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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

最下位ウルヴスに終了間際のゴールで辛勝…ロドリとデブライネを欠いたマン・シティが抱える課題。

スコアは1-1、追加タイムは残り30秒、右からのCKのキッカーはフィル・フォーデン。インスイングのキックから、ボールがニアに入ると、競り勝ったジョン・ストーンズのヘッドがネットを揺らしました。アシスタントレフェリーは即座にフラッグを振り上げ、ジョゼ・サの前にいたベルナルド・シウヴァのオフサイドを指摘しています。

当初はノーゴールとしたクリス・カヴァナーは、オンフィールドレビューを経てゴールと宣告。CBの頭にボールが触れる直前に20番はファーに逃げており、ジョゼ・サのプレイに関与していないと判断されたようです。メディアの多くは、「他の試合でも同じジャッジが下されるのであれば」という但し書き付きで、適切なフローで判定を覆したカヴァナーを支持しています。

アーセナル戦でグリーリッシュがショートコーナーを選択したとき、7分の追加タイムは既に8秒オーバーしていました。グラウンダーが中央に入り、フリーのコヴァチッチが左足でシュート。ラヤが左に弾いたボールを、スライディングで押し込んだのはジョン・ストーンズでした。ラッキーボーイと化したCBがいなければ、マン・シティはアーセナルの下にいたはずです。

昨季プレミアリーグでセットピースから最多ゴールだったアーセナルは、10人になったマン・シティ戦とボーンマス戦で、CKから失点を喫して4ポイントを落としています。11人なら5戦全勝、10人になると2分1敗。タイムアップ寸前のゴールで3ポイントを奪取したマン・シティとの明暗は、最終の着地を変える要素となるのでしょうか。

何とか勝ったマン・シティですが、アーセナル戦でロドリを失ってから苦戦続きです。ニューカッスルに1-1のドロー、フラム戦は3-2で、最下位のウルヴスにあわやドローの2-1。開幕からの3試合も16番は不在だったのですが、3戦7発のハーランド無双でカバーしました。しかし2度めのロドリアウトから、エースは3試合連続で不発。8月とは別人のようです。

マン・シティ入団以来、ハーランドがプレミアリーグでゴールなしの最長期間は4試合。ただしこれは、昨シーズンの骨折前後の記録です。今回は純粋な270分の沈黙で、ウルヴス戦は完全に消えていました。シュートゼロ、ボールタッチはわずか13回、パス成功6本、デュエルは6戦全敗。セントラルMFなら、10分で作れる数字です。

ペップのチームは、エースの停滞以外にも課題を抱えています。最大の懸念は、ロドリがいなくなってから敵陣を崩して決めたゴールがひとつしかないこと。7発のうち3つはCKで、フラム戦のコヴァチッチとドク、ウルヴス戦のグヴァルディオルはボックスの外からです。ゴール前から決めた唯一のフィニッシュは、グリーリッシュのパスからグヴァルディオルというルートでした。

直近4試合のアタックを見ると、ウイングのサヴィーニョとドクは周囲との連携が不足しており、カットインからのシュート以外にゴールの匂いが漂うシーンがありません。サイドを託されるグリーリッシュ、ドク、サヴィーニョ、フォーデンを全員足しても1ゴール。首位のリヴァプールは、サラーとルイス・ディアスだけで10ゴールです。

カウンターに対する守備の脆さも、修正が必要でしょう。ウルヴス戦は、7分に右サイドのセメドを自由にしてしまい、アーリークロスにファーから走り込んだヨルゲン・ラーセンはノーマークでした。さらに19分、マテウス・クーニャのパスからセメドが独走し、エデルソンと1対1。ドリブルのラストタッチが長くならなければ、0-2という厳しい状況に追い込まれていました。

ハーランド依存、個人技頼みのウインガー、縦の効果的なボールが少ない中盤のパスワーク、時折脆さを見せるハイライン。負傷離脱中のデブライネと出遅れたフォーデンが元気になれば、現状の解決するのでしょうか。11月のボーンマス、ブライトン、トッテナムは強力なドリブラーを擁するチームで、手数をかけない速攻に要注意です。


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