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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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チェルシーに敗れて11位に転落…現地メディアが話題にし始めた「ポステコグルー解任」はあるのか?

マンチェスター・シティの直近9試合は1勝2分6敗。ビッグクラブのみならず、中堅クラブのオーナーに解任を通告されてもおかしくない戦績です。マンチェスター・ユナイテッドは、2勝5分2敗だったテン・ハフとの契約を打ち切っています。ペップが同じ道を辿っても…いや、彼にはトータル18冠という膨大な信頼の貯蓄があり、本人が申し出ない限りは何も起こらないはずです。

では、アンジェ・ポステコグルーのプレミアリーグ6勝2分7敗はどうでしょうか。ELとカラバオカップを乗せると11勝3分8敗。微妙な戦績ではあるものの、リーグの勝利はすべて3ゴール以上かつ2点差以上の快勝で、ELを含む8つの敗戦はすべて1点差の接戦です。カラバオカップでマン・シティを2-1で下した後、エティハドで0-4の返り討ちという爽快な結果もプラス評価でしょう。

それでも指揮官の解任が取り沙汰されるのは、直近の7試合を1勝2分4敗と苦しい状況に陥っているからでしょう。加えてジョゼ・モウリーニョとアントニオ・コンテの事例も、ダニエル・レヴィ会長が動くのではないかという憶測につながっているようです。最近では「アスレティック」「テレグラフ」「スカイスポーツ」が、ポステコグルーを切ることの是非を論じています。

2021年4月に解任されたモウリーニョは、86試合44勝19分23敗。2023年3月まで指揮を執ったコンテは76試合41勝12分23敗でした。対してポステコグルーは、63試合32勝10分21敗。あと2つ負ければ、1年半ももたなかった名将たちの敗戦数を上回ります。レンジャースとサウサンプトンに連敗し、現在のペップと同じ9戦6敗となれば、騒ぐメディアは増えるでしょう。

果たしてポステコグルーは、2人の名将が辿った足跡をなぞっているのでしょうか。どのメディアも「解任は絶対にない」とはいえないようですが、今のところは楽観視しています。不振とはいえ、プレミアリーグはTOP4に7ポイント差と希望はつながっており、ベスト8に進出したカラバオカップは悲願のトロフィーに手が届く可能性があります。

チームの雰囲気のよさも、突然のジ・エンドはないとする根拠になっています。選手たちを挑発し続けたモウリーニョは、アウトとなる直前に主力との確執が報じられており、コンテ退場のトリガーは、「私欲のためにプレイしている」「プレッシャーを嫌がる選手ばかり」「常に言い訳でうんざり」「クラブも選手もハングリー精神が欠けている」といった暴言でした。

一方、最近のポステコグルー監督の周辺にネガティブな空気はありません。選手たちの多くが指揮官のコンセプトとプレースタイルを気に入っており、日々のトレーニングを楽しんでいると伝えられています。サポーターの批判と選手たちの不満に敏感な会長は、現場には一体感があると認識しており、監督の交代はリスクと考えていると見られています。

欧州全体の監督の動向をチェックしてみると、グレアム・ポッターをはじめフリーの候補はいるものの、「スパーズの現状を好転させられる」といい切る人はいないのではないでしょうか。ヴィカーリオ、ロメロ、ファン・デ・フェン、ベン・デイヴィスと、後方の主軸の大半が負傷リタイアとなっており、ベンタンクールも試合から遠ざかっています。

明らかに層が薄いスカッドを引き受け、お金にうるさい会長に戦力増強を懇願する役回りは、魅力的とはいえないでしょう。ポステコグルー解任はないと見るのが妥当ですが、「連敗地獄に陥らない限り」という条件付きです。ELのレンジャース戦と最下位のセインツ戦を連勝し、カラバオカップでマン・ユナイテッドを撃破すれば、メディアは静かになるはずですが…。


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