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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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カイセドとコール・パルマーを欠いたら…チェルシーの巻き返しは、サブの活性化が必須条件!

エンソ・フェルナンデス、デクラン・ライス、モイセス・カイセド。移籍金の相場が急激に高騰した2023年、プレミアリーグでも1億ポンドを超えるディールが3つも発生しました。このなかで最も騒がれたのは、当時21歳だったカイセドでした。チームのレギュラーとしてプレイしたのは2シーズンのみで、プレミアリーグ出場が45試合しかなかったからです。

エクアドルのトップクラブになってから20年に満たないインデペンディエンテ・デル・バジェで2年を過ごし、ブライトンに直行というキャリアも、「ポテンシャル採用」という説明に納得感を与えるものではありません。昨夏のインタビューで移籍金について問われた本人は、「チェルシーに入団した当初は、プレミアリーグレコードがプレッシャーだった」と振り返っています。

しかし今、カイセド獲得に支払ったビッグマネーを、損失と糾弾するサポーターはいないでしょう。プレミアリーグ4位というポジションは、中盤の底を広くカバーする彼の存在抜きには語れません。インターセプトが31回、タックル成功は62回で、トータル93は堂々のリーグTOP。チームへの貢献はハードな守備に留まらず、パス成功1215本もMFでは1位です。

ニコラス・ジャクソンとコール・パルマーのコンビネーションが向上し、カイセドが真価を発揮し始めたチェルシーは一時は2位だったのですが、最近4試合は2分2敗と停滞しています。不振に陥った理由をいくつか挙げてみましょう。ひとつめは、開幕から好調だったニコラス・ジャクソンとノニ・マドゥエケのローテンションです。

ストライカーは4試合連続ノーゴール。右サイドのレフティは先発から外れた試合が3つあり、代わって入ったペドロ・ネトが機能していません。ECLと国内カップで10試合11ゴールのエンクンクは、リーグでは5試合ゴールがなく、欧州とFAカップで6ゴールのジョアン・フェリックスも、プレミアリーグは9試合連続で沈黙しています。

ムドリクはドーピング問題でサスペンデッド。つまり現在のチェルシーは、ニコラス・ジャクソン、ノニ・マドゥエケ、コール・パルマー、ジェイドン・サンチョの4人が揃わないと、得点力が落ちてしまうチームとなっているのです。前線のターンオーバーは、マレスカ監督が解決すべき最重要課題といえるでしょう。

負傷者続出の最終ラインも、指揮官の悩みの種です。フォファナ、バディアシル、リース・ジェームズが長期離脱となってからは、CBはコルウィルとトシンがレギュラーで、右サイドはマロ・グスト。彼らが全員揃えばまずまずですが、イプスウィッチ戦ではディサシが致命的なミスを犯し、リアム・デラップを暴れさせる原因となってしまいました。

最近の失点シーンを見ると、ロベルト・サンチェスをどう評価するかも考えるべきポイントです。今季プレミアリーグのセーブ率78.6%は、セルスとラヤを抑えてNo.1。しかしフラム戦とクリスタル・パレス戦では、彼のフィードをカットされてショートカウンターが始まり、ポイントロストに直結する激痛の失点を喫しています。

直近4戦のゴールは2つしかなく、いずれもコール・パルマー。20戦13発6アシストのプレーメイカーの代役は、エンクンクかジョアン・フェリックスですが、レベルを落とさず戦えるのか。カイセドの代わりとなるラヴィアは守備力で劣り、エンソ・フェルナンデスは6番より8番でしょう。チュクエメカが退団するなら、レナト・ヴェイガを中盤で試しておく必要がありそうです。

ポッター、ランパード、ポチェッティーノの苦闘の後、半年で戦えるチームを創ったマレスカ監督は称賛すべきでしょう。しかし現在はまだ、レギュラーとサブの戦術浸透度にギャップがあり、主軸を欠いたら得点力も守備力もダウンします。44歳の指揮官は、スカッドをフル活用して巻き返すことができるでしょうか。次節は7位のボーンマス、いわずと知れた難敵です。


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