2025.02.26 選手トピックスマンチェスター・シティの話題
アーノルドとのバトルでドリブル成功11回!それでもジェレミー・ドクが勝てなかった理由。
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2023年の夏にレンヌから移籍した22歳のドリブラーは、初年度のプレミアリーグで90分あたりのドリブル成功4.9回という数字を叩き出しています。2年めの今季は6.2回で、ヌワネリとエンシーソの3.8回を大きく引き離すNo.1。開始4分からの2度のマッチアップで、左足を出してかわされたフルバックは、5分の攻防では左からのターンで完全にぶっちぎられました。
過去2回の対決は、いずれもドクの完勝でした。2023年11月のエティハドでは、ドリブル成功12回。そのうち7回の相手は、アレクサンダー=アーノルドです。最強王者が不振に陥った今季も彼らの関係は変わらず、12月のアンフィールドでは57分に登場したドクが6戦全勝。危機感を抱いたスロット監督は、73分にクアンサーにチェンジという止血処理を施しています。
序盤の成功で今日もOKと見切ったドクは、16分にもボックス左に斬り込みました。後方をカバーしようとしたコナテとフラーフェンベルフは間に合わず、きわどいグラウンダーを入れられますが、サヴィーニョの前に入ったロバートソンがクリアしています。20分の仕掛けはドクが速すぎて、フラーフェンベルフが追いつく前に折り返しがニアへ。今度はファン・ダイクが左足でカットしました。
この調子ですべてを紹介していくと、読んでいるみなさんは退屈でしょう。結論は、「ドクのドリブルは15勝5敗、アーノルドに11勝、デュエルは16勝7敗」「アレクサンダー=アーノルドはドリブルで12回抜かれ、ドクに11敗、デュエルは3勝12敗」。今まで以上の圧勝VS惨敗となったのですが、0-2で勝ったのはアウェイのリヴァプールでした。
左サイドを完全に制圧したのにクロス成功はゼロで、シュートは2本、オンターゲットは1本のみ。ゴールの可能性が感じられなかったドクに対して、アレクサンダー=アーノルドはサラーへのロングフィードで2点めを演出しています。前回のエティハドでも、抜かれまくった66番が同点ゴールを決めており、3戦連続で個の勝負を制したマン・シティは1分2敗に終わっています。
ジェレミー・ドクのパスの大半は、後方のグヴァルディオルやニコ・ゴンザレスに戻すボールで、ニアに出す高速のグラウンダーは読まれています。昨季プレミアリーグは29試合3ゴール7アシストで、今季は17試合3ゴール4アシスト。強引に抜こうとするのに、強引に打たないのはなぜでしょうか。
圧倒的な突破力は諸刃の剣で、スタンドアローンのドリブルマシンと化してしまうゲームもあります。現在のマン・シティは、右サイドのサヴィーニョも21試合で1ゴールしか決めておらず、ウインガーの得点力は課題のひとつといえるでしょう。ドクのパフォーマンスを分析した「テレグラフ」のアンディ・ジョーンズ記者に、締めの言葉をいただきましょう。(ジェレミー・ドク 写真書作者/Hainotdeptrai)
「It was evidence that winning an individual battle does not always result in a positive collective outcome for your team.(個人の戦いで勝つことが、必ずしもチーム全体としていい結果をもたらすわけではないという証拠だった)」
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