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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

エースよりゴール量産の悲しきサブ、エンクンクとジョン・デュランはクラブに別れを告げるのか?

「昨シーズンは、チームで最も出場時間の多い選手のひとりだった。でも、大事な試合に出られないのは嫌なんだ」。昨季プレミアリーグで36試合11ゴール9アシストのフリアン・アルバレスは、31試合に先発しており、指揮官の信頼を感じていたはずです。それでも移籍を決断したのは、アーリング・ハーランドという絶対的エースの影響を受ける状況をよしとしなかったからでしょう。

チャンピオンズリーグ準々決勝のレアル・マドリード戦は、ホームでもアウェイでもサブで、出場時間はトータル33分。エティハドのアーセナル戦は、ノーゴールのチームをベンチで見守っただけで終わってしまいました。おそらくこの3試合が、アトレティコ・マドリードからのオファーを受け入れた決定的な理由なのでしょう。

2024-25シーズンも、ワールドクラスといわれるストライカーたちが、自らの扱いにストレスを溜めています。公式戦15試合でわずか1ゴールのガブリエウ・ジェズスは、レギュラーを保証されたら自信を取り戻せるのかもしれません。ホイルンド不在のチャンスを活かせなかったザークツィーは、カラバオカップとELの先発だけでは満足しないはずです。

現在、最も出口に近づいているサブのストライカーは、チェルシーのクリストファー・エンクンクとアストン・ヴィラのジョン・デュランでしょう。両者ともに、エースを上回る結果を残しています。ニコラス・ジャクソンはプレミアリーグで11試合6ゴール3アシストで、エンクンクは10試合1ゴール。ここだけ取れば、エースとサブの差は明確です。

しかしこの数字に、欧州と国内カップを加えると景色は一変します。ヨーロッパカンファレンスリーグの予選とリーグフェイズで全試合ゴールのエンクンクは、カラバオカップのバロー戦でハットトリックを達成しており、公式戦17試合10ゴール1アシスト。13試合7ゴール5アシストのコール・パルマーを凌ぐリーディングスコアラーです。

結果を残せば出番が増えるのがこの世界の慣わしですが、エンクンクがプレミアリーグで先発したのは、開幕節のマン・シティ戦のみ。左ウイングとして58分プレイした後は、途中出場が9試合で、15分以上は3-0で勝っていたウェストハム戦だけです。マレスカ監督にしてみれば、カウンター、ポストプレー、ラインの裏への抜け出しが素晴らしいエースは変えづらいのでしょう。

セカンドストライカーとしてもプレイできるのですが、今やプレミアリーグで最高のプレーメイカーと評されるコール・パルマーをサイドにまわすという選択肢はなさそうです。「テレグラフ」のジェームズ・バート記者によると、エンクンクは将来について検討し始めており、チェルシーは5200万ポンドの移籍金を回収できる話には耳を傾けるようです。

アストン・ヴィラのレギュラー争いのほうは、数字だけ見ればサブの完勝でしょう。オリー・ワトキンスは公式戦15試合5ゴール3アシスト、プレミアリーグは11戦5ゴール2アシスト。ジョン・デュランはアシストはゼロですが、公式戦17試合8ゴールと結果を出しています。プレミアリーグは全試合出場&全試合サブ。最長はボーンマス戦の33分で、最短はフラム戦の15分です。

途中出場11試合で4発は驚異的で、90分あたりの1.29は、ウィサとハーランドを凌ぐリーグTOP。チャンピオンズリーグのバイエルン戦では、クラブ史に残る決勝ゴールをゲットしており、先発したボローニャ、ウィコム、クリスタル・パレスの3試合はすべてゴールを決めています。エメリ監督がオリー・ワトキンスを優先しているのは、連携と守備を重視しているからでしょう。

そういえばジョン・デュランは、夏に移籍したがっており、チェルシーがヴィラにアプローチしていると報じられていました。2番手から3番手に落ちるために移籍したストライカーと、ベンチに座るジョアン・フェリックス、エンクンク、ジョン・デュランを気にしながら指揮を執る新監督…この状況はホラーというしかありません。

夏のマーケットでエンクンクに興味を示していたマンチェスター・ユナイテッドは、現状をチャンスと見て動くのでしょうか。獲得に成功しても、レギュラーとサブのバトルのステージがマンチェスターに変わるだけです。それでも選手は新たなチャレンジを志向し、ストライカーがダブついているクラブも大枚をはたくのでしょう。それもまた、この世界の慣わしです。


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