偏愛的プレミアリーグ見聞録

今なら、まだ間に合います。プレミアリーグで12位のマンチェスター・ユナイテッドと、15位に沈むトッテナム。4位のマンチェスター・シティとの差は、それぞれ12と17で、逆転は不可能でしょう。しかし彼らには、ヨーロッパリーグがあります。春になるまでに以前の強さを取り戻せば、来季のチャンピオンズリーグの出場権をゲットするチャンスを得られます。

本日は、ヨーロッパリーグのリーグフェイズのラストマッチ。4勝3分で5位のマンチェスター・ユナイテッドは、8位に食い込んでいるFCSBとのアウェイゲーム。かつてはステアウア・ブカレストと名乗っていたルーマニアの古豪は、9月以降のホームゲームは1回しか負けていません。4勝2分1敗で7位のトッテナムは、20位のエルスフボリにホームで勝てばTOP8フィニッシュです。

マンデーナイトのフラム戦を0‐1で制したものの、シュートを4本しか打てなかったマンチェスター・ユナイテッドは、相変わらずのスロースタートです。10分の右からのFKをラドゥノビッチがファーに上げると、走り込んだポペスクが右足アウトで合わせたボールは、右ポストの脇を抜けていきました。

リサンドロ・マルティネスの絶妙な浮き球で、メイヌーがボックス左に出たのは15分。右足のつま先で浮かし、ニゲザナをかわして打ったボレーはうまく当たらず、GKタルノヴァヌがキャッチしました。1分後、左から上がったのはブルーノ・フェルナンデス。クロスはカットされ、ニアに出たこぼれ球をエリクセンが直接狙いますが、タルノヴァヌが落ち着いてセーブしています。

20分のリサンドロ・マルティネスのFKは、ドライブがかからずクロスバーの上。30分にリサンドロ・マルティネスがゴール前に浮き球を入れると、ホイルンドのヘッドもGKの守備範囲です。39分のホームチームの波状攻撃は、シュートレンジで間合いを詰めて打たせず。0‐0の前半はポゼッション31％対69％、シュート数2対6、オンターゲット0対3でマン・ユナイテッドが優勢です。

他会場に目を移すと、シュート数12対1とスウェーデンのクラブを圧倒したトッテナムも0‐0。ルドゴレツをホームに迎えた5位のリヨンも0‐0で、7位のアンデルレヒトもホッフェンハイムに1‐1のイーブンです。ブカレストのアレーナ・ナツィオナーラは後半がスタート。47分にバックパスミスをさらったガルナチョは、右隅を狙ったシュートをポストに当ててしまいました。

56分、リサンドロ・マルティネスのパスを左で受けたホイルンドのフィニッシュは、角度が厳しくGKの正面。マンチェスター・ユナイテッドが先制したのは、ブルーノのミドルがバーを叩いた直後の60分でした。後半から入ったアマド・ディアロのスローインをエリクセンが頭でボックス右に送ると、メイヌーの完璧なグラウンダーがフリーのダロトの足元に届きました。

0‐1となって2分も経たないうちに、FCSBにビッグチャンスが到来。クイックリスタートからのロングフィードが前線のビリジャに通り、左足の強烈なミドルがクロスバーにヒットしました。詰めたタナセはヘディングを外して悔やんでいますが、決まっていてもオフサイドでしょう。アウェイチームの追加点は68分。自らのミスパスから奪い返したダロトが起点でした。

ホイルンドの落としを受けたメイヌーが、左のガルナチョに展開して中央に入ると、きれいなグラウンダーがピタリと合いました。右足のインサイドでGKの脇を抜き、1ゴール1アシスト。下から追ってくるガラタサライ、プルゼニ、オリンピアコス、ボデ・グリムトのなかで、勝っているのはギリシャのクラブだけで、2失点まではOKでしょう。

残り20分までシュート数14対3と押し続けていたスパーズは、70分にようやく先制しました。ペドロ・ポロからパスを受けたクルゼフスキが、左足でゴールに向かうクロスをフィード。ヘディングで叩き込んだのは、4分前に入ったばかりだった20歳のスカーレットでした。84分の2点めは、ティーンエイジャー。3分前に呼ばれたオインダモラ・アジャイはデビュー戦です。

右からカットインして中央に入った63番は、スカーレットとのポストプレーから左足の一撃を右ポストすれすれに決めました。最後のゴールは17歳。敵陣でゼネリに競り勝ったマイキー・ムーアがドリブルでボックスに入り、左のサイドネットを揺らしました。CBのドラクシンの負傷リタイアで、前線のスカーレットを送り出すあたりは、相変わらずのポステコグルー采配でした。

0‐2で勝ったマンチェスター・ユナイテッドは5勝3分で3位、3‐0快勝のスパーズは5勝2分1敗で4位。両者ともにストレートインでノックアウトフェイズ進出です。次戦は3月6日。ソランケとルーク・ショーは微妙ですが、ジェームズ・マディソン、ブレナン・ジョンソン、ウドジェ、ヴィカーリオは間に合うでしょう。今ならまだ…2人の指揮官の巻き返し策に注目です。