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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【Everton×Liverpool】98分、タルコフスキー!グディソン・パークの最後の激闘は2‐2ドロー!

デヴィッド・モイーズが11年9ヵ月ぶりに帰ってきたマージーサイドダービーは、グディソン・パークで開催されるラストマッチです。1894年10月の初対決から131年。通算244試合はリヴァプールが99勝77分68敗で優勢ですが、グディソン・パークでは41勝37分41敗と全くの互角です。より思い入れが強いのは、ブラムリー・ムーア・ドックへの移転を控えたホームチームでしょう。

リヴァプールが勝てば、2位アーセナルとの差は9ポイントに開きます。必勝の一戦は、太腿を痛めてベンチのアーノルド以外は全員レギュラー。GKアリソン、DFブラッドリー、コナテ、ファン・ダイク、ロバートソン、2センターにフラーフェンベルフとマック・アリスター、2列めはサラー、ショボスライ、ガクポ、最前線は今季プレミアリーグで8ゴールのルイス・ディアスです。

モイーズ就任以来、プレミアリーグで3勝1敗のエヴァートンは、ベトとエンディアイエに要注意です。キックオフから10分までは、両者ともにボールに対する寄せが速く、激しい奪い合いになっています。スコアが動いたのは11分、ハーフライン付近のFKのキッカーはブランスウェイト。ゴール前に放り込むかと思いきや、コナテの裏に鋭いスルーパスが通りました。

オフサイドポジションにいたベトは、CBが蹴る瞬間に下がり、すかさずダッシュ。飛び出したアリソンと1対1になると、コースを見極めて右に流し込みました。満場の絶叫の後、プレイが再開しても余韻が残るグディソン・パークは、爆音のチャントで青いシャツの背中を押しています。15分に右からFKを蹴った後、ドゥクレのドリブルをカットしたのはマック・アリスターでした。

こぼれ球を拾ったサラーが10番につなぎ、後方のフラーフェンベルフにボールが渡ると、サイドに開いたサラーがマイコレンコを抜かずにクロスを入れました。バックヘッドを左隅に収めたのは、いつの間にかゴール前に入っていたマック・アリスター。1‐1となった後も、エヴァートンの厳しいチェックが目立つイーブンの展開が続いています。

23分に足を痛めたエンディアイエは、プレー続行不可能と知り、シャツで顔を覆って号泣しています。代わって入ったのは、ジャック・ハリソン。26分にサラーのミスパスを拾ったベトは、右足のミドルをファン・ダイクに当てました。これほどシュートを打てないリヴァプールを見る機会は、なかなかありません。

前線のベト、ドゥクレ、ジャック・ハリソンはプレスをかけず、徹底的にパスコースを切りにいっています。エヴァートンのコンパクトな陣形に対して、サラーとフラーフェンベルフがインとアウトを入れ替えるなどの工夫をすれども、前線へのパスコースを見出せず。43分に左のジャック・ハリソンがゴール前に浮かすと、ベトのバックヘッドは右に逸れていきました。

追加タイム1分、サラーの縦パスを受けたルイス・ディアスのシュートは、ブランスウェイトがブロックしています。4分後、ショボスライのミドルはピックフォードがセーブ。詰めたルイス・ディアスはタルコフスキーに先に触られ、押し込めずに終わっています。1‐1の前半のシュートは3対3。後半に入っても、リヴァプールが持たされる展開は変わりません。

54分、リンドストロームとのパス交換から、右サイドを突破したグイェが完璧なクロスをフィード。ゴール前に走り込んだドゥクレは、フリーのヘッドを右に外して悔しがっています。直後、右サイドからカットインしたベトが左にいたジャック・ハリソンに流すと、右隅を狙った左足のシュートは外に切れていきました。

スロット監督は、61分にブラッドリーとフラーフェンベルフを下げ、アーノルドとカーティス・ジョーンズを投入。69分にはロバートソンとガクポに代えて、ツィミカスとダルウィン・ヌニェスを送り出しています。後半のリヴァプールは、残り20分を切ってもシュートゼロ。エヴァートンがチャンスをつかんだのは、71分のFKの二次攻撃でした。

右から上がったリンドストロームの折り返しをファン・ダイクがカットすると、こぼれ球を拾ったタルコフスキーは迷って左のドゥクレへ。慌てたダイレクトショットは、浮いてしまいました。73分、右サイドでキープしたのはルイス・ディアス。右足のクロスをタルコフスキーが足に当てると、ボックス左で転がるボールに先着したのはカーティス・ジョーンズです。

ダルウィン・ヌニェスとのワンツーから放ったダイレクトショットは、ブランスウェイトが頭に当てますが、ファーに流れたボールをトラップしたサラーが右足でニアに突き刺しました。1ゴール1アシストのレフティは、今季プレミアリーグで24試合22ゴール14アシスト。止めてから打つまでの速さに、思わず叫んでしまいました。

リードされたエヴァートンは打てる形を創れず、86分のベトのミドルはアリソンが悠々とキャッチ。88分のルイス・ディアスをジョッタは、勝利に向かう交代策です。ピッチに入ったばかりのジョッタが左に出て、ボックス手前のサラーに横パスを通すと、左隅を狙ったダイレクトショットはピックフォードが上に弾き出しました

5分だった追加タイムが延びたのは、激しい競り合いで倒れる選手が続出したからでしょう。このままレッズが勝つかと思われた98分、左サイドのマイコレンコが放り込んだハイクロスは、誰か何とかしてくれと叫ぶようなボールでした。コナテとベトが競って触れず、バウンドしたボールをイロエロブナムが頭で後ろに流すと、タルコフスキーの強烈なボレーがニアに決まりました。

グディソン・パークの熱狂がVARのアナウンスでどよめきに変わり、再び沸き上がった直後にタイムアップ。ドゥクレがレッズサポーターを挑発(あるいはチャントに抗議)し、激怒したカーティス・ジョーンズがつかみかかると、もみ合いの末に両者にレッドカードが出たようです。激闘は2‐2のドロー。リヴァプールとアーセナルの差は7ポイントです。

痛恨の失点でポイントを落としたリヴァプールですが、ゲームを俯瞰すると、シュート6本で2ゴールという結果に満足しなければならないでしょう。指揮官と選手たちに、結果を悔やむ時間はありません。マージーサイドダービーの延期とカラバオカップ決勝進出による前倒しで、2月のプレミアリーグは6試合、3月は1試合という変則スケジュールになっています。

2月19日からの8日間で、アストン・ヴィラ、マンチェスター・シティ、ニューカッスル。ここをうまくクリアできなければ、前線の負傷者続出で不利になったはずのアーセナルに迫られてしまう可能性があります。ここからの2週間が、プレミアリーグのトロフィーの行方を左右する最も重要な時間となりそうです。


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