2025.01.28 チームの話題(全体・他クラブ)
主力7人が負傷離脱、しかしプレミアリーグで11戦連続無敗…イラオラ率いるボーンマスはなぜ強い?
2015年のプレミアリーグ昇格は、クラブ創設125年めの快挙。本拠地のバイタリティー・スタジアムは11364人しか収容できず、トップリーグのレベルではありません。プレミアリーグ在籍はトータル6シーズンで、TOP10フィニッシュは2016‐17シーズンの9位のみ。絶対的エースのソランケの移籍で、今季も残留争いと目されていたボーンマスが、マン・シティとCL出場権を争っています。
2023年6月から指揮を執るアンドニ・イラオラは42歳。2019‐20シーズンにスペインのテルセーラ・ディヴィシオン(3部)のミランデスを率いて、コパ・デル・レイの4強に進出したのが最初の爪痕です。2020‐21シーズンにはセグンダ・ディヴィシオン(2部)のラージョ・バジェカーノをラ・リーガに引き上げ、翌シーズンに自身2度めのスペイン国王杯ベスト4を遂げています。
イングランドとの最初の関わりは2023年2月。ジェシー・マーシュを解任したリーズからオファーを受けたものの、ラージョの猛反対で破談になりました。2年めを11位で終えると、契約延長の話を断って退団。新進気鋭の監督を招聘したボーンマスの経営ボードは、2023‐24シーズンの開幕からの3分6敗という惨状を耐えてよかったと、胸をなでおろしているのではないでしょうか。
マン・シティに6‐1で大敗した後、守備を立て直したイラオラ監督は、残り4試合でTOP10に浮上。アーセナル、ブレントフォード、チェルシーに3連敗で12位に転落したものの、2年めに希望をつなぎました。戦力不足を戦術で補ったシーズン。イラオラ監督の就任時に、テクニカルディレクターを務めていたリチャード・ヒューズは、連携できていたとはいえないでしょう。
2023年の夏の補強を移籍金が高い順に並べると、アレックス・スコット、タイラー・アダムズ、ハメド・トラオレ、ルイス・シニステラ。このなかで現在も主力といえるのは、タイラー・アダムズだけで、レギュラーに定着したのは格安のジャスティン・クライファートとミロス・ケルケズでした。
2024年3月にリヴァプールに向かったヒューズの後釜は、クラブOBのサイモン・フランシス。強化を進めたいマーケットで、ユヴェントスのCBディーン・ハイセンを獲得するまではよかったのですが、ソランケをトッテナムに持っていかれてしまいました。エースの穴を埋めるべく、クラブレコードの4000万ポンドで獲得したのはエヴァニウソン。補強は成功とはいえないでしょう。
いざシーズンが始まると、7節までは2勝2分3敗で12位。可もなく不可もなくだったチームのエンジンにガソリンを注いだのは、サリバ退場で10人になったアーセナルでした。優勝候補を2‐0で撃破したボーンマスは、ヴィラ戦をドローで終えた後、マンチェスター・シティを2‐1、トッテナムを1‐0、マンチェスター・ユナイテッドを0‐3で下しています。
11月末のウルヴス戦から、プレミアリーグ11試合で7勝4分と無敗継続中。セネシ、アダム・スミス、アラウージョ、アレックス・スコット、タヴァーニアー、エヴァニウソン、ウナルが続々と負傷リタイアとなるなかで、7位に進出すると予想したジャーナリストはいないでしょう。今のイラオラのチームは、補修だらけのプレハブ小屋のようで、雨漏りがないのは奇跡的です。
日曜日のホームゲームの相手は、直近の8試合を7勝1分で3位に上がった絶好調ノッティンガム・フォレスト。5‐0というスコアを見て、思考停止に陥りました。イラオラのひどいスタメンを紹介しましょう。右SBは、MFが本職のルイス・クック。6番に入ったのは10番を任せたいクリスティで、トップ下は元ウインガーのクライファート。最前線もウインガーのワッタラです。
セント・ジェームズ・パークでニューカッスルに1‐4圧勝の前節もこの顔ぶれで、2試合トータル9ゴールとは…。ビッグ6に4勝1分1敗、現在のTOP6にも4勝1分1敗。ボーンマス専門のポッドキャスト「バック・オブ・ザ・ネット」で現状について語ったサム・デイヴィスさんは、好調の理由をこう表現しています。
「すべてはアンドニ・イラオラだ。われわれにはモジュール化されたシステムがあり、選手はそれぞれのポジションで何を要求されるかを理解している。セントラルMFの主軸のルイス・クックは、長きに渡って右SBで素晴らしい仕事をしている。彼はクラブで最高の右SBなのかもしれない。誰もそこにいないからね」
誰がどこをまかされても、同じようにプレイできるので、チームのクオリティは変わらないというわけです。いや、しかし、それにしても…。次節はリヴァプール。プレミアリーグで18戦連続無敗の首位と、11戦無敗の7位はどちらが勝つのでしょうか。9月のアンフィールドでは4‐1でレッズの圧勝でしたが、バイタリティで迎え撃つのはあの頃とは別なチームです。(アンドニ・イラオラ 写真著作者/AFC Bournemouth)
2023年6月から指揮を執るアンドニ・イラオラは42歳。2019‐20シーズンにスペインのテルセーラ・ディヴィシオン(3部)のミランデスを率いて、コパ・デル・レイの4強に進出したのが最初の爪痕です。2020‐21シーズンにはセグンダ・ディヴィシオン(2部)のラージョ・バジェカーノをラ・リーガに引き上げ、翌シーズンに自身2度めのスペイン国王杯ベスト4を遂げています。
イングランドとの最初の関わりは2023年2月。ジェシー・マーシュを解任したリーズからオファーを受けたものの、ラージョの猛反対で破談になりました。2年めを11位で終えると、契約延長の話を断って退団。新進気鋭の監督を招聘したボーンマスの経営ボードは、2023‐24シーズンの開幕からの3分6敗という惨状を耐えてよかったと、胸をなでおろしているのではないでしょうか。
マン・シティに6‐1で大敗した後、守備を立て直したイラオラ監督は、残り4試合でTOP10に浮上。アーセナル、ブレントフォード、チェルシーに3連敗で12位に転落したものの、2年めに希望をつなぎました。戦力不足を戦術で補ったシーズン。イラオラ監督の就任時に、テクニカルディレクターを務めていたリチャード・ヒューズは、連携できていたとはいえないでしょう。
2023年の夏の補強を移籍金が高い順に並べると、アレックス・スコット、タイラー・アダムズ、ハメド・トラオレ、ルイス・シニステラ。このなかで現在も主力といえるのは、タイラー・アダムズだけで、レギュラーに定着したのは格安のジャスティン・クライファートとミロス・ケルケズでした。
2024年3月にリヴァプールに向かったヒューズの後釜は、クラブOBのサイモン・フランシス。強化を進めたいマーケットで、ユヴェントスのCBディーン・ハイセンを獲得するまではよかったのですが、ソランケをトッテナムに持っていかれてしまいました。エースの穴を埋めるべく、クラブレコードの4000万ポンドで獲得したのはエヴァニウソン。補強は成功とはいえないでしょう。
いざシーズンが始まると、7節までは2勝2分3敗で12位。可もなく不可もなくだったチームのエンジンにガソリンを注いだのは、サリバ退場で10人になったアーセナルでした。優勝候補を2‐0で撃破したボーンマスは、ヴィラ戦をドローで終えた後、マンチェスター・シティを2‐1、トッテナムを1‐0、マンチェスター・ユナイテッドを0‐3で下しています。
11月末のウルヴス戦から、プレミアリーグ11試合で7勝4分と無敗継続中。セネシ、アダム・スミス、アラウージョ、アレックス・スコット、タヴァーニアー、エヴァニウソン、ウナルが続々と負傷リタイアとなるなかで、7位に進出すると予想したジャーナリストはいないでしょう。今のイラオラのチームは、補修だらけのプレハブ小屋のようで、雨漏りがないのは奇跡的です。
日曜日のホームゲームの相手は、直近の8試合を7勝1分で3位に上がった絶好調ノッティンガム・フォレスト。5‐0というスコアを見て、思考停止に陥りました。イラオラのひどいスタメンを紹介しましょう。右SBは、MFが本職のルイス・クック。6番に入ったのは10番を任せたいクリスティで、トップ下は元ウインガーのクライファート。最前線もウインガーのワッタラです。
セント・ジェームズ・パークでニューカッスルに1‐4圧勝の前節もこの顔ぶれで、2試合トータル9ゴールとは…。ビッグ6に4勝1分1敗、現在のTOP6にも4勝1分1敗。ボーンマス専門のポッドキャスト「バック・オブ・ザ・ネット」で現状について語ったサム・デイヴィスさんは、好調の理由をこう表現しています。
「すべてはアンドニ・イラオラだ。われわれにはモジュール化されたシステムがあり、選手はそれぞれのポジションで何を要求されるかを理解している。セントラルMFの主軸のルイス・クックは、長きに渡って右SBで素晴らしい仕事をしている。彼はクラブで最高の右SBなのかもしれない。誰もそこにいないからね」
誰がどこをまかされても、同じようにプレイできるので、チームのクオリティは変わらないというわけです。いや、しかし、それにしても…。次節はリヴァプール。プレミアリーグで18戦連続無敗の首位と、11戦無敗の7位はどちらが勝つのでしょうか。9月のアンフィールドでは4‐1でレッズの圧勝でしたが、バイタリティで迎え撃つのはあの頃とは別なチームです。(アンドニ・イラオラ 写真著作者/AFC Bournemouth)
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