを誘い、最後はカウンターで締めました。

ハーマンセンの神がかりなビッグセーブ連発がなければ、もっと早く勝負を決まっていたはずです。サカ、マルティネッリ、カイ・ハヴェルツの3人でシュート19本、サカとティンバーのチャンスクリエイトは15本、デクラン・ライスだけでクロス16本(ただし成功はゼロ)。普通なら圧勝のスタッツです。高い集中力で最後まで粘ったレスターのGKとDFをほめるべきでしょう。

ジャスティンの同点ゴールは、後半の立ち上がりに出た2枚のイエローカードで、最終ラインがナーバスになったのが遠因ではないでしょうか。さほど不利な体勢ではなく、足が引っかかっただけでカードを受けたサリバとカラフィオーリは、対峙する相手と距離を取って守っていました。60分から数分の守備は、反省の材料として今後に活かせればいいでしょう。

エミレーツを歓喜させたヒーローはトロサールでも、私のMVPはブカヨ・サカです。シュート7本、チャンスクリエイト8本、ドリブル成功8回、クロス成功6本、決勝ゴールにつながるCK。自らの仕掛けだけでなく、周囲を動かすパスワークも素晴らしかったと思います。次節はサウサンプトン。惜しいミドルを放ったヌワネリのプレミアリーグ初ゴールを、秘かに期待しています。(レアンドロ・トロサール 写真著作者/Supporterhéninois)


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