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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

2年前を思い出せ!ウーデゴーアがゴール&アシストを増やさなければ、アーセナルは変わらない!

プレミアリーグで屈指のプレーメイカーであり、素晴らしいキャプテン。その評価は、アーセナルのプレミアリーグ制覇が絶望的となった今も変わりません。しかし最近、取りこぼしが増えたチームを見ると、こうも思います。マルティン・ウーデゴーアのパフォーマンスは、得点力ダウンの要因のひとつになっているのではないか…。

ブライトン戦とヴィラ戦のドロー、FAカップの初戦敗退、ウルヴス戦とレスター戦の辛勝、ハマーズ戦の沈黙。2025年になってから、マンチェスター・シティ戦以外に快勝がない最大の理由は、前線の負傷者続出とするのが妥当でしょう。ブカヨ・サカ、ジェズス、マルティネッリ、カイ・ハヴェルツと主力4人を欠くという非常事態は、あらかじめ予想できることではありません。

それでも本気でプレミアリーグやチャンピオンズリーグで勝ちにいくなら、サカとジェズスを失った1月に、ローン移籍でも前線を補強すべきだったと思います。ブライトンで居場所を失っていたエヴァン・ファーガソンがハマーズではなくガナーズにいたら、痛恨のロンドンダービーは違う結果もあったかもしれません。

ただし、「ストライカーを獲っていれば、リヴァプールに迫れていた」は楽観的すぎる見立てです。カイ・ハヴェルツとマルティネッリがいなくなってから、プレミアリーグでは2戦しか消化しておらず、その前の24戦で49ゴールのアーセナルは、1試合平均で2.04ゴールでした。優勝を争った昨シーズンは2.39、今季のリヴァプールは2.37。彼らは既に足りなかったのです。

アーセナルが得点力を落とした要因として、ウーデゴーアがゴールから遠ざかった影響は大きいのではないでしょうか。トップ下でプレイする時間帯が多かったプレミアリーグ2022-23シーズンは、37戦15発7アシスト。プレスと自陣での守備の貢献度が高まった昨季も、35戦8発10アシストとまずまずでした。しかし今季は、18戦2発3アシストという厳しい数字に留まっています。

ビッグチャンスクリエイト7回はランキングの35位で、サカは19回、デクラン・ライスは14回、トロサールは11回。キーパス38本も、サカの42本、デクラン・ライスの41本より少なく、全体の22位です。昨シーズンは90分あたり2.24本だったシュートは1.72本に減っており、キーパスも2.96本から2.33本に落ちています。

クロス成功は、0.87本から0.67本。成功率は39.0%から20.4%と激減しています。ボックス内からのシュートは、2022-23シーズンは47本、昨シーズンは38本、現在は16本。ミドルシュートは2年前が3発で、今季はゼロです。後方に下がってパスを受け、ウインガーやSB、セントラルMFにつなぐプレイが増えている8番は、イビチャ・オシムがいう「水を運ぶ人」と化しています。

入団初年度は7ゴール8アシストだったデクラン・ライスも、2024‐25シーズンは1ゴール5アシスト。ショットMAPを見ると、ボックスに侵入する機会が減っているのは明らかです。アーセナルのインサイドMFは、プレスやビルドアップでのタスクが増えたこともあり、ここぞという状況で打てるエリアに入れなくなっているようです。

前半の終了間際に先制されたハマーズ戦は、自陣に立てこもる5バックにミケル・メリノが抑えられ、ウインガーのカットインのルートも封じられました。アルテタ監督にしてみれば、この状況は想定内だったはずです。攻め続けた後半のシュート11本を見ると、トロサールとジンチェンコが積極的に打っていた左は6本で、右からの2本はガブリエウとベン・ホワイトでした。

当然ながらキャプテンのミッションは、先陣を切って追い回すプレスや、ウインガーを走らせるパスだけではありません。先発が12試合しかないデブライネの2ゴール7アシストに劣る現状を変えなければ、ウルヴス戦、レスター戦、ハマーズ戦のような難しい展開が増えてしまいます。次節はノッティンガム・フォレスト。いま一度、美しいゴール&アシストを期待しましょう。


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