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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

圧巻のマンチェスター・シティ、36分で5発ぶちこみACミランの新システムを粉砕!

3分の先制点からして、いきなりヘスス・ナバスのクロスをヨヴェティッチが右足で折り返して…と新戦力の名刺代わりのスーパープレイです。ACミラン、バイエルン・ミュンヘン、サンパウロ、そしてプレミアリーグからはマンチェスター・シティが参加して開催されている「アウディ・カップ」。初戦のマンチェスター・シティ対ACミランは、「今シーズンのマン・シティがいかに怖いか」を思い知らされる壮絶な点の獲り合いとなりました。

3分のダヴィド・シルヴァのワンタッチ・ゴールでさっそくゲームが動くと、19分には来季こそケガに悩まされずに活躍しそうなSBマイカ・リチャーズが右からひとりで突破を図り、GKに当てたシュートのこぼれ球を自ら拾って蹴り込み2-0。22分にはショートカウンターから左でボールを受けたコラロフが縦に突破。右のサイドネットに強烈なシュートを突き刺し、あっという間の3点め。そして33分からの3分間はジェコの時間です。ヘスス・ナバスのグラウンダーのクロスをファーサイドに走り込んで合わせた4点めと、ヤヤ・トゥレが裏に出した浮き球のパスを胸で受け、素早く反転して左足ボレーで決めた5点めは、新加入のネグレドのスタメン奪取が簡単ではないことを証明する2発でした。ここまで、たった36分間の出来事。ミランのベンチを完全に沈黙させる圧巻の5-0!

このとき、誰が前半を2点差で折り返すことを予想できたでしょうか。ここからミランが6分で3点を返します。37分、度重なるDFのミスを突いたエル・シャーラウィがGKハートとの1対1から右足インサイドで軽く転がし1点め。その2分後には、味方の突破からこぼれたボールをエル・シャーラウィがフォローし、ドリブルでGKをかわして3点差。ミランにとって最大の収穫は、この若いエースは真ん中で起用したほうがその真価を発揮する、という事実が確認できたことでしょう。この後、若手のペターニャにもゴールが生まれ、5-3でハーフタイムを迎えます。普通にハイライトシーンを編集すると、前半だけで5分かかります。ふう。

こうなると誰もが、後半の派手な打ち合いを期待するところですが、サッカーは不思議です。この乱打戦の着地は、前半のスコアと同じ5-3だったのです。後半は一転、膠着。これといった決定的なシーンはGKのミスくらいしかなく、マンチェスター・シティの勝利で幕を閉じます。しかし、強い。5-0からの3失点は、ご愛嬌で済ませていいでしょう。プレミアリーグ本番用のゴールにかける鍵は、コンパニがロッカールームに保管しているはず。9月下旬のマンチェスター・ダービーでは、中を簡単に割らせてくれたりはしないでしょう。この試合で感じた恐怖は、ヨヴェティッチやヘスス・ナバス、フェルナンジーニョがさっそくチームに溶け込み、既に機能し始めているそのパスワークとサイド攻撃です。来季、このチームがプレミアリーグのトップ3から外れたり、年明けにチャンピオンズリーグのドローに名前を残していないなどという未来は想像できません。いや、ほんとうに怖い。

一方のACミランですが、伝統的に1対1のディフェンスに強いイタリアのクラブが、プレシーズンマッチとはいえここまでやられるのは深刻ですね。本田圭祐は、ほんとうにここでいいのでしょうか。監督が、やりたくもない4-3-1-2を、ワンマン会長に押し付けられてしぶしぶ組み立てているようなチームです。本田は、入団すればベルルスコーニ氏のなかにある「ブラジル元代表カカの幻」との戦いを強いられ、相当活躍しないと早期に見限られるはずです。きついと思いますよ。悪いことはいいませんので、オファーを出したといわれている他クラブにも目を向けたほうがいいと思います。ほら、プレミアリーグでリヴァプールのライバルの青いところ…。
(ステファン・ヨヴェティッチ 写真著作者/Roberto Vicario)

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