偏愛的プレミアリーグ見聞録

トランスファーマーケットで積極的に動いているマンチェスター・シティが、最初のディールを完了させました。ランスのCBアブドゥコディル・フサノフ。「スカイスポーツ」「アスレティック」など複数のメディアが、移籍金3350万ポンド～3400万ポンドの4年半契約で、1年の延長オプション付きと報じています。ウズべギスタンの選手がプレミアリーグでプレイするのは初めてです。

2年前までは、タシケントのFCブニョドコルに所属する無名の選手。ベラルーシのエネルゲティク＝BGUミンスクに移籍したのは2022年3月で、18歳になったばかり（2月29日生まれ！）でした。ベラルーシ・プレミアリーグの開幕戦からレギュラーに抜擢され、最初のシーズンは27試合3ゴール4アシスト。この年の夏には、欧州の有望株としてメディアに取り上げられています。

彼の能力にいち早く気づいたランスは、最高の買い物をしました。2023年7月、ベラルーシのクラブに支払った金は8万4000ポンド。スピードとタックルを武器とするCBは、フランスでの初年度はリーグ戦11試合出場に留まりましたが、今季は最終ラインに定着しています。「欧州参入から3年も経たないうちにマン・シティ」は、本人の目標を超えているのではないでしょうか。

若手のCBを押さえたマン・シティは、並行して進めていた2つのディールもクラブ間合意に到達しています。フランクフルトのオマル・マルムシュは、今季のブンデスリーガで17試合15ゴール10アシストと大ブレイク。グリーリッシュが停滞している左サイドと、ハーランドのポジションをこなせるアタッカーは、すぐにフィットしそうです。

当初のフランクフルトの主張は6700万ポンド、プレミアリーグ王者は5000万ポンド。このギャップは、双方の歩み寄りとアドオンの設定で埋まる見通しで、既に合意済みと見做されています。金曜日のドルトムント戦で、ベンチからも外れたマルムシュはサポーターに別れを告げており、間もなく正式なステートメントが配信されるはずです。

3人めの新戦力は、パルメイラスのCBヴィトール・レイス。こちらはまだ18歳で、トップチームで22試合しか経験を積んでおらず、将来を見据えた補強でしょう。ブラジルのクラブとは2940万ポンドで合意と伝えられており、本人は移籍手続きを完了するためにマンチェスターに 入っています。順調に戦力増強を進めているクラブは、MFも獲得するのではないかといわれています。

ロドリの穴を埋める補強と噂されているのは、ユヴェントスで振るわないドゥグラス・ルイスです。アストン・ヴィラで過ごした4シーズンは、公式戦204試合22ゴール24アシスト。パスワークを買われてイタリアに渡ったものの、セリエÅでは12試合ノーゴールで、先発は3回しかありません。2019年までマン・シティに所属していたセントラルMFの出戻りは、実現するのでしょうか。

最終ラインに投資したマン・シティは、買取オプションなしのローン移籍なら検討するといわれています。やはりロドリは絶対的存在で、バックアッパーは夏のマーケットで選びたいということでしょうか。今や最大の課題となっている6番に適任が入れば、強烈な逆襲が始まりそうです。リヴァプールはともかく、アーセナルの6ポイントはセーフティリードとはいえないでしょう。

「スカイスポーツ」によると、カイル・ウォーカーは買取オプション付きのローンでミランに移籍する可能性が高いようです。最大4人の補強と功労者のイタリア行きが決まれば、ペップのチームはシャッターを下ろすのでしょう。相変わらず、手際がいいですね。レッチェのSBパトリック・ドルグを獲ろうとしているわがクラブは、納得のお値段で着地できるのか…？