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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

最高のタイミングでロンドンへ…コール・パルマ―が語る「チェルシーに移籍した理由」

ポール・ポグバを手離したマンチェスター・ユナイテッドが10年以上にわたってネタにされ続けたように、コール・パルマーを売却したマンチェスター・シティもいじり倒されるのでしょうか。いや、彼らは4250万ポンドを手に入れています。公式戦41試合6ゴールの選手としては高額だった移籍金は、今となっては正解といえるでしょう。

ロンドンに赴く直前の2023年8月6日、アーセナルとのコミュニティシールドでハーランドに代わって登場し、77分に先制ゴール。10日後のUEFAスーパーカップでは、63分に同点ゴールをゲットし、セヴィージャをPK戦で下す立役者となっています。この2発が、チェルシーのオファーを受けていたマンチェスター・シティが考え直すラストチャンスでした。

「チェルシーに行くつもりはなかった。説得されたんだ」。イギリス版の「GQ」のインタビューに応じたコール・パルマーは、クラブ間の交渉が続いていた当時について、「トレーニング中にボールがアウトになるたびに、キットマンやドクターにクラブは合意したかと聞いていた」と振り返っています。完全移籍か残留かの二択を迫られたアタッカーは、代理人のアドバイスを受け入れました。

2020-21シーズンのトップチームデビューから、ウェストロンドンに居場所を変えるまでの3シーズンは、プレミアリーグ19試合でノーゴール。フォーデン、デブライネ、ベルナルド・シウヴァとワールドクラスがひしめく最強チームは、彼の望み通りにチャンスを与えることはできないと判断したのでしょう。しかし彼は、古巣の見立てをはるかに超える力を蓄えていたようです。

チェルシーに移籍後、最初の5試合はノーゴール。マウリシオ・ポチェッティーノの最初の手柄は、彼をPKキッカーに指名したことです。バーンリー、アーセナル、トッテナム、マン・シティと10月からの4試合でPKを決め、メディアやサポーターからのプレッシャーを回避しました。オープンプレーでの初ゴールは、12月に入ってからのマンチェスター・ユナイテッド戦でした。

徐々にフィット感を高めた新戦力は、後半戦のプレミアリーグで18試合16ゴール8アシストと大ブレイク。34試合22ゴール11アシストのプレーメイカーがいなければ、ポチェッティーノは最終節までロンドンにいられなかったかもしれません。余勢を駆ってドイツに乗り込んだユーロ2024では、準決勝のオランダ戦で1アシスト。決勝のスペイン戦では同点ゴールを決めています。

ガレス・サウスゲートに先発で起用されず、不完全燃焼だったユーロには、疲れを残さず新シーズンに臨めるというプラスもあったようです。クラブに戻り、新たなキットの発表会に招かれた20番は、撮影の際に「ハットトリックをイメージして指を3本立ててほしい」といわれ、「4本はどう?」と返しています。史上初となるブライトン戦の前半の4発は、その2ヵ月後の快挙です。

プレミアリーグ2024-25シーズンは、11試合7ゴール5アシスト。4250万ポンドは安い買い物だった…いや、数年後には「チェルシー史上最高の補強」といえるようになるかもしれません。トゥヘルが去った後、再構築中だったチームは自由度が高く、本人にとってもいいタイミングでの移籍だったのでしょう。

ニコラス・ジャクソン、コール・パルマー、カイセド、フォファナ、コルウィルとセンターの軸が明確になったマレスカ監督の新チームは、優勝争いに食い込む勢いです。目下の懸念は、ビッグ6との直接対決で2分2敗と勝利がないこと。少年の頃のアイドルはウェイン・ルーニーという寡黙なレフティは、トロフィーに手が届くのでしょうか。入団当初は、これほど化けるとは思わなかったのですが…!


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