「FAカップのリプレイや年末年始のゲームは廃止せよ!」ガリー・リネカーが必死の抗議!
「テレグラフ」に掲載されたのは、「Ditch FA Cup replays and two-legged League Cup semi-finals if you want oldest club competition in world to stay alive, says Gary Lineker(世界最古のクラブレベルの大会が生き残ることを望むなら、FAカップのリプレイやリーグカップ準決勝のホーム&アウェイなど捨てちまえ、とガリー・リネカー)」。彼のアイデアはなかなか刺激的で、FAカップにおける3回戦以降の引き分け時の再試合廃止、ホーム&アウェイで争われているリーグカップ準決勝の1試合化に加えて、「ボクシングデーとニューイヤーズデーのプレミアリーグもやめよう」といっています。「いくつかの日程を取り除ければ、クラブの監督たちにもっと強いチームで戦えといえるだろう。結局のところ、われわれはそれを望んでいるのだから。私は、あの古い大会に悲しみを覚える。町で最大のサーカスではなくなってしまった。まだ何らかの価値はあるけどね」。プレミアリーグのクラブがFAカップのメンバーを落とし、早々に大会から消える現状を憂いているのです。
私は、違う視点でリネカーさんの改革案を支持します。欧州における停滞。プレミアリーグ勢がわが世の春を謳歌していた2000年代は、タイトなスケジュールは気にならなかったものの、欧州全体のレベルが拮抗し、パリ・サンジェルマンなどの新興勢力の台頭もあって競争環境が厳しくなってからは、ウインターブレイクがないプレミアリーグのクラブが決勝トーナメントで力を発揮するのが難しくなりました。多くの選手を加えてターンオーバーすればよいという声もありますが、選手が増えれば増えるほど、ベストメンバーと同等のレベルをキープするのは難しくなります。「プレミアリーグでは負けられない」と、年末年始に主力がフル稼働して疲労を蓄積させる状況の緩和には限界があり、国内カップ軽視でいくつかのクラブが早期に敗退する現状もさほど変わらないでしょう。欧州で勝ち、FAカップもリーグカップも盛り上がる大会にし続けようとするなら、抜本的な交通整理が必要なのではないかと思います。
あらためて、「チャンピオンズリーグやヨーロッパリーグがある上位クラブ」「リーグカップ2回戦を戦う下位クラブ」の年末までのスケジュールをチェックしてみると、開幕戦直後のミッドウィークぐらいしか試合を入れるすき間がありません。FAカップのリプレイがなくなれば、3月~5月のミッドウィークを使いやすくなり、正月の渋滞をそこに移すことができそうです。さらにプレミアリーグ名物のボクシングデーを諦め、日程を前倒しすれば10日ほどのミニブレイクを作れます。経済的な観点と伝統重視でリーグカップ廃止などのアクロバットは避けるとなると、ここまでが限界でしょう。それでも、2年連続でリーグカップのセミファイナルに進出したリヴァプールに見られた明らかな疲弊や、CL組のメンタル・フィジカルのコンディション不良は避けやすくなると思われます。
例年、秋に好調なアーセナルを観ると、「このメンバー、このクオリティでチャンピオンズリーグを戦っているところを観たい」と思うのですが、淡い期待はしばしば裏切られ、カソルラなどキーマンがいない70点のチームを目にすることも少なくありません。われわれプレミアリーグファンとしては、いつもベストのチーム同士の対決を楽しみたいもの。リンカーンやミルウォールの躍進が、FAの関係者を目覚めさせるきっかけに…いや、まだ弱いですね。サットンまでベスト8にいけばインパクトがありますが。明日、若手主体のアーセナルがカンファレンス・ナショナルのクラブに不覚を取れば、結果的に極上の抗議行動になるかもしれません。FAカップ最多優勝監督のヴェンゲルさんが、ここで失敗するとは思えませんが、どうなることやら…。
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これは難しい。最もな改良案だと思いつつも、私が他のリーグよりプレミアリーグを好きな理由がまさにそのなくそうと言われている部分にあるためです。
ボクシング・デイ、年始の試合、そしてカップ再試合。単純に年末年始の比較的のんびりできる時に見られるトップレベルのサッカーがプレミアリーグだけというのがやはり魅力でした。しかもチャリティとかではないバチバチの試合を。しかもそれにボクシング・デイという心暖まる物語がついてくる日付も特別感がある。
またカップ戦は下部リーグのチームが例えばビッククラブのホームでドローに持ち込み、次はうちの9000人のホームスタジアムにビッククラブを来させるぜなどとサポーターが狂喜乱舞する姿は他のどのリーグより多く見られ、心動かされてきました。なにしろその下部リーグのクラブの強さによってはスタジアムのサポーターにとって一生に一度しかないかもしれない喜びの日を見られたりするわけなので。
明らかに選手らに無理を強いているのですが、まったく無意味な無理でなく見方によってはそれを強いるに足る価値を生み出しているのも否定できないと個人的には思います。おそらくプレミアリーグが放映権料や興業においてトップであることとも無関係ではないでしょう。
その上で個人的にはその辺りを整理して欧州で結果だせるようになる喜びと失われる喜びを比べると悩んでしまうところではあります。
モウリーニョはプレミアリーグの日程がクレイジーと認めつつ、でもそれが好きという監督ですが、ボクシング・デイなどの試合のときに選手に我々だけがこの時にサッカーを与えられる、と考えたらどうだろうみたいなことを語ったらしいですが、たしかに私はそれでプレミアリーグにやられてしまったと思います。
我々のようにイギリス国外のファンからすれば、休みもとれて数少ない現地観戦もできる期間ですから、この文化は無くさないでほしいです。
その反面、アーセナル戦後にアンチェロッティ監督も言及していたプレミアリーグの過密日程における選手への負担も考えればどこかをやめるのは必要なのが当然ですよね。
ここ数年プレミアリーグのクラブがCLで活躍できないことが一番悔しいのでその解決に乗り出してくれるのなら・・・と思いましたが、"プレミアリーグ大好き!"さんのコメントを見たらやっぱり無くさないでと感じてしまいました 笑
プレミアリーグ大好き!さん>
なるほど。ボクシングデーとニューイヤーズデー、FAカップ3回戦はそのままで、EFLカップ準決勝を1試合にしつつ、1月中旬に10日~2週間という案もありますね。
yutoさん>
私も含め、3人とも近いこと考えてる気がします。1月中旬案で妥協しましょうか(笑)