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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Arsenal×Saints】圧巻ブカヨ・サカ!最後まで攻め続けたアーセナルが今季初の逆転勝利!

プレミアリーグはアストン・ヴィラ、ブライトン、トッテナム、マンチェスター・シティ。チャンピオンズリーグはアタランタとパリ・サンジェルマン。難敵続きの序盤戦を無敗で切り抜けたアーセナルは、トップリーグに復帰したばかりのサウサンプトン戦を快勝で終えて、インターナショナルブレイクを迎えられれば文句なしです。

とはいえ、2022-23シーズンは2戦ともドロー。得意といえる相手ではありません。アルテタ監督は、トロサールとマルティネッリをベンチに置いています。GKラヤ、DFトーマス、サリバ、ガブリエウ、カラフィオーリ、MFジョルジーニョ、デクラン・ライス、カイ・ハヴェルツ、FWサカ、ジェズス、スターリング。復帰初戦となる冨安健洋は出番を得られるでしょうか。

立ち上がりから右サイドを攻めるアーセナル。4分の右からのCKは、ファーで合わせたガブリエウとこぼれ球を叩いたジェズスの連打がブロックされています。二次攻撃からのサリバの縦パスで、ゴール前に出たスターリングは黄色いシャツに囲まれてしまいました。1分後、右から仕掛けたサカがファーにグラウンダーを通すと、ジェズスの一撃はべドナレクが足に当てました

ラムズデールのパスを、スターリングがカットしたのは7分。デクラン・ライス、ジェズス、スターリングとつながった中央突破で、ベドナレクと絡んで倒れた30番に笛は鳴りません。11分にジョルジーニョがラインの裏に通したダイレクトパスは絶妙でしたが、カイ・ハヴェルツが右足で打ったシュートはカイル・ウォーカー=ピーターズの必死のスライディングでCKです。

16分のカイル・ウォーカー=ピーターズのミドルは、ラヤが悠々とキャッチ。サカは2人がかりでチェックされるシーンが多く、左足のシュートコースは封じられています。足を痛めてしまったロス・スチュワートは27分にリタイアとなり、キャメロン・アーチャーがピッチへ。30分にサカが右から上げたFKは、ラムズデールの守備範囲に浮いてしまいました。

31分の左からの速攻は、カイ・ハヴェルツ、デクラン・ライス、ジェズス、カイ・ハヴェルツとハイテンポでつながりますが、29番の右足のフィニッシュはDFにヒット。40分にサカのクロスのクリアがジョルジーニョの足元に入ると、思い切りよく放ったミドルシュートは左ポストの外に切れていきました。

ジェズスのパスから、スターリングがカウンターを仕掛けたのは45分。左からボックスに入り、中に持って打ったコントロールショットはベドナレクの頭に当たりました。直後、サカの落としをダイレクトで叩いたトーマスの強烈なシュートは、ラムズデールが左に反応してセーブ。攻め続けたアーセナルは、ノーゴールでハーフタイムを迎えました。

前半のポゼッションは69%対31%、シュート数は14対2、オンターゲットは1対1。4-5-1のセインツは、サイドで枚数を揃えてサカとスターリングの選択肢を狭め、中央ではシュートコースを塞ぎ続けました。後半が始まってすぐの46分、右隅を狙ったジェズスのコントロールショットはポストの外です。

49分、右サイドのディブリングがカラフィオーリを抜き去り、クロスを入れると、ガブリエウに当たったボールがマテウス・フェルナンデスの足元へ。左足で何とか合わせたボレーは、クロスバーにヒットしました。55分、何と先制はセインツ。スターリングから奪ったマテウス・フェルナンデスがすかさず左に展開すると、キャメロン・アーチャーとサリバは1対1です。

サリバは珍しくチェックが甘くなり、カットインからのシュートが右のサイドネットに吸い込まれました。0-1となった3分後、敵陣でダウンズから奪ったサカが、迷わず前線のカイ・ハヴェルツにラストパス。左隅に突き刺さった同点ゴールは、今季プレミアリーグ4発めです。一気に逆転したいアルテタ監督は、60分に3枚代えを敢行しています。

ジェズス、スターリング、ジョルジーニョが下がり、トロサール、マルティネッリ、ミケル・メリノ。62分に右サイドでキープしたサカがボックス手前に転がすと、デクラン・ライスは打ち上げてしまいました。63分、今や珍しくなったカイ・ハヴェルツのミドルはうまくミートせず、右に外れていきました。

直後、ボックス左に入ったマルティネッリのパスを受けた三ケル・メリノは打てず、右のトーマスに預けると、渾身のショットはベドナレクが膝でブロック。68分にサカがファーに入れた低いクロスは、ゴール前に躍り出たマルティネッリにぴったりでした。左足のボレーがニアポスト際に決まり、2-1。ここまでよく守っていたセインツは、前に出なければならなくなりました。

78分、ドリブルで左にまわりながら打ったディブリングのロングシュートは、ディフレクションから左のポストを弾いてCK。右からのキックに反応が遅れたラヤのパンチがハーウッド=ベリスに当たった瞬間、思わず腰が浮きましたが、クロスバーに助けられました。トーマスに代わって、冨安健洋が右サイドに入ったのは84分。アーセナルは、引きすぎると却って危険です。

88分にセンターサークルで競り合い、転倒したのはカイ・ハヴェルツ。ハーウッド=ベリスに奪われて終わりかと思いきや、左足を伸ばして触ったボールがトロサールに渡りました。左サイドでマルティネッリがフリー。ドリブルで上がった19番は出すタイミングを失い、ミスタッチを菅原由勢にカットされました。

大きく左に出した菅原は、走り込んできたサカが見えなかったのでしょう。右足のダイレクトショットを決めた7番は、1ゴール2アシストです。90分、カラフィオーリに代わってキヴィオル。92分のCKのこぼれ球を押し込もうとした冨安健洋は、ポストに当てたようです。9分の追加タイムも攻めたアーセナルは、今季プレミアリーグで初の逆転勝利です。

今日はとにかくブカヨ・サカ!すべてのゴールに絡んだうえに、チャンスクリエイト7回は圧巻です。トータル7アシストとビッグチャンスクリエイト13回、チャンスクリエイト27回は、いずれも2位を引き離すリーグTOP。失点の直後に決めたショートカウンターが、勝利に向かうターニングポイントとなりました。

前線で体を張ったカイ・ハヴェルツは好調キープ。マルティネッリも、ここぞというチャンスを活かしました。一方、今季プレミアリーグ初先発のジェズスは打てるエリアでもらえず、スターリングは持ちすぎが目立ちました。両者ともリーグではノーゴールで、焦りがあるのかもしれません。出番を得やすいカラバオカップやCLで結果を出し、調子を上げてもらえればと思います。

今季のアーセナルを見ていて気になるのは、後半開始からのスローダウンです。ブライトン戦は55分にジョアン・ペドロ、レスター戦は47分と63分にジェームズ・ジャスティンに決められ、今日のキャメロン・アーチャーの先制ゴールは55分でした。前線のプレスが緩くなり、ハーフライン付近でのボールロストが増えて速攻でやられる悪癖は、早期に改善しなければなりません。

ようやく戻ってきた冨安健洋は、CKでチャンスに絡むなど、まずまずのリスタート。インターナショナルブレイクが明ければ、ベン・ホワイト、ティンバー、ジンチェンコ、ウーデゴーアが次々に復帰する見通しです。キャプテンは月末のリヴァプール戦に間に合うでしょうか。エミレーツで開催される首位攻防戦は、ベストメンバー同士のガチンコ勝負を期待しています。


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