2025.01.29 トッテナムの話題
現地記者のレポート「トッテナムがトップ6からボトム6に転落した経緯」を読んで思うこと。
「今はTOP6ではなく、TOP7、TOP8、TOP10だ。そのポジションを狙えるチームはたくさんある。アストン・ヴィラもそこに加えたい」。ウナイ・エメリが「ビッグ6」といわれる状況にツッコミを入れたのは、2023年4月のことでした。過去5シーズンの戦績を見ると、おっしゃるとおりで、ビッグ6が上位を占めたシーズンは1回だけです。
2019‐20シーズンはレスターが5位、ウルヴスが7位。2020‐21シーズンもレスターとウェストハムがTOP4に迫り、ELの出場権を獲得しています。ブレンダン・ロジャースとデヴィッド・モイーズが勢いを失った2021‐22シーズンは上位を占有したものの、2022‐23シーズンはニューカッスルが4位に食い込み、ブライトンとアストン・ヴィラも欧州へのチケットを手に入れています。
昨シーズンは、ヴィラが4位でニューカッスルが7位。マンチェスター勢とスパーズが信じられない不振に陥った今季はカオスで、ノッティンガム・フォレスト、ニューカッスル、ボーンマス、ヴィラがTOP4争いに食い込んでいます。エメリの指摘にはうなずくしかないのですが、「ビッグ」が何を指すのかによって、見方が変わってきそうです。
デロイトが先週の木曜日に発表した「フットボール・マネー・リーグ」によると、2023‐24シーズンにおける欧州の収益ランキングのTOP10にビッグ6はすべて入っています。最も売上が低い10位チェルシーと、16位のニューカッスルは1億7000万ユーロの差があり、「ビッグ=お金」と取れば秩序は維持されています。
とはいえ、近年のプレミアリーグで、マンチェスター・ユナイテッドとトッテナムが厳しい状況に陥っているのは確かです。現在12位に沈んでいるマン・ユナイテッドの過去3年は、6位、3位、8位。降格ゾーンと8ポイント差の15位にいるトッテナムは、過去5年でTOP4フィニッシュは1回だけです。前者はムダ遣い、後者はケチが招いた停滞といっていいでしょう。
ここからは、スパーズの凋落にフォーカスします。2015‐16シーズンから4年連続でTOP4フィニッシュを果たし、2018‐19シーズンにはチャンピオンズリーグのファイナルに進出した黄金時代はなぜ終わってしまったのか?結論からいうと、「ポチェッティーノに甘え、ケイン・アンド・ソンに依存していたダニエル・レヴィの責任」となります。
「アスレティック」のジャック・ピット・ブルック記者とジェイ・ハリス記者が配信した「How Tottenham Hotspur have gone from the Big Six to the bottom six(トッテナムがビッグ6からボトム6に転落した経緯)」という記事を読んで、最も気になったのは前線の補強です。ソン・フンミンが入団したのは2015‐16シーズン。ここから6年のストライカーの補強成功は、ゼロでした。
2016年の夏に入団したフィンセント・ヤンセンと、翌年に加わったフェルナンド・ジョレンテは、スパーズ在籍中のプレミアリーグで2ゴールしか決めていません。あらためて振り返ると、2018‐19シーズンの補強ゼロとという生殺しに、ポチェッティーノはよくぞ耐えたと思います。クラブの支援を得られなかった指揮官は、翌シーズンの不振の責任を取らされてしまいました。
ほっといても勝ってくれる監督をつぶしてしまったレヴィ会長は、エースに出ていくといわれ、目が覚めたようです。久々の大物ストライカー獲得は、ハリー・ケインが初めてチームの得点王になってから8年後、ソン・フンミンの入団の7年後でした。2022年の夏に、リシャルリソンに6000万ポンドを費やしたのは、10番がマン・シティに入団する寸前までいったからでしょう。
ポチェッティーノが去ってからは、モウリーニョとコンテにせっつかれてそれなりにお金は遣ったものの、彼らのニーズとは大きな乖離があったようです。タイプが異なる監督を次々に招聘すると、軸となる選手が育たなくなるのは、マンチェスター・ユナイテッドやチェルシーも通ってきた道です。
ポステコグルーが預かったスカッドのなかで、4年以上スパーズでプレイしていた選手は、ソン・フンミンとベン・デイヴィスぐらいです。直近の補強は若手中心で、結果が出るまで時間を要します。脆弱になっていた前線と最終ラインは、経験値が高い選手が必要だったのではないでしょうか。夏にDFを補強しなかったチームは、負傷者の続出で崩れてしまいました。
サポーターの怒りが、キャッシュやPLばかりを気にしていた会長に向くのはよくわかります。この冬、獲得した即戦力はGKのキンスキーのみ。プレミアリーグとヨーロッパリーグの両立が難しい最終ラインと、ソランケが離脱した前線は、補強が必要だったはずです。今こそ、手を打つべきでしょう。ここぞというシーンで、キャプテンが決めてくれる季節が終わらないうちに。
2019‐20シーズンはレスターが5位、ウルヴスが7位。2020‐21シーズンもレスターとウェストハムがTOP4に迫り、ELの出場権を獲得しています。ブレンダン・ロジャースとデヴィッド・モイーズが勢いを失った2021‐22シーズンは上位を占有したものの、2022‐23シーズンはニューカッスルが4位に食い込み、ブライトンとアストン・ヴィラも欧州へのチケットを手に入れています。
昨シーズンは、ヴィラが4位でニューカッスルが7位。マンチェスター勢とスパーズが信じられない不振に陥った今季はカオスで、ノッティンガム・フォレスト、ニューカッスル、ボーンマス、ヴィラがTOP4争いに食い込んでいます。エメリの指摘にはうなずくしかないのですが、「ビッグ」が何を指すのかによって、見方が変わってきそうです。
デロイトが先週の木曜日に発表した「フットボール・マネー・リーグ」によると、2023‐24シーズンにおける欧州の収益ランキングのTOP10にビッグ6はすべて入っています。最も売上が低い10位チェルシーと、16位のニューカッスルは1億7000万ユーロの差があり、「ビッグ=お金」と取れば秩序は維持されています。
とはいえ、近年のプレミアリーグで、マンチェスター・ユナイテッドとトッテナムが厳しい状況に陥っているのは確かです。現在12位に沈んでいるマン・ユナイテッドの過去3年は、6位、3位、8位。降格ゾーンと8ポイント差の15位にいるトッテナムは、過去5年でTOP4フィニッシュは1回だけです。前者はムダ遣い、後者はケチが招いた停滞といっていいでしょう。
ここからは、スパーズの凋落にフォーカスします。2015‐16シーズンから4年連続でTOP4フィニッシュを果たし、2018‐19シーズンにはチャンピオンズリーグのファイナルに進出した黄金時代はなぜ終わってしまったのか?結論からいうと、「ポチェッティーノに甘え、ケイン・アンド・ソンに依存していたダニエル・レヴィの責任」となります。
「アスレティック」のジャック・ピット・ブルック記者とジェイ・ハリス記者が配信した「How Tottenham Hotspur have gone from the Big Six to the bottom six(トッテナムがビッグ6からボトム6に転落した経緯)」という記事を読んで、最も気になったのは前線の補強です。ソン・フンミンが入団したのは2015‐16シーズン。ここから6年のストライカーの補強成功は、ゼロでした。
2016年の夏に入団したフィンセント・ヤンセンと、翌年に加わったフェルナンド・ジョレンテは、スパーズ在籍中のプレミアリーグで2ゴールしか決めていません。あらためて振り返ると、2018‐19シーズンの補強ゼロとという生殺しに、ポチェッティーノはよくぞ耐えたと思います。クラブの支援を得られなかった指揮官は、翌シーズンの不振の責任を取らされてしまいました。
ほっといても勝ってくれる監督をつぶしてしまったレヴィ会長は、エースに出ていくといわれ、目が覚めたようです。久々の大物ストライカー獲得は、ハリー・ケインが初めてチームの得点王になってから8年後、ソン・フンミンの入団の7年後でした。2022年の夏に、リシャルリソンに6000万ポンドを費やしたのは、10番がマン・シティに入団する寸前までいったからでしょう。
ポチェッティーノが去ってからは、モウリーニョとコンテにせっつかれてそれなりにお金は遣ったものの、彼らのニーズとは大きな乖離があったようです。タイプが異なる監督を次々に招聘すると、軸となる選手が育たなくなるのは、マンチェスター・ユナイテッドやチェルシーも通ってきた道です。
ポステコグルーが預かったスカッドのなかで、4年以上スパーズでプレイしていた選手は、ソン・フンミンとベン・デイヴィスぐらいです。直近の補強は若手中心で、結果が出るまで時間を要します。脆弱になっていた前線と最終ラインは、経験値が高い選手が必要だったのではないでしょうか。夏にDFを補強しなかったチームは、負傷者の続出で崩れてしまいました。
サポーターの怒りが、キャッシュやPLばかりを気にしていた会長に向くのはよくわかります。この冬、獲得した即戦力はGKのキンスキーのみ。プレミアリーグとヨーロッパリーグの両立が難しい最終ラインと、ソランケが離脱した前線は、補強が必要だったはずです。今こそ、手を打つべきでしょう。ここぞというシーンで、キャプテンが決めてくれる季節が終わらないうちに。
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