デパイ、リヴァモア、デウロフェウ、ベラヒーノ…動き出した冬のマーケット最新トピックス!
さて、金曜日のマーケットでは、デパイだけでなく錚々たる顔ぶれが動きました。出る派と残る派が錯綜したジェラール・デウロフェウのACミラン移籍は、買い取りオプション付きのローンという形で決着したようです。2013-14シーズンにバルセロナからやってきてグディソン・パークのサポーターをうならせたサイドアタッカーは、2015年の夏にエヴァートンに完全移籍。初年度のプレミアリーグ26試合2ゴールという数字は、当時のロベルト・マルティネス監督にとってもサポーターにとっても、もの足りなかったのではないでしょうか。
今季から指揮を執ったクーマン監督は、プレシーズンにはルカク不在時のトップ起用を試したりしていたものの、シーズンが始まるとミララスとボラシェをレギュラーに指名。素晴らしいプレイを見せていたボラシェが不運なケガで今季絶望となっても、選ばれたのはアーロン・レノンやエネル・バレンシアであり、22歳のドリブラーではありませんでした。最近6試合のプレミアリーグで出場ゼロだったデウロフェウが握りしめているのは片道切符だと思われます。10代だった3年前、アーセナル戦で決めたゴールが衝撃的だっただけに、静かな去り方が残念でなりません。
トッテナムを出た後、ハル・シティで3年半を過ごしたジェイク・リヴァモアは、沈没しそうにない船に乗り換えました。今季プレミアリーグで8位と健闘しているWBAは、30歳のクレイグ・ガードナーをバーミンガムに売却してタフなセントラルMFを獲得。モリソン、ジャコブ、ダレン・フレッチャーとアラサー揃いだった中央に、27歳のリヴァモアが加われば、ピューリス監督が生命線とする運動量を失わずにシーズンを乗り切れそうです。
レギュラーMFを推定1000万ポンド(約14億2000万円)で売り渡したハル・シティは、ライアン・メイソンとハドルストーンを軸に据えて戦うのでしょう。AZからレンタルしたプレーメイカーのヘンリクセンを完全移籍で獲得し、エヴァートンのFWニアッセ、ポルトのMFエヴァンドロ、オリンピアコス時代に頼りにしていたSBオマール・エラブデラオウイと即戦力を揃えたマルコ・シルヴァ新監督は、残留への手応えをつかめたのでしょうか。チェルシー、マンチェスター・ユナイテッド、リヴァプール、アーセナルとプレミアリーグで地獄の4連戦を迎える指揮官は、「耐えながら作る」という難しい命題に挑むことになります。
最後に、「スカイスポーツ」の速報を紹介しましょう。ストークが、WBAのFWサイド・ベラヒーノ獲得でクラブ間合意に漕ぎ付けたとのこと。2014-15シーズンにプレミアリーグ38試合15ゴールとブレイクした生え抜きのストライカーは、オフシーズンにスパーズ移籍を巡ってジェレミー・ピース会長とバトルを繰り広げてからは、モチベーションもスピードも失ってしまったようです。翌シーズンは31試合4ゴール。今季は最初の4試合に出場した後、出番なし。イングランドU-21代表のエースだった男には、いよいよ環境の変化が必要なのだと思われます。サラリーなどの個人条件を詰め、メディカルチェックを終えないと移籍は決まりませんが、ボージャン・クルキッチに退団の噂があり、ボニー・ウィルフリードが不振でエース不在のクラブなら、チャンスはもらえるのではないでしょうか。新天地で結果を出せなければ、次のクラブはチャンピオンシップということにもなりかねません。
冬のマーケットも残り10日。大相撲でいえば、小結・関脇が顔を見せたぐらいのタイミングでしょうか。この先、チェルシーとマンチェスター・シティが沈黙したままで終わることはないと思われます。ヤマ場は来週末ではないでしょうか。トップクラブに動きがあれば、随時お知らせいたします。(サイド・ベラヒーノ 写真著作者/Warwick Gastinger)
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